伊藤ひであきの視察報告

あられの亀田の焼却場 97・07・24

 今年4月から本格稼動を始めた新潟の隣町、中蒲原郡亀田町の焼却場を7月 24日の午前に訪問した。米どころ新潟の青々とした田んぼの中にそびえたつ煙 突と、青空にマッチする爽やかな色調とデザインはさすがである。正式には新潟 地区広域清掃事務組合 亀田焼却場。この組合は新潟市、亀田町、黒埼町、横越 町の1市3町で構成されている。

 1日390T(130T*3)の焼却能力を持つごみ処理施設と金属資源の回 収に工夫を凝らした粗大ごみ処理施設を機能的に配置した最新鋭の施設である。  また、この焼却場のもう一つの特徴は、ごみ焼却による発生熱を廃熱ボイラー で吸収し、蒸気を作りだし、この蒸気で最大5100kwの発電を行い、焼却場 の消費電力をまかなうほか、余熱電力を電力会社に売電するなど、積極的に余熱 利用していることです。今のところ売電は1200kwで月に27,8万円にな るという。ごみ量が少ない、よって発熱カロリーが少ない、よって売電が少ない とのこと。何事も単純ではない。

 ダイオキシン対策については、着工が4年前の平成5年6月なので、当然、そ の前に設計されたとすると、ダイオキシンについてはまだ社会問題化していなか った時の設計であるが、乾式バグフィルター装置により、試運転時で0,41 ng(ナノグラム)の調査結果で、「最近のデータは?」「公式発表していないので、 お答えできませんが、かぎりなく0,1に近づいている」という。

 そのポイントは流動床式焼却炉で600度c以上に熱した砂とともに完全燃焼 し、880度cの廃熱ガスを今度は、水噴霧により170度Cにまで冷やし、消 石灰、反応助剤吹き込みによるバグフィルターで清浄なガスにする方式。この8 80度Cと170度Cの温度差がダイオキシンを押さえることになる。
バグフィルターで集められた飛灰はセメントにより固められ、埋め立てられる。

 それまで、18年使っていたのはストーカー式。それを流動床に型式変更した という。そのポイントは、プラスチックやビニールを混ぜて燃やせる・残さが衛 生的・維持管理が容易であったとのこと。「豊橋は熱分解+灰溶融という次世代 型を採用する方向で動いていますが」との質問には、ニコニコ笑って「その件に ついてはコメントできません」と終始付合ってくださった場長補佐の坂井さん。

   こうした調査研究を重ねれば、重ねるほど、我が豊橋が導入しようとしている 国内にまだ稼動実績のない次世代型焼却炉の型式選定の決め方は本当によかった のだろうかと疑心暗鬼になる。廃棄物処理調査特別委員会の副委員長として思い は複雑・・・・・。

重い気持ちのまま新潟を後にした。


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