伊藤ひであきの市政報告

99年6月定例市議会一般質問 「行財政改革について(2)」 99.06.09

 さる、6月9日に行った6月定例市議会一般質問で取り上げた項目のうち、「行財政改革について」の機構改革・評価手法についてお伝えします。これはホームページ用に流れに沿って構成し直しています。
第一問質問要旨

(3)地方分権に対応でき、かつ効率的な行政運営のための機構改革・人材登用・定数管理についてどのように考えておられますか。

(4)地域経営のための新たな行政手法・政策評価手法についての認識をお伺いします。

  第一問 答弁 総務部長

(3)本市における定員管理につきましては、総職員数の抑制を基本に、これまでも厳しい視点にたち、事務事業の見直しや業務の委託化等様々な取組みを行い、職員配置の適正化に努めてまいりました。

 しかしながら、今後の行政需要を踏まえるとき、これまで以上に効率的な行政運営の確立に向け、更なる見直しを実施しなければならないものと認識しております。

 今後、組織・機構の簡素化とともに、多くの課題への積極的な取組みや推進が図られ、多様な要望にも柔軟かつ弾力的に対応できる組織づくりが求められております。そのためにも、分権型社会の担い手にふさわしい職員の育成と能力活用を図り、少数精鋭主義のもとで、職員が意欲をもって仕事に取り組むことのできる業務執行体制を確立すべく自主的・主体的な取組み強化に引き続き努めていきたいと考えております。(4)最近、地方経営のための新たな手法として「行政評価システム」が注目され、多くの自治体で取り組まれ始めておりますが、「行政評価システム」には、ふたつの手法があると言われております。

 ひとつは「政策評価」で、市民の行政への期待・成果を市民にわかりやすい項目に整理し、到達目標を掲げ、達成度をチェックしながら実現をめざしていくもので、基本横想など、政策の堆進に適しているとされております。

 もうひとつは「執行評価」でありまして、事務事業の改善目標を設定し毎期ごとにチェックしながら進めていくというもので、予算管理・事務改善などに適したものとされております。

 行政評価システムは、現在様々な自治体で試行錯誤が行われておりますが、共通しているのは、「徹底した現状分析・現状把握」「市民サイドからみた数値目標の設定」「情報の公開による市民による達成度のチェック」ということでございます。

 本市も今年度から、「次期基本横想」の策定作業がいよいよ本格化するわけですが、そうした中に、この行政評価の手法をどのような形で取り入れていくか、また「行政改革」につきましても、平成8年度から12年度の期間を定め、現在精力的に取り組んでいるところでありますが、新たな行政改革の堆進や予算管理の中にこのシステムを導入すべく、研究を行っているところでごぎいます。

 今後も先進市の取り組みも参考にしながら「豊橋市の行政評価システム」の在り方について、さらに検討を進めて参りたいと考えております。

第二問 質問

(3)-@行政改革も、機構改革も、効率的な行政といっても、単に人員を減らし、人件費を削減せよ、部長を減らせ、民間委託して経費を節減せよという事ではないと考えます。

 企業が取り組むQC活動は「次工程はお客様」という考え方に集約される。行政で言えば、「次工程は市民の皆さん」。すなわち、納税者である市民の皆さんにどれだけ信頼ある行政サービスを低コストで提供し、個性ある街づくりに市民と共に向かえるかにかかっている。そのための行革、機構改革であると確認させていただきます。

 今春、中核市移行に対応して3部減らして7課増やした。次長制度については一時的なものとして理解していますが、中核市移行業務が一段落した時点で再検討したいという事ですが、例えば、土木部と建築部、都市計画部の三つを一つにしてもいい。学校教育部と生涯学習部、商工部と農政部、水道局と下水道局は統合してもいいではないかと考えます。あえて言えば総務部と財務部、企画部、文化市民部を一つにしても言い。そうすると、部長職には相当の能力とリーダーシップが要請される。

 むしろこれらを統合し、部長を廃し、市民局、都市局、保健局、環境局、産業局、企業局などと局制にしてもいいではないか、それで執行責任者の局長と現場責任者の課長を直結し、リアルタイムな現場行政を確立していく。そうすると現在の二人助役制だって見直す事も必要になってくる。

