市民の皆さんからのご質問にお答えします

焼却炉問題 ドイツ、フィルトプラントでガス漏れ事故

Q:豊橋市が導入しようとしている次世代型焼却炉のベースになっているドイツ、フィルトプラントでガス流出事故が起きたということですが、そのことについて教えて下さい。


A:三井造船との随意契約による入札が済み、確認事項覚書でのかし担保内容も特別委員会に提示され、8月19日の特別委員会の審議が行われようとしていた8月17日、ドイツフィルト市から思わぬ情報が飛び込んできました。

豊橋のベースになる焼却炉
 豊橋市が導入を決定し、次世代型の焼却技術として世界で注目される熱分解高温燃焼炉は稼動1号機となるはずだったシーメンス社のフィルトプラントが8月12日ガス流出事故を起こしていることが判明。この施設は豊橋市が随意契約する三井造船が技術提携し、三井造船のベースとなった焼却炉。

政府による稼動中止か


 8月17日、三井造船環境プラント事業本部からの「シーメンス社フィルトプラントでのガス流出について」の報告は以下の通り。
(事故の模様を伝える現地の新聞 → )

 ドイツ、フィルト市で7月より試運転中であったシーメンス社のごみ熱分解溶融施設(240トン/日*2系列)で8月12日の午前8時15分頃、ごみを熱分解するドラムのシール部からとみられるガスの流出が発生した。警察・消防が出動。施設の周辺3km以内の住民に対し外出禁止命令が出た。

 施設の従業員と住民71名が目やのどの痛みで医師の診察を受けた。今後、州環境保護局による原因究明ならびに影響評価が行われる


 別の情報では、この事故でドイツ政府はシーメンス社に対し、施設の稼動中止を申し渡したともある。

直ちに助役が現地へ!
 8月19日、午前9時半、廃棄物処理調査特別委員会各派代表者会に出席した小出助役は「事実関係の確認のため急遽、ドイツへ職員を派遣する」事を明らかにした。職員は小出助役と菅沼資源化センター施設課長の二人。20日に出発し、24日まで滞在、25日には帰国の日程。よって9月4日に特別委員会を開き、報告を受け審議することになった。

乏しい危機管理意識
 また午前10時からの特別委員会に出席した早川市長はこの事故について「豊橋の導入しようとしている同型焼却炉の安全・安定稼動に一層尽力する」と述べたのにとどまり、「事実確認が不十分である以上、軽軽に論じることはできない。三井造船との随意契約を行い、スケジュールにしたがって進める意 志に変わりはない。」と明言

 各委員からは「危機管理意識に乏しい」「新型炉の安全稼動という前提が崩れた以上、契約の担保設定を論ずることは無意味。このガス漏れ事故の区切りがつかない限り、本契約には反対」などの意見が続出。

あいまいは許されない!
 私自身も「直ちに現場へ行くべき。また、それとは別に議会の代表も現地へ派遣し、情報収集に努めるべき」と主張。

 終始「安定稼動、安全稼動させることが市長の責任」と主張してきた早川市政にとって、そのベースとなるシーメンスのフィルトプラントは世界中にただ一つ存在する実機であるだけに、今回の事故は「果たして豊橋で導入しようとする世界最大の熱分解炉がまちがいなく動くのか」という疑問につながる。

約180億円かけようとする焼却炉が何よりも優先させなければならない「安全の保証」なくして、事は進まない。直ちに真相の解明をし、本契約を遅らせるべきである。市民を巻き添えにしてはならない。地方行政の在り方とそれをチェックすべき議会の見識が問われる重要な問題です。あいまいは許されない。


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