伊藤ひであきの視察報告

●北の国から(1)● 北見視察報告 98・07・21

 7月21日から会派(公明豊橋市議団)の視察に北海道へ。北見市、紋別市、そして網走市と東北海道のオホーツク圏を調査目的に従って視察する3泊4日の行程。 以下は北の国からの視察報告です。

 人口11万人、北海道の東部の中核都市、北見市。はっかと玉ねぎの生産量は日本一という農業都市。明治30年、北海道開拓と北方警備のため土佐からの北光社 移民団や屯田兵が入植し歴史が始まっている。市制施行は昭和17年。

 この街に三つの大学がある。国立北見工業大学、北海学園北見大学、北海学園北見短期大学。そして周辺の試験研究施設などがあり、高い技術水準と豊富な労 働力を誇っているが、反面、この受け皿となる企業立地が少ないことから先端技術産業の誘致・集積を図り、地域経済の活性化に努めようとするのが「北見ハイ テクパーク」の概要。

 昭和63年新総合計画に戦略プロジェクトとして「未来技術開発都市の形成」を掲げハイテクパーク構想を計画。農地転用、造成工事と進んで平成2年に分譲開 始。市中小企業等振興条例に基づく助成制度(固定資産評価額の5%の額)や利子補給制度や低利の融資制度などの優遇制度も準備。1平方メートル当たり 9,250円で取得した用地を20,700円(坪当たり68,310円)で4区画を準備。

 平成5年12月までに4社に分譲。しかし、平成10年1月になって、平成2年12月に売却した1社の用地を買い戻すという事態となり、結局、現在では約半分の面 積の4区画が分譲済み、未分譲が半分という実態。そのうちの1社も用地を取得しただけで、建物は建っていない。折りからのバブル崩壊、深刻な不況と続く日 本経済の波をもろに受けている。

 平成の初めに全国に広がったハイテク村構想。付加価値をソフトウェアーとシステム開発で具体化し、新産業を創出し、地域活性化に寄与しようとしたこうし た試みが今や大きな壁にぶつかっている現実。北見市の担当者も「こうした施策は長い目で見なければ・・・」というが、明るい展望はない。  豊橋でもサイエンスクリエイト21構想の具体化が進み、サイエンスコアを中心に整備が進み、今年からリサーチパークの分譲が始まる。知恵と戦略では追いつかない右肩下がりの経済の中で突破口は果たしてみつける事ができるのだろうか

 帰りがけに市の担当者に連れていってもらった富里湖森林公園の静かなたたずまいの中を散策。心身が洗われる思いの一時だった。


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