今、その徳島は新たなる段階を迎えている。明石海峡大橋の完成を来年に控え、
神戸市と車で100分で結ばれる。近畿圏との交流拠点として、大きな役割が期
待されている。
その徳島で、きめ細かいソフト施策を勉強させてもらった。市民ネットワーク
「TOKU とく トーク」である。
これは市民どうし、市民と行政のコミュニケーション手段として市が設置運営
するネットワークシステム。昭和63年に庁内コミュニケーションネットワーク
システムの実験開始の歴史から始まり、次第に庁外へすなわち市民へ開いていっ
た。そして平成6年12月の正式開局となる。
コンテンツは行政情報提供サービス、市民同志の情報交流の場の提供、今後の
市の業務の情報通信インフラの3点である。行政情報は市議会議事録検索サービ
スもあり、キーワードで過去の議会論議を検索できる。また情報交流の場はNI
FTYの会議室と同じであり、シスオペの変わりに議長が進行を取り仕切ってい
る。行政が構築しただけに、入会費や会費は無料、実名でのやり取りである。
また図書館書籍情報検索や市長のポストなどの公聴業務などのサービス展開も
考えられている。井戸端会議やわいわいクッキングなど親しみやすいメニューも
組み込まれている。
市民に普及させるために、この3年間、700名のパソコン教室を開催し、今
年度は中高齢者向けコースを設けて実施したり、情報誌も発行し、利用者の拡大
を図っている。
それで、6月末時点での加入者は1169名。年齢別では30代が29.6% 4
0代が29.9% 次いで20代が20.5%。 地域別では市内が790人の67.6% 県内2
97人の25.4% 県外82人の7.0% 性別では男性が81.1%という実態。1日に約
50人が利用しているという。
実際に端末を操作させてもらったが、通信速度も遅く(9600bps)検索にも時間
がかかる。画面もちょっと細かすぎ、見にくい。
急速な技術革新の中で、特にインターネットの時代を迎え、今後どうするかと
いう大問題もある。26万市民の中での800人の普及は市民ネットといえるか
という深刻な問題もある。
しかしとかく閉鎖的になりがちな行政情報を、パソコン通信で開いていこうと
したこのネットの歴史と挑戦の勇気に賛辞を贈りたい。
コンピュータネットワークは、やり始めなければわからない。また交流の場が
あってMAILのやり取りができる。情報化の後れは地域間競争に大きな弊害と
なる。この経験、試みそして運用によるノウハウの蓄積は次世代徳島の大きな得
とくになって、新しい徳島の、いや四国の先導的役割を果たすだろう。
徳島駅前の阿波観光ホテルにて
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