伊藤ひであきの視察報告

阿波徳島の市民ネット 97・07・14

 今日から5日間、会派の視察で四国各都市を回る。調査事項は
徳島市 徳島市民ネットワークについて 潤いのある街づくりについて
高知市 中核市について        保健福祉センターについて
中村市 四万十トンボ自然館について
内子町 町並み保存について
高松市 節水都市づくりについて    ごみ減量・資源化について である。

 人口26万8000人の四国の中核都市ー徳島市。毎年お盆の四日間、130 万人の観光客で賑わう阿波踊りは江戸時代中期以降の歴史があるという。
 今、その徳島は新たなる段階を迎えている。明石海峡大橋の完成を来年に控え、 神戸市と車で100分で結ばれる。近畿圏との交流拠点として、大きな役割が期 待されている。

 その徳島で、きめ細かいソフト施策を勉強させてもらった。市民ネットワーク 「TOKU とく トーク」である。
 これは市民どうし、市民と行政のコミュニケーション手段として市が設置運営 するネットワークシステム。昭和63年に庁内コミュニケーションネットワーク システムの実験開始の歴史から始まり、次第に庁外へすなわち市民へ開いていっ た。そして平成6年12月の正式開局となる。

 コンテンツは行政情報提供サービス、市民同志の情報交流の場の提供、今後の 市の業務の情報通信インフラの3点である。行政情報は市議会議事録検索サービ スもあり、キーワードで過去の議会論議を検索できる。また情報交流の場はNI FTYの会議室と同じであり、シスオペの変わりに議長が進行を取り仕切ってい る。行政が構築しただけに、入会費や会費は無料、実名でのやり取りである。
 また図書館書籍情報検索や市長のポストなどの公聴業務などのサービス展開も 考えられている。井戸端会議やわいわいクッキングなど親しみやすいメニューも 組み込まれている。

 市民に普及させるために、この3年間、700名のパソコン教室を開催し、今 年度は中高齢者向けコースを設けて実施したり、情報誌も発行し、利用者の拡大 を図っている。

 それで、6月末時点での加入者は1169名。年齢別では30代が29.6% 4 0代が29.9% 次いで20代が20.5%。 地域別では市内が790人の67.6% 県内2 97人の25.4% 県外82人の7.0% 性別では男性が81.1%という実態。1日に約 50人が利用しているという。

 実際に端末を操作させてもらったが、通信速度も遅く(9600bps)検索にも時間 がかかる。画面もちょっと細かすぎ、見にくい。

 急速な技術革新の中で、特にインターネットの時代を迎え、今後どうするかと いう大問題もある。26万市民の中での800人の普及は市民ネットといえるか という深刻な問題もある。

 しかしとかく閉鎖的になりがちな行政情報を、パソコン通信で開いていこうと したこのネットの歴史と挑戦の勇気に賛辞を贈りたい。

 コンピュータネットワークは、やり始めなければわからない。また交流の場が あってMAILのやり取りができる。情報化の後れは地域間競争に大きな弊害と なる。この経験、試みそして運用によるノウハウの蓄積は次世代徳島の大きな得 とくになって、新しい徳島の、いや四国の先導的役割を果たすだろう。

徳島駅前の阿波観光ホテルにて


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