HIDEAKI REPORT NO.52 2002/4

3月議会一般質問 懸命の論陣!        
   将来を見据えた街づくりを!
          「国民に しわ寄せよりも 幸せを」

 3月8日(金)豊橋市議会本会議2日目一般質問に登壇した伊藤ひであきは「将来を見据えた街づくり」について論陣を張り長引く不況の中で「国民に しわ寄せよりも 幸せを」と切実な庶民の思いを街づくりの視点から市当局に迫りました。
 
 (1)農工商のバランスが取れた豊橋の産業が大きく落ち込んできた。この逆風の中で市長は「市民の笑顔」がつながる「緑とひとのまち豊橋」へどのように取り組んでいくのか。

  (2)市民病院跡地のこども関連施設などへの取組み、そしてまた豊橋東口駅南地区での総合文化学習センターと民間商業施設を中心とした市街地再開発事業への取り組みは地域特性を反映したものかどうか。

 (3)転換期にある路線バスの今後への対応と環境にやさしく有効な公共交通機関として再評価されてきた路面電車活性化への取組みについて。


  (4)長年の懸案であった総合スポーツ公園構想がプール棟の建設などで具体的に動き出そうとしているが激変する社会状況の中で検証し直す必要があるがどうか。

  (5)いよいよ180億円かけた次世代型焼却炉がこの4月から稼動する。これに呼応した新しい530運動の取り組みについて

  (6)日本各地の地域情報化は急テンポで進んでいる。そこにまた新たな地域格差も生まれている。電子自治体の時代とは、行政は“サービス業”へと進化する時代。豊橋の電子市役所への取組みについて

  以上が取り上げたポイントです。
 


 ひであきが引用した 「サラリーマン川柳」

  今年もまた大手生命保険会社が「サラリーマン川柳コンクール」の入選作を発表しました。
  不景気で一段と進む庶民の痛みを表現した作品が目立ったということです。その作品から質問を始めます。  「介護より 解雇が先に 来て寝込み」それでも気を取り直して「あちこちと 渡る面接 鬼ばかり」
  そして家に向かってとぼとぼ歩けば、「知らぬ間に 右肩下がる 癖がつき」、  やっとたどり着くと「もう寝たか ママは寝たよと 子が返事」。怒りがこみあげ虚しいばかり、「国民に しわ寄せよりも 幸せを」と切実な庶民の思いが伝わってきます。
 21世紀は想像をはるかに超えた激変期、激動期のなかで2年目を迎え、未曾有のデフレ社会が庶民を直撃し、中小企業で成り立つ地方経済を根底から揺さぶっています。
 


明確になった事

 ●豊橋公園のプールは25m、子供用プールともに残す。
 総合スポーツ公園のプールは競技用の50mと25mを作る。冬場は有効利用のためアイススケート場として、市民に楽しんでもらう。
  焼却炉の余熱を利用し温水プールをエコビレッジに設置する。

 ●巨木・高木のデータベースを作り、解り易い緑のマップを作る等「緑と人のまち」を発信していく。

 ●プロ野球や、プロサッカーの試合の誘致などに教育面からも取り組み、市電活性化にもつなげていく。

 ●中心街の回遊性のためにも路面電車の新川電停と豊橋駅前電停の間に新電停を設置する。

 ●情報化計画を作り、積極的に情報発信し、行政はサービス業の役割を果たし高度情報都市をめざす。


 連日の予算委員会で質疑した主な内容をお知らせします

東海地震への備えを万全にし、市民に安心を!

