市民の皆さんからのご質問にお答えします

資源化センターの焼却炉の論点を教えて下さい。

Q:その後の資源化センターの焼却炉の更新について、経過と論点を教えて下さい


A: 豊橋市では「ゴミ焼却炉の問題」が、市政の重要課題として大きくクローズア ップされてきています。

●1,2号炉(共に125トン)が運転開始後17年を経過し、機能が低下し、老 朽化が進行し、今後のゴミ量の増加を考慮すると切迫した状況にあり、早急な更 新が要請されています。

●当局は次の焼却炉は経済性とダイオキシン対策、焼却灰を溶融個化するなどの 厚生省指針にしたがって、次世代型といわれる熱分解高温燃焼溶融炉と決定。2 00トン炉2基に更新し、平成14年度稼動を目指しています。

●次世代型(熱分解+灰溶融)焼却炉とは何か
約450度の無酸素状態の炉でゴミを可燃ガスと炭素に分解。それをエネルギーに 1300度の高温で炭素を溶かす。高温のため発がん性の疑いのあるダイオキシンは 削減でき、焼却灰は溶かして固めてアスファルトなどの原料にもなり、熱効率も よく、リサイクルにも貢献できるシステムとしている。

●次世代型焼却炉については現在、19社による研究開発が行われている最中で、 厚生省の補助基準に適合した「技術評価書」を得ているのはドイツのシーメンス 社と技術提携した三井造船の1社だけ。同社は福岡県の清掃組合(110トン炉) と契約し、平成12年稼動を目指し、建設が始まっています。

 また、海外でも実機による1号機(120トン炉)はドイツフェルト市で現在 調整運転が行われており、今年2月に引き渡される予定。

 豊橋で200トン炉2基が稼動すれば世界最大の「熱分解高温燃焼炉」となり ます。

●市当局の次世代型焼却炉提案の根拠は厚生省所属の公益法人「廃棄物研究財団」 の「技術評価書」による。これは三井造船がドイツ・シーメンス社から技術導入 し、H6年8月から横浜市との協定で日量20トン処理の実証プラントでの稼動デ ータをもとに同財団に技術評価を申請し、適切にゴミの処理を行う事ができる技 術であり、補助金の対象となると認められたもの。

 また同方式で福岡県の八女西部広域事務組合が110トン炉を2基発注し、ドイ ツシーメンス社によるフィルト市での試運転が4月から始まる。また「各メーカ ーが開発に取り組み、実証炉による実験中であり、来年秋の入札には複数社が参 加できる」とした。

●4月以降 特別委員会は炉形式について当局と論議。

6月議会、9月議会での論議のなかでも次世代型焼却炉導入を危ぶむ質問と当局 の導入への固い意思表示の答弁が繰り返された。

●10月 豊橋市議会欧州視察団はドイツにおける廃棄物処理の現状とフィルト 市における試運転の実際を2日間に渡って調査研究。120トン炉2基2系統のプ ラントでは今年4月から、ごみ質の変化などで1600トンしか焼却されていなか ったが、「問題点は解決できる」とメーカー。

●11月27日 特別委員会で市長は「各メーカーの開発状況を調査したところ、 結果的には来年度の発注時に入札参加でき得るメーカーは1社とならざるを得な い」ことを明言し、次世代型焼却炉の開発状況と「ゴミ処理施設発注仕様書」の 概要を示した。また来年2月フィルト市へ技術職員を派遣しフル稼動の実態を調 査することを明らかにした。

●各メーカーの取り組み状況
厚生省の補助を受け「廃棄物研究財団」が中心となり平成8年から3年計画で1 9社が取り組み中

三井造船・タクマ・石川島播磨重工業・クボタ・日立   …回転キルン式
パブコック日立・住友重機械工業・荏原製作所・三菱重工業・日立造船・神戸製 鋼所・川崎重工業・月島機械・三機工業・栗本鐵工所・東レエンジニアリング・ ユニチカ                       …流動床式
新日本製鐵・日本鋼管                 …シャフト式
 いずれも今年度に実証プラントを設計し建設、来年度から実証試験を行い技術 評価を申請するスケジュール。

●市長ならびに市当局の主張
・ 現焼却炉は17年経過しており、能力低下、修繕費用の増大、ゴミ量増加で 一刻の余裕もない。よって平成14年度新施設稼動の計画に沿って進める。
・ 契約後に実施設計を行い、プラント工事を施行していくことになり、1社に よる随意契約もやむを得ない。
・ 遅らせることができない理由として
 国県の補助金手続きの関係
 現焼却炉の性能診断による緊急性
 ごみ量増加の緊急性
 環境アセスメントのやり直しになり地元との信頼性など。
●議会の反対論派の主張
・各メーカーが平成10年度をめどに開発中であり、その技術評価を見届けるま で事業化を待つべきでないのか、それにより競争性を確保し公平公正に進めるべ き。
・安定稼動・安全性の実証例がないまま多大な設備投資がなされる事になり、ま してや200トンへのスケールアップは例がなく、担保設定・性能保証が課題で ある。
・「ドイツフェルト市への市職員の調査派遣を通じて、実機の稼動の実態を掌握 し、議会や市民に焼却炉本体の評価を示すべきだ。よって第三者の専門家も同行 させるべき」 


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