伊藤ひであきの市政報告

●第二問(1)統一選総括 (2)三位一体改革 (3)自動車特区
 (4)箱物整備 (5)地域力低下 (6)お役所仕事

2003年6月 ●一般質問の第二問のポイント

06月10日 06:20

1.自立した元気な、そして分権の豊橋の構築について

(1)統一選の総括
 答弁にもありましたが今回の統一選でキーワードになった「世代交代」「マニフェスト」「最低の投票率」について質問を進めさせていただきます。

 今回の統一選は「世代交代」が顕著に現れました。10知事選で新顔の6人が知事になり、このうち3人は40歳代であります。平均年齢も前回の62・6歳から55・9歳に若返り。当選回数も2・6回から1・9回となった。市長選当選者の新人の割合は43・1%と前回より9・5ポイント上昇。当選回数4回以上の市長は前回17人だったが、今回は約半数の9人に減少したということであります。

 もともと地方選挙は世代交代が見えやすい。しがらみを引きずっている政治家よりも若い、新しい力に託したいという動きが出てきている。世間全体もちょうど世代交代の時期を迎えています。若ければいいのかと言えば、それも問題があるが、今の政治が若い発想を必要とし、体力的にも若くないと難しくなっているのは事実だ。経済界でも、社会全体としても若い力を求めて、そこに活力を見いだしていこうという流れになってきた。「世代交代」というのはある意味では反発を買うスローガンである。「交代」をつきつけられたほうの世代、これは私も含めてですが、自分たちが否定されたと感じるからです。

 そこで質問。昨日も指摘がありましたが、60歳定年の時代となり職員の高齢化が顕著になってきています。部長さんの平均年齢は〇○才という現実です。それをどうこういうものではありませんが、市役所の中には優秀な若手の職員が目につきます。
 元気な豊橋作りのためには、行政の現場を変えるには、流れを変えるには、高い能力を秘めた若手の職員にもっと活躍の場を与え、その力を徹底的に引き出すのも元気な豊橋づくりのために必要ではないかということであります。市長の所見を伺いたい。

 次に「マニフェスト」です。マニフェストとは具体的な数値目標や財源、達成期限、私はさらに手段を入れるべきだと思いますが、これらを盛り込んだ選挙公約集のことで、北川正恭(まさやす)三重県知事(当時)が今年1月に統一選の候補者に作成を呼び掛けたところ、発表する候補者が相次ぎ、一種の流行語となりました。
 知事選では45人の知事候補のうち11人がマニフェストを提示した。政策論争の活発化は歓迎すべき傾向であり、これまでの「公約」では、何でもやりますとか何々を検討するとか、結局、何を言いたいのか分からない。また候補者がすべての人にいい顔をするのはもはや無理ということが、有権者も分かってきた。
 いつまでに何をするのか有権者に約束する。そうすれば、できることとできないことがはっきりする。本来、マニフェストというのは国政レベルの政権を争う選挙で出されるものだ。それを地方からやろうと、「ローカル・マニフェスト」が提唱された。しかし、このことは特に新しいことでなく、豊橋市第四次基本構想、基本計画では計画の期間も、計画の指標も明確に示し、その事業一つ一つに項目コードをふって、行政評価が行われています。

 北川氏などが言うように、地方でどんどんマニフェストをつくれば、中央政界もつくらざるを得なくなってくる。それが、日本の政治の質を変えていく大きな契機になるのでないだろうか。首長や議員にとっては、今後どう具体化していくかが問われています。

来年、秋に市長選挙もあるわけで、この「ローカルマニフェスト」に対する市長の所見を伺いたい。

 もうひとつ「最低の投票率」でありますが、初めて「選挙公報」も発行されて大変好評という答弁もありました。新成人の投票立会人という試みもなされました。しかし、こうした取り組みが投票率に直結しなかった。その中でも20代前半の投票率は23.12%、20歳の新有権者に限れば30.77%という結果であります。
投票立会人を経験した新成人のアンケートの中に「投票所で足りないものは」の問いに「明るさ、華やかさ」「重い空気を和らげる音楽」「笑顔」などの声が寄せられたことが紹介されていましたが、選挙管理委員会の投票率向上に意図することがあれば伺っておきたい。