●防火水槽設置工事が208箇所になるが、市街地を中心にどの程度の安全が担保できるのか。
○昭和53年度以降、耐震性を構造の地下式防火水槽を中心に整備を進めてきた。阪神大震災の震度7にも耐えた実績がある。これらをふまえ消防水利の充足状況を市民に公表していく。

 ●新焼却炉は耐震構造になっていることは確認できたが、1450度の高温燃焼施設は予想される東海地震に対しどう反応するのか。
 
○この焼却炉は新幹線のように震度を感知して自動停止するシステムにはなっていないが、人為的に停止スイッチにより安全に自動停止する。

 ●消防力の強化と機動力の整備は緊急の課題である。予想される震度6以上による被害想定と、それに対応できる消防力・機動力の体制について。
 
○地震防災強化地域指定をふまえ、本市の消防防災対策の強化のために10名体制の防災対策課を設置するなど、機構強化にも務めた。
  災害時には8ヶ所の消防署所は防災拠点基地として、地域の消防団と相互協力して役割を担えるよう組織づくりをしていく。県のほうも平成14年度中に被害想定を発表するので、これらを踏まえ万全の体制を作っていく。


 
 万国博に共催、森林祭とユースアカデミー

●3年後に迫った万国博覧会に主体的に取り組むために、東三河では「森林際」が企画されている。豊橋市はどのように有形・無形に関わっていこうとしているのか伺う
○森林祭の趣旨は三つある。流域社会の持続的な取組み、広域交流によるネットワーク、民間・行政・NPOの自立した連携である。
  万博がワールドワイドなスタイルに変化し、パートナーシップ事業を打ち出しており、東三河の課題に流域一体化で取り組もうとするもの。その事務局を豊橋市が務めており積極的に参加していく。

●森林祭の大きなメニューにインターナショナル・ユースアカデミー事業が2005年夏に計画されている。姉妹都市提携を行っている東三河全体が海外から子供たちを招き、都市部で子供会議を行い、そのワークショップを山で行おうとするもの。市長の考え方を伺いたい。
○東三河初の国際イベントであり、各市町村が連携し、立派なものをめざし、きちんと成功させていきたい。

 学校5日制、社会全体で教育に熱い努力を!

●豊橋の不登校の実態は全国レベルを上回っている。豊橋の教育は何処に問題があるのか。
 また、教育現場がかかえる諸問題が学校5日制という制度的改変で解決するような根の浅いものとは思えない。「先達が魅力ある範を示すことのできないような社会に、教育力など期待してはならない」と考えるがどうか。
○豊橋の教育の大きな課題-豊かな心をはぐくみ、確かな学力をつけるに最大の眼目をおいている。
  その上で、社会全体を変えていく努力を地域・家庭と連携とりながら、教師の資質向上も含め努力していく。


 ●昭和28年春の甲子園に時習館高校が出場して以来、豊橋の名が50年間甲子園で聞かれない。総合地域スポーツクラブへ移行する動きの中で、対応を聞きたい。また硬式野球のできる練習場は皆無に等しい。対応を伺う。
 ○今後、各地域で野球協会がジュニアクラブを立ち上げるので受け皿はできる。これらは地域スポーツクラブに属する。硬式少年野球は明海少年広場2面を使用しているが、豊川の河川敷を利用した広場確保に努力する。

 


 予算委員会で引用した 「ちょっといい話」
 

 3月23日のある新聞に次のような投書が載っていた。大阪府大東市の主婦の投書。
  「事情がって、登校拒否をしていた長女は中学の卒業式に出席しませんでした。
  家族や周りのものが心を痛めていたその日の午後、狭い我が家に突然、黒の礼服の校長先生と担任の先生の来訪です。
  卒業式に出席しなかった長女のために、我が家で卒業式をしてあげようと、わざわざ来てくださったのです。
  学校での式次第そのままに式は進められ、長女と私と同席した次女は、始めから終わりまで泣きっぱなしの感動の卒業式でした。
  悩める一人の生徒を宝物のように大事にされる校長先生、担任の先生の熱い真心に胸が震えました」
  豊橋の小中学校での卒業式でも「今日だけは来てくれないか」と心を砕いていた校長や担任の先生はいたでしょう。しかし、家まで行って卒業式を挙行したケースが何件あったでしょうか。

  人間の心を動かすものは人間の心である。
  「教師こそ最大の教育環境である」。教師の人格練磨、教師の人間的成長なくして教育改革は進まない 。

 


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