「市民の皆さんが分別に取り組めば取り組むほど燃やせないゴミが増えてくる。所が燃やせないゴミの収集は2週間に1回です。この収集回数を増やせないか」という今年3月の予算委員会での私の質問に、
市当局は「現在、燃やせないゴミは市内を2分割して、水曜日に隔週で収集している。『燃やせないゴミの収集回数を増やして』という市民の皆さんからの要望が多く寄せられている事は承知している。
(写真は豊橋のもやせないごみ→)
問題点としては水曜日に全市一斉に収集できるかどうか。またこの場合の問題点は不燃系ステーションは997ヶ所あり、燃やせるゴミのステーションが4割以上あり、燃やせないゴミ、大きなゴミ、有害ゴミは同じ日にはステーションが使えないという問題点もあります」と答弁し、「引き続き重点課題として検討する」とはしたが、具体的な取り組みは未だ明示していない。環境事業部が7月末までに、約100町内で開いた地域説明会のほとんどで聞かれた要望だというのである。
(写真は豊橋のごみだしカレンダー→)
「鹿児島では毎週水曜日に燃やせないゴミの収集をしていますよ!」ふとした事からの鹿児島の友の話に55万都市の鹿児島がきめ細かい収集体制を引いている事を知った。36万都市の我が豊橋にできない事はないはず。それで、とにかく鹿児島のゴミ行政をつぶさに勉強してこようと初秋の鹿児島へ。
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人口 | 545,647人 | 363,416人 |
面積 | 289.76平方km | 260.91平方km |
1.ゴミの分別区分及び収集回数
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燃やせるゴミ | 週2回収集 | 週2回収集 |
燃やせないゴミ | 週1回収集 | 月2回収集 |
缶・ビン | 月2回収集 | 各町内のビンカンボックスへ |
粗大ゴミ | 随時(電話申し込み) | 月1回収集 |
2.収集体制
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・燃やせるゴミ、燃やせないゴミ、缶、ビンは市内10,658ヶ所のステーション(20世帯に1ヶ所)で収集 | ・燃やせるゴミステーションは2,882ヶ所(30世帯に1ヶ所) ・燃やせるゴミ以外997ヶ所 ・ビン缶は2,072ヶ所約3800基のビンカンボックス |
3.収集車両、人員
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直営 | 車両 59台 人員173人 | 車両66台 人員165人 |
委託 | 17業者 33台 99人 | 1業者 8台 15人(ビンカンボックスからの収集) |
4.ごみ量(家庭系計画収集)トン/年(市民一人当たり)
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H6年度 | 157,259(0.29) | 89,170(0.25) |
H7年度 | 162,020(0.30) | 89,730(0.25) |
H8年度 | 167,918(0.31) | 93,405(0.26) |
H9年度 | 160,879(0.30) | 96,252(0.26) |
鹿児島の場合、平成9年4月から、透明ゴミ袋制度を導入し、ゴミの減量化や分別の徹底を訴えた事により、前年比3%のゴミ減量となっているが、数年間のゴミ量は増加傾向にあり、今年度においても、9月までの実績は増加に転じているという。この背景には平成5年の水害の後始末やダイオキシン情報などで家庭における自家焼却を止める傾向にある事も指摘されている。
(写真は鹿児島のもやせないごみ→)
収集体制については、去年までは缶とビンも含めて燃やせないゴミとして週1回の収集を行ってきており、それを今年の1月14日から缶とビンの分別収集を行う事になり、透明袋に入れてゴミステーションに出してもらう事にした。その収集を隔週の水曜日におこない、別の隔週水曜日に燃やせないゴミの収集
を行う事にしたが、市民の皆さんからの強い要請があり、この10月1日から再び燃やせないゴミの収集を毎週水曜日にしたという。この切り替えのPRに当局は苦労したという。「年配者の中にはコロコロ変わったら解らないと叱られたり、ペットボトルも、花瓶もビンと思っている人も多い」と担当者は苦笑いしながらも、職員や車両のローテーション編成替えの苦労も多かったであろうにわずか9ヶ月で切り替えた安堵の気持ちが伝わってくる。
鹿児島ではまだペットボトルの分別収集は行っていない。豊橋は今年の7月から約400ヶ所での店頭や校区市民館での収集を始めた。逆に透明袋は豊橋は今年の7月からであり、鹿児島は昨年、4月からである。また鹿児島はコンポストの生ゴミ処理容器の補助は豊橋と同じであるが、電気式生ゴミ処理機への補助も今年度から始め、1万円を限度に補助を行い、9月末までに220基の実績である。
(写真は鹿児島のごみだしカレンダー→)
地域によってゴミ行政に少しづつ差がある事は致し方ないが、少なくとも55万都市の鹿児島がこの10ヶ月の間に、市民の要望に敏感に反応し、収集体制を2回切り替えている。そのことの周知徹底にもまだ課題は残ってはいるだろうが、ゴミ行政を市民と真正面から向かい合って取り組んでいる事だけは事実である。
「クリーンカレンダーが毎年7月からで区切っているから、来年7月からは何とか燃やせないゴミの収集回数を週1回にしたい」という豊橋市当局の重い腰(?)とは取り組みのスピードが違うのである。スピードの違いはゴミ行政への姿勢の差ではないだろうか。
雄大な桜島に包まれて、初秋の鹿児島の街は、ゆったりと時を刻んでいた。行き交う人が見せる素顔のゆとりは南国の地にありながら多くの維新の志士たちを輩出してきた余裕だろうか。・・・
視察にあたって、ご多忙な中、何かとご配慮いただいた、鹿児島市環境局の石野主査、議会事務局の小川主査に厚く御礼申し上げます。