(2)三位一体改革
 昨年6月、小泉首相が「国庫補助負担金、交付税、税源委譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討する」と述べ具体的な改革行程を1年以内にまとめるとした1年目が6月末であることから、議論が沸騰しています。
 地方への税源委譲が後回しにされ、補助金や交付税の削減が先行実施されれば地方自治体の財政基盤に深刻な打撃を与えかねません。それだけに地方から不満の声が上がっているわけで、いつも冷静な我が神田知事すら「地方分権の流れに逆行しており、到底納得できない」と厳しい口調で批判しています。

 市長は今年度、愛知県市長会会長であり、東海市長会副会長に就任されています。市長のこの問題に対する顔が見えない、市長の声が聞こえないのが残念に思っています。

 市長自身の言葉で地方の将来がかかっている三位一体についての所見を伺っておきたい。

(3)国際自動車特区、リサイクルポート
 「内外の自動車関連産業が集積し、車の輸出入額で日本一を誇る物流拠点が三河港である」ことまでは市民は理解できても、その三河港が構造改革特区に認定されて、「何が変わるのか、地域産業の活性化にどうつながるのか」がわかりにくい。ましてや、今の答弁をお聞きしますと、ますますわかりません。
 
答弁にあった「地域産業の活性化に繋げていくためには地域の特性・利点を生かせる方策を整理し、支援体制等の整備を図り」とは具体的にどのようなことを考えておられるのか伺いたい。

 また、国際物流特区の指定を受けた北九州市の予想では向こう10年間で約35社が企業進出し、1万人以上の新規雇用が見込まれる上、経済効果は約4070億円に上るとしている。こうした表現で三河港特区の経済効果を述べていただきたい。

また、これだけのブランドがついたことにより、産業界の反応、特に進出を打診するような動きは始まっているのかどうか伺っておきたい。

 また、このことが兼ねてからの懸案事項である特定重要港湾への昇格にどのような役割を果たし、実現の可能性についてはどうなのか確認しておきたい

(4)ハード整備と活性化ソフト事業
選挙中に市民の皆様から様々な率直な意見が寄せられました。

「市民病院跡地の子ども関連施設等は昼間は子どもは学校に言っているのだけども、週末だけの施設になるのか」
「生涯学習センターに向かう前にこの夏から豊橋西武百貨店がシャッターを降ろすのだぞ、本当に回遊して中心市街地活性化の核になるのだろうか」
「本当にアイススケート場が温暖な豊橋に必要なのだろうか、市民はどこまでアイススケート場を待ち望んでいるのだろうか」などなど・・・。

 そこでこの質問となったわけです。市民を元気にするためには舞台が必要です。しかし、「その舞台をどう盛り上げるか」については知恵が要ります。戦略が必要です。そして、もっと大事なことは年間の利用目標を明確にすべきです。またその結果責任も明確にすべきです。 「公共工事」「箱物行政」が批判を浴びているのは、行政独特の甘い予想と、誰も責任を明確にしないところにあります。意図するところがあればお答えください。

(5)地域力の低下
 町角の八百屋さんのオヤジさんが「おっかあ、いつも昼ごろにおかずを買いに来ていたあのおばあさんがこの4,5日こないが、お前見ていってやれ」
「お父さん、おばあさん、熱出して寝取ったわ、食事もせんと。病院へ取れていってあげるで店頼むよ」。こういう機能までが失われていくことに危機感を持っています。

 それをカバーできるだけの地域コミュニティの高まりはあるでしょうか

。  また答弁にありました「賑わいのある商店街の形成支援」などとお答えになりますが、買い物客は道路沿いのショッピングセンターや量販店に行っているようです。そのような所には市民は車で行ってしまうので、街からは離れてしまうのです。ウィンドウショッピングを楽しみ、気に入った店に入るということはありません。何を買うか、何を食べるかを決めて特定の店に車で行くのです。そぞろ歩きのできるにぎわいは生じません。

「賑わいのある商店街の形成支援」を名目にどれだけ税金をつぎ込んできたのでしょうか。つぎこんでも、つぎこんでも賑わいは戻ってこなく、寂(さび)れる一方なのではありませんか。

 夜になると郊外はネオンと明るすぎるほどの照明で光り輝きます。遅くまで店も開いています。一方、中心市街地は灯が消え、早くからシャッターが閉まり、人通りもありません。八百屋さんや、魚屋さんがないところでは住みにくいです。

中心市街地の活性化について発想の転換が必要ではないかと申し上げたいのです。取り組まなければならないのは地域コミュニティの回復なのではないでしょうか。意図するところがあればお答えください。

