伊藤ひであきの視察報告

新潟ごみ事情 97・07・23

 人口48万人を超える日本海の中核市ー新潟を市議会の廃棄物処理調査特別委 員会の一行17人と訪れた。

去年、4月から新潟のゴミは4分別から6分別に分けた。ごみの減量化、資源 化による埋め立て処分地の延命化とと市民とともにリサイクル活動の推進を目的 としての施策の展開である。

 普通ごみ・分別ごみ・有害ごみ・粗大ごみから、燃えるごみ(週3回)・ビン カン(週1)・プラスチック(週1)・燃えないごみ(月1)・有害ごみ(月 1)・粗大ごみ(月1、申込み制)である。また今年、4月からごみ袋を透明な ものを使用するよう義務づけている。

 新潟には新潟の事情がある。水の都といわれるということは地下水位が高い。 よって最終処分場は深い穴がほれず、せいぜい4mだという。よって年間3haの 埋め立て地が必要になる。また、何よりも雪が降る。よって空きビンボックスが 雪で埋まってしまう従来のやり方を改めてビン・缶は市内3900のゴミスティ ーションに透明袋に入れたまま出してもらう方式である。

 ビン缶は収集車で回収し、エコプラザへ運ばれる。ここで種類ごと、色ごとに 分けられ、圧縮される。 そして民間会社に売られる。スチール缶は2円/k アル ミ缶は129円/k、ビンは2、67円/k 全域回収が始まった今年はその売り上 げを7000万円見込んでいる。

 選別作業は(株)新潟市環境事業公社に1億3000万円で委託している。この 公社はかっては屎尿処理業者の生き残り策で、下水処理場のメンテナンスも行っ ている。25人の体制で、集められてきたビン・缶の袋を機械で破り取り除くこ とから始まる。ビンの種類分け、色分けは手作業であり、大変な作業である。よ って1日5時間の稼動で60tの処理能力のある施設である。併設されている啓 発施設はごみ分別、減量活動の拠点となっている。

 プラスチックは民間会社の次世代廃プラスチック油化プラントに運ばれ、A重 油を生成しようという仕組み。平成8年に完成し、試運転を行っていた昨年12 月、火災を起こし、前処理工程だけが動いていて、1/15〜1/20に圧縮され、埋め 立てられている。このプラスチック類の中にペットボトルも入れている。前処理 段階で圧縮されてベーラーにされ、再商品化しようという仕組み。

 ここに至るまでの、1200回に及ぶ市民への説明会などソフト施策の取り組 みとの連動によって平成7年に10万2000Tのごみ量が平成8年には9万2000Tと1 1%のごみ減量につながったという。今後の推移を見なければ一概に言えないが、 初年度の成果を基に市民総ぐるみでのごみへの新たな挑戦が始まっている。           

新潟駅前のホテルにて夜明け前に


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