伊藤ひであきの地方からの提言

'98年頭に三つの提言 98.01.01

1、中核市−豊橋は地方分権の旗手たれ

 豊橋市は来年(平成11年)4月に中核市移行を目指しています。中核市になると県から都市計画上の開発許可や福祉分野での許認可、保健衛生、環境保全など様々な事務権限が移譲されることになり、福祉や街づくりなど住民に身近な分野の行政サービスがより一体的に展開できるという制度です。「自分たちの街づくりは自分たちの手で」という考え方こそ街づくりの基本であり、地方分権の流れそのものです。そして中核市はこの分権の流れの一定の役割を果たす受け皿であることに異論はありません。
 よって、これからの1年間の準備態勢も含め地方分権の流れを先取りするために「分権の旗手」としての気概を発揮して取り組むべきです。 また産業廃棄物問題などもこれからは豊橋市が対応することになり職員自身のレベルアップも急務の課題です。中核市移行のメリットを最大限に発揮できるためにも新年度は「中核市準備室」を設置し、全市民的な盛り上がりを図りつつ取り組むべきです。

2、介護保険を生き生きとしたものに

 平成12年4月実施が決まった介護保険は制度的には様々な矛盾が指摘されているものの、家庭介護に限界があり、公的介護体制の必要は誰しもが認める事です。
 しかし、従来は家族が主体であった介護サービスが保険料、負担料に置き換わることになり、日本人の生き方の根幹にある「家族」「家制度」の良さを乾いたものに変質させることにもなりかねません。また介護保険は申請主義の現物給付だから、助け合って介護している家族には給付はありません。親不幸のすすめでは困ります。
 よって豊橋のように農業都市であり、持ち家率も高く、二世代、三世代同居も多いこの地域にあった血の通った「豊橋市介護保険」を創出する覚悟でこの2年間の準備に入らなければなりません。
 豊橋らしい生き生きとした介護制度を準備できるかどうか、豊橋の福祉の力量が問われていくことになります。個人を大切にする社会教育と共に市民に根ざした介護計画に基づくハード・ソフト両面からの整備は待ったなしです。

3、新たなる530の街づくりを

 豊橋市は資源化センターの次期焼却炉を次世代型といわれる熱分解高温燃焼溶融炉として導入の方向で動いています。この焼却炉は高温でゴミを可燃ガスと炭素に分解、それをエネルギーに炭素を溶かすので熱効率も良く、ダイオキシンは削減でき、焼却灰は溶かして固めて、リサイクルにも貢献できるという新技術です。しかし、稼働実証例はなく、豊橋で200トン炉2基が稼働すれば世界最大の次世代型焼却炉となります。こうした背景で導入に進む以上、契約に当たっては性能保障を明確にし、どこまでも市民との納得と共同で進めるべきであると提案します。
 そして何よりも豊橋の廃棄物を出さない(ゼロエミッション)リサイクル社会構築の青写真を明確にし、その上で次世代型焼却炉を位置づけ、新たなるゴミゼロ運動を展開すべきと考えます。
 豊橋では昭和50年に豊橋山岳会の皆さんの提唱により「自分のゴミは自分で持ち帰ろう」と提唱した事から530運動が始まりました。「ゴミを捨てる」から「持ち帰る」へと市民意識を変革した画期的な運動でした。その伝統を受け継ぎ徹底したリサイクルで「持ち帰る」から「ゴミを減らす」新たなる530運動を提案します。


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