伊藤ひであきの市政報告

98年9月定例市議会 市政の当面する課題について 98.09.09

 さる、9月9日に行った9月定例市議会一般質問で取り上げた項目のうち、「ダム問題、リサーチパーク分譲、路面電車について」
第一問質問要旨

2.当面する諸課題についての市長の認識と対応を伺いたい

(1)設楽ダムの促進に対して、下流市町村が交流施設などに向け具体化の行動をとっているが、どのような状況にあるか伺いたい

(2)戦後最大の不況の中で、右肩上がりの経済を前提とした計画の見直しが必要と考えられるが、分譲を開始したリサーチパークや分譲開始する若松地区工業団地の見通しとオフイスアルカディア計画の進捗について伺いたい。

(3)全国的にも路面電車が見直され、来年「路面電車サミット」が豊橋で開催されるなど、動きは活発です。路面電車を街づくりにどう位置づけ、生かそうとしているのか伺いたい。


第一回答弁
(1)(企画部長)
ダムの関係ですが、山村都市交流施設につきましては平成4年のダム調査受け入れの時点での6項目の条件の一つとして下流域が約束しているものでございます。今後、早い時期に新しい展開があると予測されています。その暁には建設省、愛知県、ともども整合性を持ちまして、設楽町の地域振興策とのセットを有効に活用されていくつもりであります。

(2)(商工部長)
リサーチパークにつきましては、平成10年7月1日から8区画、3.8ヘクタールの分譲を開始いたしまして、現在3社から申込みがございましたところから、今議会に上程いたしておりますのでよろしくお願いたします。

 若松地区の工業団地につきましては愛知県企業庁が事業主体で、西地区(9.1ha)と東地区(4.8ha)の2つを有しております。西地区につきましてはサイエンス・クリエイト21計画の団地機能(リサーチパーク、ベンチャーパーク、バイオパーク)の1つであるベンチャーパークとして位置付けられており、新たな事業展開に意欲的な地域中小企業の円滑な展開を支援しているところでごぎいます。

 また、西地区につきましては造成が完了してこの秋からの分譲を予定しております。東地区はこの秋から1年間で造成する予定でございまして、現在アクセス道路などの基盤整備を進めている状況でごぎいます。

 いずれにいたしましても、先行き不透明な経済情勢の中での企業誘致は厳しいものがございますが、立地条件の優位性や立地企業振興施策をPRするとともに、商工会議所とも連携しながら誘致を進めてまいる次第でございます。

 オフィス・アルカディア構想によります区域は、20.6fの規模となっておりまして、大きく分類いたしますとリサーチゾーンと業務ゾーンから成り立っております。この第1期事業といたしまして、リサーチゾーンの一部と位置付けておりますサイエンス・クリエイト21計画の団地棟能の一つでありますリサーチパークの分譲を開始したものでございまして、今後の堆移を見る中で、オフィス・アルカディア構想を推進してまいる所存でございす。

(3)(都市計画部長)
街づくりの位置づけとしましては、大量輸送、定時制の確保等から「主要な都市内移勧システム」として位置づけるとともに、本市の顔として景観整備に、さらには本市のイメージアップに主要な役割を果たすものとして認識しております。

路面電車につきましては、これまでも市民の足として、岩田運動公園への延伸、豊橋駅前広場への引き込みによる結節点整備に、また、電線類の地中化と共に景観にも配慮したセンターポール化さらには、電停設備の改良などに鉄道業者と協力し、環境整備を図って参りました。

今後の高齢化社会の進展を考えますと、自動車を利用できない方々のためにもより安全で安心な交通機関として機能させていく必要があります.そめためにも利便性の向上を図るべき諸問題に取り組んでいく所存でございます。

CO2削減という観点からは、路面電車のみならず、自動車交通の削減つまりエネルギーの効率的利用という点でバス交通を含めた公共交通機関の利用促進に取り組まなければならないため、公共交通機関とその端末交通としての歩行、自転車走行環境の整備など、複合的に企共交通機関の利用促進に取り組んで参りたい。

第二回 質問
(1)設楽ダム問題は、設楽町議会での動向を見守る必要があり、すでに3人の方で議論が深められていますので質問としては終わらせていただきます。

(2)バブル期に逼迫した東京23区のオフイス需要が、一変して供給過剰になっている現実の中で浜松がうまく言っていない。「条件が揃っておるはずの浜松が」と調べたら「アクトシティ」でさえ、がら空きなのにということで地権者が二の足を踏んでいるという実態。それと、問題はuあたり150万から50万円という予定価格に問題あり。

