市民の皆さんからのご質問にお答えします

私たちは何故、自主投票にしたか 2000.11.7

Q:21世紀初頭の愛知県二番目の都市−豊橋市の市長選が近づいてきましたが、公明党は自主投票とされたのは何故ですか


A:地域間競争の時代に要請される首長の智恵と力

●早川市政4年間と公明党

 現職早川市長が再選を果たすのか、それとも新人、太田氏が逆転勝利するのか。山崎氏はどれだけの票を取るのか。短期決戦の市長選。日に日に勝敗の行方が注目される。

 記者がまた聞く。何度も同じ事を聞きに来る。「公明票の行方が全てのキーポイント。公明票は最後はどちらへ動くのですか」
「全く、動きません。自主投票に機関決定しているのですから」
「でも、最後は動くでしょう」
「全然、動きません」

 我々公明党豊橋市議団が、党東三河第15総支部がなぜ自主投票に決めたのか。
 何よりも市長選候補者から事前に推薦・支持依頼はどこの陣営からもいただいていないのである。
 そして、何よりも候補者の皆さんは各々に「市民党」を名乗り、政党とは一定の距離を置いておられるのが全てです。
 自民党支持と報道される新人・太田氏ですら、太田支援グループの一つが自民党豊橋市支部という形、共産党県委員の山崎氏でさえ共産推薦という形を取っている。

 4年前の前回市長選は、公明党市議団は新進党グループで衆議院選の準備をしていた。そして、あの前市長の不祥事。逮捕されても前市長からは「辞表」が出てこず、市民からの激しい鉾先は「議会は何やっとる」という轟々たる非難の嵐。

 そして苦渋の時間が過ぎていった時、突如として「衆院選への出馬を止め、市長選に立候補します」と早川現市長が記者会見。
「そんな事があるか」と怒り心頭だったのが、新進党グループのメンバー。
 よって、私達は「何としても対抗馬を」と候補者擁立に動きましたが、頓挫し、結局、低い投票率(38.86%)の選挙となり、53,931票を獲得して現早川市長が誕生した。

 そして4年、最初の約1年間は、議会と市長とのキャッチボールがうまくいかないという状況が続いたが、市政の落ち着きと共に一定の距離が保持できるようになった。それはまた、早川市長自身が国会議員から地方自治体の首長のイスに就いて、地方行政の全体像を掌握するのに必要な期間だったであろうし、我々も、また元社会党国会議員と言う前歴を踏まえた上で、早川市長そのものを理解するのに必要な期間であったと思う。

●福祉・環境・教育の分野で政策展開

 そして、市長の与党でも野党でもないというスタンスの中でも特に、私自身が本会議で何度も提案した「豊橋環境村構想」は「エコビレッジ構想」として次期基本構想の、いや21世紀初頭の豊橋の目玉プロジェクトと位置づけられ、動き出している。

 また、県財政の逼迫から福祉医療費補助金カットが明確になってきた時、我々市議団の要請にも応えカット分を市単独補助する事になり、「福祉の後退」を回避し継続できた、などなど我々公明党市議団の政策要求を市長はそれなりに受け入れ、特に福祉・環境・教育を回転軸に政策展開がなされ、具体化されていった4年間。

 こうした、対応がある以上、「現職市長ノー・市長交代」の大義名分はでてこない。

 大義名分がない以上、大群は動かせない。この事を我々の支援団体である豊橋創価学会との連絡協議会でも確認し、党県本部、党本部の決済を受けた。

●こらからの首長に求められるもの

 しかし、一方、21世紀を直前にし、これからの豊橋のためには新しい発想、新しいリーダーシップが要請される事は言うまでもない。この事は9月議会本会議場で主張させていただいたポイントである。
 昨年4月に中核市となり、多くの権限が県から委譲され、さらに今年4月からの「地方分権一括法」の施行により今まで県や市町村が担当してきた多くの業務は「機関委任事務」として位置づけられ、中央官庁の指揮監督に従って処理されてきたが、それが廃止され、国と地方は「対等の関係」になった。「自主性」と「主体性」のある行政経営の時代に突入している。

 言い換えれば知事や市町村長が智恵と力を発揮する時代に入った。

 一方、ITの進化、地方分権の動き、高齢化社会、環境都市への取り組み、財政運営、産業のグローバル化、国際交流のあり方・・・等など地域間競争の勝ち組みと負け組みを作る重要なキーワードが山積している。

 よって、これまではどういう首長が選ばれても、自治体はそれなりの経営はされてきた。
 しかし、これからは首長のリーダシップの差、発想力の差、戦略性の差などにより地域づくりに大きな格差が出てくる事は必然の時代。首長にどういう人物を選ぶかによって大きな差が出てくる。

 その意味において、迫ってきた11月12日の市長選挙は今までとは違った大きな意味を持っている。

●より可能性のある豊橋のために

 よって「誰でもいい」というのは政治家のはしっくれとしては、あまりにも無責任である。

 しかし、それは市議会議員というよりは個人の見識の問題であり、個人の見識の問題を党組織で一本化する事ではない。

 自らの判断で三人の候補者の中から、消去法でもいい、加算法でもいい、より意に適った候補者に投票し、より可能性の広がる豊橋市政のために、よりましな21世紀豊橋のために自ら意に適った候補者に支援活動を展開することはまた、一市民としての当然の責務であり、義務である。
 この事は当然、公明党員にも、また学会の皆さんにも水平展開されるし、一有権者としての当然の責務である。

 そうした事も含めて、我々は自主投票と決定し、そのルール(組織に働きかけをしない、議員は陣営の公式の会合には出席しない等)に従って最後まで忠実に行動していくのである。


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