(6)お役所仕事
 本会議場できわめて細かいことを指摘させていただきました。1000万円もの工事を施行するときに「ただいまこの公園で防火水槽工事を行っています。60立方メートルの水を地下に貯蔵し、万が一の火災に備えます。耐震性ですので地震にも強い構造になっています。工事にご協力ください」という看板を立てることはできませんか。
今後、公共工事の現場に立てる看板をPR看板に変えませんか。考えを聞きたい

 また豊橋の体育施設を民間活力で柔軟に対応し、市民サービスに努めようと体育協会に委託していても、退職職員の受け皿になっているから、すなわち「人」が変わらないからその上、仕組みが変わらないから、相変わらずのお役所仕事が続いている。

 中核市になって4年。行政評価システムも4年目、ISO14001も取得して3年目、20世紀から21世紀に変わっているのに、市民の見えるところでは、何も変わっていない。意図するところがあればお答えください。

 昨日もこんなFAXをいただいた。「先日、わが社の浄化槽の清掃をしてくれている業者は,くさい汚い所を舐めて取ったように泥まみれになって清掃し、丁寧な作業のゆえに遅くなり暗くなっても作業灯を点灯させて作業を行って、キチッと片付けて終わりました。
その責任ある作業と仕上がりに支払う対価は少しも惜しくはありませんでした。
民間の企業ではこんなことは当たり前で、それで給料をもらっています。

 先日目撃した事です。豊橋市の清掃車がゴミを収集していました。運転する人が一人、後ろにゴミを積み込む人が二人の合計3人で作業をしていましたが、民間の企業ではこんなに人数を掛けることが出来ません。どうすれば同じ時間で同じ量の作業が出来るかを考えます。人件費の削減がどのような結果をもたらすか−「赤字体質といわれる豊橋市の財政の解消を真剣に考えようとしないからこんな事が.平然と行われ、聞く所によると、ゴミ収集の作業員は午後の3時半には風呂に入って定時の5時には帰宅するという。民間では5時まで作業し、その後、体を洗って退勤するというのは当たり前のことです」

 もうひとつ、ビンカンボックスのことを取り上げました。ビンカンボックスに投入されたビンカンの所有者は市であり、市民が自動販売機やお店でジュース缶を購入して手にした瞬間から、それが廃棄されるときは一般廃棄物となり「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第6条の2「市町村は、一般廃棄物処理計画に従って、その区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分しなければならない」に従って、ビンカンボックスを設置し、豊橋の場合一基約70万円のを4000基すなわちそれだけでも3億円かかっている。それでビンカンを収集し、資源リサイクルセンターに搬送し、鉄缶とアルミ缶に分別し、リサイクルしている。そのアルミ缶が抜き取られるので採算は日に日に悪くなってきている。
それを抜き取る背景にはホームレスの実態もあり、それを防ぐ策を施せば施すほど、今度は投入しにくくなる。という問題点がある。

それで、私が申しあげたいのはビンカンボックスは設置されてから10年、昭和50年から始まった530運動も文字通り30年目にさしかかろうとしている。
10年間のビンカンボックスを一度、総括し、撤去しませんか。と提案したいのです。

 昨年12月議会で私は「埋立て処分場のいらないごみ行政」の具体例として8分別とプラスチックごみの全量リサイクルを提案しました。この7月から7分別となり、プラスチックの全量リサイクル用のハード設備が準備されることになり、大変に喜んでいるところです。

 ビンカンボックスは撤去すれば、缶の不法投棄が進むでしょうか。それに代わる容器入れをジュースを買った商店に設置を義務化させ、なるべく、その場で飲むようにする。あるいはデボジット制を導入する。
 もしも、それでは法律的問題があって無理ならば
私は「530特区」を申請したらどうかと提案したいのです。

 信号で止まった車からごみを中央分離帯に捨てたり、車の中でタバコを吸いながら、吸殻を車の外へ平気で捨てている人など、530の街の市民かと疑いたくなることもしばしばですが、市民協働の街づくりのためにも、もう一歩踏み出したごみ行政で環境文化都市らしい街にしたらどうでしょうか。

 現在、このビンカン回収リサイクル委託費に年間115百万円ほどかかっていますので、市民一人当たり310円負担していることになります。4人家族では1240円です。市民の皆さんが協力してビンカンの収集をしない街にしたら、市民税は年間1240円安くしなす。という発想があってもいいのでないか。

 530特区に対する市長の考えを聞きたい。


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