市民の皆さんからのご質問にお答えします

豊橋の登校拒否の実態とその対策について

Q:豊橋の児童の登校拒否の実態について教えて下さい。また市教育委員会がとっているその対策について教えて下さい。


A:「学校嫌い」を理由として1年間に50日以上欠席した場合を登校拒否児童としています。全国では小・中の登校拒否は8万人近くになり,年々うなぎ登りで、児童生徒の減少傾向が進む中でゆゆしき事態となっています。豊橋でも同じ傾向にあります。
 以下は豊橋市教育委員会からの統計資料と文部省の95年度問題行動白書からのデータです。

年度

87年

88年

89年

90年

91年

92年

93年

94年

95年

96年

小学生

19

16

13

12

21

23

26

31

57

57

中学生

55

85

78

103

174

203

181

198

216

237

合計

74

101

91

115

195

226

207

229

273

294

豊橋生徒数

46,402

44,834

43,368

42,279

41,319

40,816

39,754

38,976

38,196

37,629

全国登校拒否数

57,975

60,681

63,605

66,874


 登校拒否は学校、家庭、社会の様々な要因が複雑にかみ合って起きています。直接のきっかけは何か。

 学校生活での影響(38、3%)

友人関係をめぐる問題(18、2%)

学業の不振 (11、6%)

入学、転入学、進級時の不適応( 3、4%)

学校のきまり等をめぐる問題( 2、0%)

教師との関係をめぐる問題( 1、8%)

部活動などへの不適応( 1、4%)

 家庭生活での影響(20、9%)

親子関係の問題(20、9%)

生活環境の急激な変化( 5、7%)

家庭内の不和( 4、6%)

本人の問題   (32、5%)

病気による欠席( 6、4%)

その他本人に関わる問題(26、2%)

 その他     ( 3、1%)  不明      (5、2%)という傾向になっています。

 また、その態様は

学校生活に起因する型( 9、2%)

遊び非行型(10、6%)

無気力型(25、2%)

情緒的混乱の型(26、7%)

意図的な拒否の型( 4、4%)

複合型(20、6%)

その他( 3、2%)

となり,小学生の情緒混乱の型が増える傾向にあります。

 こうした傾向の中から,豊橋市では
 ○市の視聴覚教育センターで登校拒否生徒の為に麦笛広場を開設し、嘱託指導員と若いフレンド指導員の4人で適応指導を行っています。現在、19人が参加しています。
 ○専門的臨床心理師2人による半日ずつ週2回の教育相談業務を行っています。ほとんど毎回相談者があります。
 ○各学校の登校拒否担当者による登校拒否対策推進協議会による、研究調査も行われて、青空教室など自主的に行われています。
 最近、久徳先生(久徳クリニック副院長)の「不登校を考える」講演会に参加しました。お話の内容は「ぜんそく、不登校、アレルギーは人間だから起こるもので、これらは急におこるものでなく、条件があっておこるもものです。親はいいもんだ、仲良しはいいもんだ、頑張るはいいもんだの「3もんだ」があれば不登校はおこらない。人間は臆病な生き物ですが、臆病のままは成長しない。いろいろな経験を通じて適応の形成ができるようになります。臆病にしないためには子どもを心細くさせないことです。母親がいない、夫婦喧嘩がしょっちゅうある、こういう幼児期の体験が不登校の要因を作っていきます」ということでした。
大変示唆に富んだ内容だと思います。


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