伊藤ひであきの市政報告

99年3月定例市議会 「公明党市議団の予算案、賛成討論」99.03.26

  さる、3月26日の3月定例市議会最終日で伊藤秀昭が行った公明党議員団の予算案などの賛成討論をお伝えします。
 私は、公明党豊橋市議団を代表して討論させていただきます。

上程されています議案第2号「平成11年度豊橋市一般会計予算」をはじめとする全議案に対し賛成の立場でございますのでポイントを絞って討論させていただきます。

 平成11年度の新年度予算は、4月1日からの中核市豊橋としての中核市元年予算であります。長引く景気低迷と恒久的減税で市税全体で3.1%19億円の減収が見込まれる中で、平成5年以来の高い伸び率で積極的予算に取り組まれた事には、評価するものであります。

 しかし、また中核市のスタート、地域経済の活性化、健全財政の維持という三つの側面にどのように舵取りをしていくのか。中核市移行と共に新たな気概に満ちた行政運営が臨まれますし、深刻な不況の中で長期財政計画を明確にした財政運営が望まれます。地方政治の景気回復策には自ずから限界があるとしても、中核市にふさわしい風格ある都市基盤整備、そして新たな企業の誘致・産業の育成、そして雇用の創出は地域活性化の最大要件であり、健全財政維持のポイントであると考えるからです。

 その中でも問題なのは「財政危機宣言」中の県財政との関連であります。特に資源化センターゴミ処理施設整備事業における国県支出金の動向です。国の廃棄物処理施設対策費の大幅な増加により前倒しで国の補助が増額されてくる中で、全体で184億円、その内、約44%を国県からの補助金で賄うという前提が、県補助金のカットにより約19億円を地方債と一般財源で賄うという事になり、建設早々から大きく狂い出しました。このことにより実質的な市の負担は当初の25%程度から約38%と13%増という事になります。

 世界で初の200トン炉の次世代型焼却炉の導入は単に豊橋のゴミ処理行政の問題ではないという気概を持って、長い間の論議があり、決断してきた経過からも県の補助金カットは極めて重大であり、今後の取り組みには不退転の覚悟で臨まれたい。

 また今予算で昨年3月議会で提案させていただきました豊橋環境村について「エコビレッジ基本構想策定費」が予算化された事は評価するものです。昨年、11月の予算要望の折りには一定のモデルイメージも示させていただきましたが、単に余熱利用による温泉プールという事だけでなく環境文化都市を象徴するモデルエリア事業として、次世代街づくりそのものであるとのコンセプトでの取り組みをお願いします。

 また、今年から環境ISOにも取り組まれますが、先行する新潟・上越市長が述べているように「環境ISOは単に環境改善だけでなく、行政改革にも職員の意識改革にも繋がった。環境ISOはシティマネージメントに向けた仕掛けづくりの中心と位置づけている」ように、豊橋がISO14001に挑戦し、取得企業も支援していこうとするからにはこうした街づくりの中心に環境ISOを位置づけ、徹底した取り組みが要請されます。

 施策は具体的でなければなりません。その意味で昭和55年からの5分別収集から、来年度、プラスチックの日を設け、6分別に移行する事は容器包装リサイクル法の猶予期限(H12.3)が迫っているとはいえ、豊橋の環境行政への新たな段階であり、市民総参加の新たなゴミ減量への取り組みが不可欠です。
 また電動式の台所ごみ減量容器購入補助金が始まる事や家庭の太陽光発電システムへの補助を開始する事は環境文化都市への新たな試みとして大いに注目される所です。

 その上で、本義会でも明確になった次期最終処分場への取り組みは市政の緊急課題です。最終処分場問題は廃棄物の行く場がなくなり、市民生活に大きな混乱を招く事になりかねません。

 緊急課題ということになると市民病院跡地をどうするか、桜が岡分院跡地をどうするか、総合スポーツ公園をどうするか、市東部に設置する事までは明確になってきた国立病院をどうするか、そのための二つの跡地をどうするか、豊橋東口駅南地区整備事業をどうするか、そのために国鉄生産事業用地をどうするか、次の墓地用地をどうするかなど課題は引きずったままです。

 市民病院跡地活用検討費、中心市街地活性化基本計画策定費、市街地再開発事業基本計画調査費など調査・検討費が多く並んでいますが、景気対策も含め即断即決で政治力で手を打たなければ効果が出ない事業も多く、中心市街地が空洞化してからでは遅すぎる問題でもありますし、時勢の変化で計画そのものが無意味になってしまう可能性があります。過日、市民病院跡地検討の中間報告を出されましたが従来の考え方の域を出ていません。

 これらの緊急課題は早川市政1期の正念場の課題であり、「21世紀ビジョン」もこれら緊急課題をどのように展開するかにかかってきます。市長のリーダーシップと政治力を市民は注視しています。

 次に、昨年度に続き民生費が費目ではトップに位置し、市長のハードからソフトへの転換の方針というだけでなく、福祉高齢対策が地方政治の重要課題である事が浮き彫りになってきました。それだけに来年4月からの介護保険導入を目前にしたこの1年の取り組みは極めて重要であります。
 この十年、豊橋の福祉施策は担当部局の並々ならぬご努力により、ハード・ソフト両面から木目細かく積み上げ、全国に誇りうる体制整備がなされていると評価させていただいた上で、豊橋市介護保険への直、一層の取り組みに期待するものであります。

 特に保険料問題や要介護の認定作業は介護保険の安定・公平運用の根幹であり、市民に定着し信頼を得られる所にまで高めなければなりません。そのためにも介護保険地区説明会や介護保険事業計画の策定には全力を傾注し、備えられるようお願いするものであります。

 次に少子化対策は高齢化対策とセットで考えなければならない重要課題です。少子化の進行は、労働力人口の減少や社会保障費の負担増による現役世代の手取り収入の低迷を招き、地域経済の活力は低下します。高齢社会を支える側の対策は待ったなしです。

 またいじめや、不登校、学級崩壊など教育問題は年々深刻さを増しています。豊橋も例外ではありません。明日の豊橋を担う子供たちへ生きる力、優しさを育む人間教育で、教育再生への真剣な取り組みに期待するものであります。

   4月1日、市役所東館ロビーでの中核市移行行事も明確になってきました。同時に豊橋市保健所もオープンする事になり、豊橋市政は新たなる段階に入る事になります。「中核市になってよかった」と36万市民から評価されるためにも、国政の漂流が続く今こそ「可能性のローカル」に直結した市政が求められています。市民に新鮮な喜びを提供し、地域を揺り動かすような、創造性・独創性が問われる時代になったとも言えます。そのために不可欠なのは「民」の発想であり、財政環境の厳しい中で、スリムな行政体をめざしながら、知恵と創意を発揮して地方分権の旗手として、市長を先頭に中核市元年に向かわれますよう強く要請するものであります。同時に今期限りで退職されます職員の皆様に心からお礼申し上げるものであります。

 また今期限りで勇退される多くの先輩議員の皆様に心から敬意を表し、私ども再びこの議会に集う事ができましたならば中核市議会の一員として新たなる歴史を刻めるようその責務に邁進していく事を誓い討論とさせていただきます。


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