伊藤ひであきの市政報告

98年3月定例市議会 「介護保険について」98.03.09

  さる、3月9日に行った3月定例市議会代表質問で取り上げた項目のうち、「介護保険」の項目について、その質問と答弁の経過をお伝えします。
第一問質問要旨

介護保険は制度的には課題が多いが、豊橋市介護保険のスムーズな運用のために この2年間取り組んでいく課題について

(市長 答弁要旨)
平成12年4月からの介養保険導入に向け、平成10年度福祉部内に介護保険 準備室を設置し、円滑な運営が実施できるように体制整備を図ってまいりま す。そして今後、整備すべく課題として

(1)介養保挨事業計画を策定し、要介簑者のサービス需用及びサービス 給付の把握とともに、介養給件費の見込み額及び保険料の算定を行う。
(2)被保険者の資格管理、保険料の納仔管理、受給者管理等の電算事務 処理システムの構築。
(3)指定在宅介護支援事業者としての民間参入の把握。
(4)介養認定審査会の体制整備。
(5)今後、公布される政令、省令に基づく条例、規則等の制定。
などがあり、業務をより円滑に遂行するために、その準備に全力で取り組ん でまいります。

 

第二問 質問要旨
 明確に具体的に課題を5点あげて頂いた。その上で、改めて豊橋のハード、ソ フト両面から在宅福祉に関する整備を見てみる時、今日までの福祉部を中心とし た当局の取り組みに敬意を表さずにはおれません。老人福祉計画が平成11年を 目指していたとは言え、そこで立案された特別養護老人ホームや老人保健施設、 ケアハウス、ディサービスセンター、在宅介護支援センター、ショートスティ、 ホームヘルパーなどの整備計画が100%あるいはほぼ達成のところまでこぎつ けておられる。全国の自治体が介護保険スタートまでにこれらメニューを用意で きなく「保険あってサービスなし」だと困惑している中で、よくぞここまで、ま るで介護保険をみすかしたように準備されてきたと、感謝する次第です。

   その他、老人福祉センターは9ヶ所、農村部には老人憩いの家も設置され、ハ ード面だけでなく、老人世帯のガス漏れ警報機の設置、電動ベッドレンタル事業、 高齢者住宅リフォーム事業補助金などソフト面の制度確立にも一定の評価をさせ ていただきます。

 また、制度上の問題は色んな場で指摘されているので止めますが、私が問題と しているのは、少子高齢者社会の中では「家庭介護」には限界があるから「社会 的介護」が求められているのは理解できるし、「介護保険」はその制度化である 事も解る。しかし、本当に日本人は社会的介護を求めているのだろうか。「息子 や息子の嫁に世話になりたくない」と言いながら、本当はその事を望んでいるの ではないだろうか。という事です。

 3年前の暮れ、3ヶ月の入院生活ののち亡くなった義父は、いつもそんな強が りを言っていましたが、義母の献身的看病と藤沢と豊橋の娘が即ち私の妻が交代 で岐阜の病院に詰め、介護し、冬休みになって集まった5人の孫に囲まれ、穏や かな表情で息を引き取った。

 主張したいのは「介護保険による社会的介護」に移行しようとする時代の流れ は理解できる。しかし、問題なのは、それはすべて保険料、負担料というカネに 置き換えられるということである。ましてや、介護保険は現物給付ですから、家 族で支えあって介護している家庭にはサービスはなされない事になります。この ことにより日本人の生き方の根幹にある「家族」「家制度」をギスギスしたもの に変質させてしまわないか、「親不孝のススメにならないか」ということです。

 豊橋のように持ち家率も高く、二世代、三世代同居が多い農業都市的性格の強 い地域性の中で、私自身が経験した義父のような老人は豊橋にも多いと実感する 事から、豊橋らしい介護保険をどう確立して、豊橋に根づかせていくかという事 です。こうした豊橋の地域性から当局はどのような認識でおられるかお伺いして おきたい。

(市長 答弁要旨)
介護保険制度には実施に向け、全力で取り組んでいきますが、これを取り 巻く福祉施策、特に「心」の問題であります。本市では「育もう 福祉の心 のふるさとづくり」をベースに推進してきましたが、「福祉は人なり」「福 祉は家庭から」とも言われており、人は誰もが住み慣れた地域で生活する事 を望んでいます。その意味で地域からの発想による「見守りボランティア制 度」はその一助になればと思い、これらの充実に期待しているところであり ます。本市としては独自な施策について、地域性を生かしたものを今後とも 考えて参りたいと思っております。



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