 7月に北見へ視察 人口11万人、北海道の東部の中核都市、この街に国立北見工業大学など三つの大学がある。それらを組み合わせて地域経済の活性化に努めようと「北見ハイ テクパーク」がある。u/20,700の円という安い価格でもやはり北海道経済の落ち込みには堪えきれていない厳しい現実。平成5年12月までに4社に分譲。しかし、今年1月になって、7年前に売却した1社の用地を買い戻すという事態となり、結局、現在では約半分の面 積の4区画が分譲済み、未分譲が半分という実態。そのうちの1社も用地を取得しただけで、建物は建っていない。日本経済の波をもろに受けている。

 翻って豊橋の場合、交通アクセスに浜松ほどの利便性はないが、かといって北見ほど不便でもなく、ましてや温暖、さらに u/46,000という単価はまた魅力。むしろこういう景気のなかで、豊橋の優位性はあるのでないか。オフイスアルカディアのメリットを逆に生かせばグレードも高くなる。楽観的な見方はできないが、慎重に取り組みながらむしろ期待できるのではないか。所見を伺いたい。

(3)路面電車について

@ 市電とよくいわれるがあくまでも豊橋鉄道による市内電車、当然経営という問題とは切り離せない。1日152本、年間327万人 8,900/日平均 キロ10億円という建設費。まちづくりに生かすという中で、一定の支援策の裏づけが必要。補助でなく、市電を使ったイベント、市電に乗って集まってくるイベント、その意味からも桜が岡跡地もそういう観点からも検討が必要でないか。

A 市電は70年の歴史、それだけに沿線は家並みが古い、高齢化が進み、過疎化が進んでいる。当然、熊本のような低床電車の検討も必要になる。また東田坂上をすぎると井原まで、すなわち東田、競輪場前の停留所には乗降ホームがなく危険。しかし、道幅がこの間狭い。この問題も交通安全の面から取り組む必要がある

B豊橋駅前が150M延長されて豊橋駅の中まで移動して、便利になった。しかし、その分、新川と豊橋駅前駅の間に新駅の設置を求める声も強い。検討していただきたい。


第二回 答弁(商工部長、都市計画部長)
(2)(商工部長)
オフイスアルカディア構想は平成4年に作られた構想で、現在の先行き不透明な経済情勢の中で企業誘致は厳しい。全国的にもオフイスアルカディア構想の都市からも厳しさが伝わっている。各都市それぞれの背景の違いがあって、今後の検討の対応が必要になってくると認識している。そこで本市においては、幸いサイエンスコアを軸として、豊橋技術科学大学と連携して産学官による構想実現が図りやすい。温暖、土地単価の優位性もある。豊橋港の発展もあり、インフラ整備の予定もあり、さらに優遇策の検討など努力し、PRしていく。

(3)(都市計画部長)
路面電車の支援策ということですが、それは利用策の促進であると思っている。ハード面ではこの時間短縮、停車場の確保などの施設整備、またバスとの結節性の向上も重要だと思っている。アクセス性を考えた市電沿線への公共施設の配置も考慮する必要がある。またソフト面、市電沿線の観光案内、イベントの開催などハードソフト両面からの取り組みが必要。低床式車両、熊本で導入されているが、導入できる環境づくりが必要であり、国県への補助金の働きかけなど重要と思っている。

 また東田電停、競輪場前の電停に安全地帯を設ける事は、現状の道路幅から言えば非常に厳しい、困難、拡幅についても困難と思っている。しいていえば電停があると言う路面表示をしながら、識別できるような配慮は関係者に要請していきたい。

 市電が豊橋駅へ引き込みが終わりまして、680mと長くなりました。中間に、新しい電停をどうかという提案でしたが、この道路は全幅50mの広い道路であり、道路整備が終わっており、道路施設の配置も終わっているので難しいが、今後関係者と協議して考えてまいりたい。

第3回質問(まとめ)
(2)東京での企業誘致説明会も成果があったと聞いておりますし、今後とも推移を見守りたい。

一方、最近、岩屋町付近の国道一号線で工事渋滞が良くある。何の工事をしているかとおもったら、光ケーブルの敷設工事を建設省がやっている。中央分離帯や歩道に直径5CMのケーブルを6本の束にして敷設している。その内、1本は道路管理用、5本は将来のCATV、NTT、などのケーブルが繋がるようになっている。知らない所で産業インフラ整備が進んでいる。東京での企業誘致説明会も一定の成果を収めているという事もあり、この不況をむしろ追い風にするくらいの頑張りをお願いする。

(3)市電の活性化策については、ハード、ソフト両面からの取り組みに期待する。


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