新潟上越市(133,000人)では2人の助役と8人の部長を廃止し、6人の副市長を置いて、そのうち環境・文化の2部門は公募するという意欲的な試みが始まっている。岡崎市は今年から助役は一人にするという。一方で三重県阿児町(あごちょう)は23,000人の町ですが、助役を二人にしますという。柔軟に機構改革をし、地方行政の目的が達せられれば、こうでなければならないという固定観念は捨てれば言いと思います。中核市豊橋、愛知県2番目の豊橋の思い切った機構改革への挑戦を期待し、この局・課制度について意とするものがあればお聞かせください。

(3)-Aその上で、現在の部長さん。22人、平均年齢は58歳。来年退職予定が8人、12年度が5人、13年度が4人、16年度が1人という実態です。私が勤務していたコマツの部長職の平均年齢は51.5歳。東海銀行の本店部長職の平均年齢は48.2歳ということです。実にこれら民間企業とは17年以上の開きがあります。年齢だけでは単純に比較できませんが、公務員社会の年功序列の端的な現われと言ったら言い過ぎでしょうか。明治維新や戦後の改革が画期的だったのは若い人による改革だったからだ。大変革の時代には若い人に権限と責任を与える事だと考えます。先見性と強いリーダーシップがセットになって機構改革は目的を達すると考えます。

 否、現在の部長さんは意欲万々で生涯青年の気概で仕事に取り組んでおられると思いますが、総じて定年近くなると、失敗した時のマイナス評価を恐れるので変化を好まなくなり、常に守りの体制に陥りやすくなる。そうすると問題なのはどういう人事評価システムが摘要されるかという事。改革した時に、成し遂げた時にプラス評価する方式に180度転換すべきと考えます。

 職員の意識改革という事がよく論議されます。仕組みが変わらなくて、意識は変わりません。頑張る人も、適当に過ごしている人も評価に差がなく、結果として対価としての報酬に差がなければ誰も頑張りません。どこの社会でも、企業でも同じです。能力主義、実績主義の評価制度が意識改革を可能にすると考えます。

 地方公務員法第15条「職員の任用は、この法律の定める所により、受験成績、勤務成績、その他の能力の実証に基づいて行われなければならない」という成績主義の原則

第24条の@「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない」という職務給の原則

第40条「任命権者は職員の執務について定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならない」という勤務成績の評定

 すなわち、地方公務員法には、能力・実績の重視が初めから規定されているのに、総じて年功を重視した人事管理が行われてきたのが現状。地方公務員法の趣旨に沿って、より能力・実績を重視した人事評価制度の導入は特別な事でなく、当然の事である。当局の見解を聞きたい。


(4)この事については本会議の中で、「豊橋版行政評価システムを導入する」と答弁されている。今回の市議選を通じて、たくさんの市民の皆さんと対話できました。

その中で「あの国道一号線のエレベータ付きの歩道橋は一体どれだけの人が利用しているのか、あれだけの投資が本当に必要だったのか」
「前田町交差点のあの歩道橋は一体誰が認めたのか。ましてやあのタワーに夜になれば、豊橋駅からピンスポットで光を照射するなどともったいない事を誰が提案したのか」
などのご意見に悪戦苦闘して答えた苦い経験があります。行革先進県の三重県が日本能率協会に委託して取り組んでいる事業評価システムは一定の成果を上げている。豊橋版行政評価システムのしっかりとした導入を期待する。

  第二問 答弁趣旨 助役

(3)-@局長制の問題がありました、一つの考え方だと受け取っている。局長を置くか、部長を置くか、全体をスリムにするのにどうしたら良いかの考えで、今回の機構改革を行った。

(3)-A人事を司るに関しまして、できるだけ能力を生かせる道を作っていきたい。バブル前までは職員が増えてきたなかで年齢があがってきた。年功序列もかみ合わせたなかで、最大の努力をして在り方を追求していきたい。

第三問

 冒頭申し上げましたが、牧野さんが主張された評価システムというのは二つあったのかなーと考えます。一つは人事評価システム、もう一つは行政評価システム。この二つを行革の柱として、フレキシブルでダイナミックな行政改革をなすべきと考えますが、市長の考えを聞かせてください。

答弁(市長)

 行革については沢山の提案をいただいた。分権というのは自分の街は自分で作るというのが基本。そして行政に対して市民の信頼を高める事、行政サービスに対するコストという認識で頑張っていきたい。


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