高松の水資源はその65%を早明浦ダムに貯水される香川用水からの県水に頼
っている。貯水量が50%近くになると香川用水の取水制限が行われることにな
る。そこへ日本一雨の少ない香川県という条件が重なる。近年では温暖化などの
影響で少雨傾向が拍車をかける。高松の年間雨量は約1000mm全国平均は1
700mmである。
そこに重なるのが高松市周辺には大きな川がなく、貯水量の大きなダムを造る
のは難しいという地理的条件が重なる。
もう一つ、水洗トイレの普及や井戸の減少、ライフスタイルの変化などで年々
増え続ける水の使用量が重なる。昭和40年には一人一日使用料は162リットルで
あったのが平成7年では337リットルと2倍以上になっている。
ゆえに高松は市民総ぐるみで「新たな水源確保」と「節水」を二つの柱に、
「渇水に強いまちづくり」を行っている。
その主な取り組みは
・市民の約8割に普及している節水こまの無料配布。
・風呂の残り水を洗濯機に送るなどのミニポンプ購入費の助成
・用を足すとき水が流れているような音を出す擬音装置の設置。
・下水処理水を浄化し、再生水を利用。すでに1日500立法メートルを利用。
・77施設の公共施設での井戸整備。
・雨水の利用のための貯水タンクへの補助などを通じての普及促進。
と枚挙にいとまがない。
「衣食足りて礼節を知る」という、礼節を知った人間が、水が足らない生活の
中でどんな社会を築くのだろう。あるのにないものを想像するのは観念になる。
無い物をないとして、無くても生きれる社会は本物を生みだす。
懸命な水問題対策室の皆さんの必死さにふとそんなことを考えた。
高松の水飢饉への挑戦は、自然と共生する街づくりそのものである。
5日間の四国視察を終え久しぶりの我が家で
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