第二問 質問
(1)今、自治省では2000年度を目処に、地方自治体の財政健全化を図るため新たなる指標を策定しようとしている動きがあります。これは取りも直さず、自治体の財政が急速に悪化しているにもかかわらず、歳出削減などのリストラ努力が不十分と判断したためとも言われています。その中で、昨年秋、日経が試みたこの債務返済能力指数は、答弁にあったように債務残高の大きさと収入力の強さとの兼ね合いで評価する手法で、従来の公債費比率や経常収支比率とはまた違った次元での財政指数と考える。
分子は地方債残高から基金残高と累積財政負担額を引いたもの。分母は歳出総額から経常経費充当の一般財源と特定自主財源さらには国県支出金、地方債を引いたものという計算から豊橋の場合は2,70という数字で全国670市の平均が2.46で432番目である。大都市の多くは下位に低迷していると言う結果。この指数がトップだった東京・武蔵村山市は△0.35.同市は税収の水準はトップクラスではないにしても借金が少ない。「あまり事業をやってこなかった」と言うことの裏返しにもなりますから都市経営と言う面からはどうなのかという事にもなりますが、豊橋の2.70をどうみるかという事です。
それで、豊橋の財政を取り巻く環境は当然ながら右肩下がりの経済の流れの中で厳しいものがあるのではないか、財政非常事態宣言の県の動向もある、恒久減税がもたらす税収不足も顕著になる、制度が変わってくるわけで、返していけると思って借りたもの=前年度末で1055億円の借金が、本当に豊橋は、産業にさしたる特徴もなく、企業集積度も低く、新産業創出といってもまだ緒についたばかりの我が豊橋が返していける見込みがあるのか、返しながら、行政を停滞させずに、地域活性化にどう向かうのか、がポイントだと思います。
(2)この問題は3月議会で我が公明党の引退された小野田議員が、また清志会の清水議員がまた過日は朝日新聞がこの事について報道しておりますので、これらとは少し視点を変えて絞った形で具体的に質問させていただきます。
総じて、現在、豊橋市が100%出資して「公拡法」(公有地の拡大の推進に関する法律)に基づき土地開発公社が豊橋市の依頼に応じて土地の先行取得をしている土地が495,847u、総額で28,878百万円ある。
その内、市が議会の承認を経て分割引き取り、及び引き取り済みの土地は23号バイパス、総合スポーツ公園とそのアクセス道路、現市民病院用地の合計は251,816u、12.582百万円ある。それ以外にも豊橋・豊橋東バイパスの用地などがあり、また代替え地として確保している土地もあり、問題は残りますが開発機構に委託販売させる杉山住宅開発事業用地もある。これらはそれでまた都市経営の立場からも一定、理解できる。
そうすると5年間手付かずの5件の教育施設用地の27000u、36億5700万円が問題になります。支払利息と経費で3500万円が毎年消えていっています。
それと松葉商業用地即ち旧市民病院跡地の14,940u(4519坪)、6,837百万円の土地が一番問題という事になります。坪単価に直せば151万円です。右肩下がりの経済動向の中で年々地価がダウンしている事はご承知の通り、公示価格では市民病院跡地に近い大橋通2丁目133の土地はH10年からH11年にかけて実に28%ダウンしています。平成7年の公示価格が135万円、H8年=115万円、H9年=100万円、H10年=93万円、H11=67万円と4年前の半分です。近隣の最近の、この5月の取り引き事例からみればカリオンビルの横の売買価格は坪108万円という事です。そのまま当てはめても坪当たりざっと42万円の逆鞘です。4519坪に換算すれば18億9000万円の逆鞘です。
それで市は企画部で、今年からは都心計画推進事業として跡地活用検討をしている。
そこでまとめて質問です。
@土地開発公社が持っている土地の中で、特に教育施設用地として目的を持って先行取得したのに引き取られる事もなく5年以上が経過し、そのままになって金利が膨らんでいる土地は26,930u、3,657百万円あります。これらは目的を変更するならする、目的に添ってやるならやる。いずれにしても市が引き取らなければ本市財政を圧迫する大きな要因になると考えますが、どうか
A市民病院跡地の実態からみても、 この市民病院跡地を民間に売却するにしても、
公共施設に使うために市が引き取るにしても極めて大きな財政上の問題を含んでいると考えますが市長の認識をお聞かせください。
Bその上で、土地開発公社の金利負担だけでも年間6339万円負担しているわけで3年かけて検討するという事は、それだけでも1億9000万円です。その厳しい実態を鑑みる時、年度末に出された「市民病院跡地活用調査中間報告」は3月議会最終日の討論でも申し上げましたが、従来の考え方、論議の枠を出ていません。とても年間6300万円の授業料(金利)と1040万円の調査検討費をかけたものとは思えません。否、土地利用の可能性についてはなかなか公表できない事もあるのかもしれませんが、当局は一体、どのような覚悟で取り組んで、どこまでの調査検討が進んでいるのか、民間活力導入の可能性はあるのか、公的施設導入の可能性はあるのかお伺いいたします。
C以上の観点からみても本市財政は大丈夫と本当に言い切れるのかどうかという事です。
そこで豊橋市が抱える資産・負債を明確にする貸借対照表(バランスシート)を作成し、市民共有の情報として公開すべきと考えますが、どうでしょうか。年度ごとに帳尻を合わせる予算では財政状況がハッキリしない。それを企業会計に習って、どれだけの資産があり、借金があるかを明確にして次の戦略を打ち立てていく。こういう具体的な経営感覚で市民本位の行政を確立していく事が肝要と考えますが、ご所見を伺いたい。すでに三重県は公表している。東京の石原知事も作成と公表を公約している。武蔵野市なども導入の本格検討を開始している。市長の考え方を聞きたい。