「ギャンブルに税金は投入できぬ」と言う前に!
経営に全力を尽くしたのか!
●市の廃止判断
平成12年度競輪事業決算は3.5億円余の赤字を出して、赤信号が点灯した。13年度決算も4億円近い赤字決算となり、繰越金で穴埋めする事態となり、今年度の決算見通しは3.5億円の赤字見通しで、繰越金を使い果たし、今までの蓄えである財政調整基金まで手をつけることになる。
さらに、来年度開催すると5.3億円の赤字が見込まれ、基金まで使い果たし、さらに2億円近い欠損金が生じる。この欠損金は税金で穴埋めする以外になく、それ以降、売上が好転しないかぎり毎年約5億円の税金が必要となる。
さらに追い討ちをかけたのは04年度の「ふるさとダービー」の誘致もはずれ、さらに来年度以降、1着から3着までを当てる三連単投票をするための機器購入に約6億円かけなければならないことも重なる。
「利益を出し、それを市の歳入に組み入れてこそ公営競輪(ギャンブル)。競輪存続のために税金は投入できない」が市長の競輪廃止の判断根拠。
約2ヶ月かけて、生き残り策を様々に検討したが、黒字転換の展望は立たず市の意思は固まった。来年3月末の廃止に向けて動き出した。
●私の主張
「毎年5億円近い税金を投入してまで競輪を継続できない」という判断はその通りでしょう。
しかし、不況の中で「知恵を出せ汗を流せ、汗も出ないものは去れ」と言われるほど市民が必死になって仕事や生活に取り組んでいる中で、この事態に至るまでに、市当局はどれだけの経営努力を続けてきたのであろうか。万策尽きてへとへとになった上での結論なのか。
何よりも市政始まって以来の不祥事の舞台になった競輪場メインスタンドを約30億円かけて完成させたのは6年前である。その起債も約9億円残っている。選手宿舎も立派に改築している。昨年から始まった基本構想基本計画の財政計画にも一定の競輪収益が組み込まれている。継続が前提ではなかったのか。
「税金を無駄に使えない」という前に「税金を無駄に使った」総括と責任は明確にすべきである。
何事にも、止め方、別れ方、死に方が問われる。関係団体や臨時従業員、競輪開催に協力してきた地元地域、そして議会や市民に一方的に閉鎖を通告するやり方は認めがたい。
●競輪場廃止について寄せられた主なご意見
○ 豊橋の名物がまた一つ消えていく。競輪を楽しみにしてきたお年寄りも多い。時代の流れとはいえ淋しい。(喫茶店主)
○ 市はもっと努力すべきでなかったのか。パートの人達よりも、職員の給与カットなど経費削減に取り組んできたのか。無駄な駐車場や多すぎる警備員など目に余る。私の息子なんか残業手当なしで、遅くまで働いているのにあまりにもお役所仕事でないか(競輪場近くの主婦)
○ 長年、競輪開催に地域ぐるみで協力してきたのに、あまりにも一方的だ。市も、議会もやぐい。(ある総代会役員)
○ 「ふるさとダービー」の誘致に失敗したのがきっかけだというが、背水の陣で頑張ったのか疑問。売上が落ちてきていることは前から解っていたはず。夏は暑く、吹きさらしのスタンドなどファンサービスも悪い。ただ手をこまねいていたのではないのか。(競輪ファン)
○ 競輪開催のたびにやかましく、子どももイライラしていた。静かになることはいいが競輪が廃止になって、競輪場がゴーストタウンになっては困る。(競輪場近くの主人)
○ 売上が落ちていることは私たちが一番実感している。給与も平均5000円/日で頑張ってきたのに、一方的な廃止の発表は許せない。50を過ぎて働ける職場は少ない。生活設計が狂う。(パートの女性職員)
閉鎖したら競輪場跡地を幽霊屋敷にしてはならない。
既存施設を生かした活性化策を!
スポーツ施設・地域図書館・地域コミュニティ施設など
6万uのこの競輪場一帯は都市公園のネットをかぶっており、跡地利用は限定されています。
@競輪場バンクは競輪選手と桜ヶ丘高校自転車部が練習しており、引き続きの存続が望まれています。
A2万人を収容できるスタンドを生かすためにはサッカー場が期待されますが、今の時代に中途半端なものを作ってはいけません。Jリーグが招致できる公式サッカー場に改造するためには、競輪バンクとの共存はなかなか難しい問題もあります。
B選手宿舎の中には会議室や食堂があります。この地域は公民館がなく、総代会の長年の要望をかなえる為にも地域コミュニティ施設に再生し、食堂などは生涯学習や東部地域図書館に改造したらどうでしょうか。
選手用のトレーニングジムも利用した幅広い世代の地域交流施設が期待されます。
Cこの地域は区画整理の余剰地を公園用地にまとめた経過があります。市街地の風格ある公園づくりも望まれます。地域の盆踊りや祭礼にも利用できる多目的広場も確保されるべきです。
***参考資料***
1.豊橋競輪事業特別会計収支の推移(単位:千円)
|
平成12年度
決算 |
平成13年度
決算 |
平成14年度
決算見込 |
平成15年度
決算見込 |
単年度収支
(千円) |
▲351,363 |
▲395,769 |
▲355,062 |
▲531,701 |
@繰越金残高
(千円) |
680,490 |
284,721 |
0 |
0 |
A財政調整基金
(千円) |
401,544 |
402,425 |
332,184 |
0 |
@+A
(千円) |
1,082,034 |
687,147 |
332,184 |
▲199,517 |
2.豊橋競輪場売上・入場者推移
(H14年度は9/29まで H11はふるさとダービー開催)
|
平成4年度 |
平成10年度 |
平成11年度 |
平成12年度 |
平成13年度 |
平成14年度 |
開催日数
|
90日 |
81日 |
78日 |
72日 |
72日 |
34日 |
総売上
(百万円) |
18,694 |
14,130 |
31,926 |
11,454 |
9,887 |
6,320 |
1日平均売上(百万円) |
208 |
174 |
409 |
159 |
137 |
186 |
1日平均
入場数 |
4,632人 |
3,433人 |
3,346人 |
3,016人 |
2,759人 |
2,653人 |
3.豊橋競輪ホームページ
http://www.keirin.toyohashi.aichi.jp/
|