伊藤ひであきの市政報告

98年3月定例市議会 質問通告
 「予算編成と新焼却炉について」98・03・03

 議長のお許しを得て、公明市議団を代表し、通告に従い質問させて頂きます。

豊橋公園の恒例のこもはずしも終わり、外はもう春です。それにしても日本社会の風景は寒々としています。日本の政治は止めどもなく漂流し、事もあろうにエリート中のエリートといわれる大蔵省キャリアのワイロ漬け、政治家のメチャクチャな株取引の実態などは言語道断です。「しゃぶしゃぶ」にすらたどりつくことなく、寒空に必死になって汗する庶民の思いなどは権力政治に明け暮れているこの国の政治に届いていません。

こうした閉塞状況の中で、子供たちが「切れてしまう」なら、その責任は「人間を幸福にしない日本というシステム」を作り上げてしまった私も含めて私たち大人にあります。

政治は大混迷し、経済は大迷走し、国民は大迷惑し、子供たちは大暴走しています。不景気、不透明、不安、不満、不信・・とめどもない無力感が、世紀末の日本社会を覆っています。

暗いニュースが多い中で、長野オリンピックに集った世界の若者達の活躍には感動です。父を亡くし女手一つで育てられた金メダルリスト清水選手が大学時代、すでに世界的選手だった彼が、遠征費がなくてワールドカップに行けなかった話しが出ていました。お母さんがブルドーザーの運転手で働きつづけ、家族をあげて遠征費を工面しようとしたが都合がつかなかったという。「私が不甲斐なかった」とお母さんは言う。

そんなことはない。不甲斐ないのは世界的な選手を心置きなく、桧舞台に送り出せない日本の政治の貧困さであります。乱脈融資を続け、破綻寸前の銀行に膨大な税金をつぎ込む。その何千分の一かのお金で、素晴らしい選手を育て、素晴らしい感動と夢を得る事ができる事を考えると、日本と言う国の底の浅さを思い知らされます。

 そして、もう一つ感動するのは、今回の冬季オリンピックが人口35万の豊橋と同規模の長野市を中心に行われたという事実であります。地方から全国へ否、世界へさわやかな夢と感動を発信できるという地方が主人公の時代の到来を実感します。

 離合集散を繰り返し閉息状態の国政を尻目に、全国で22番目の中核市を目指そうという我が豊橋からいかなる情報を発信できるのか。中核市移行でどのように地方分権に取り組むのか、介護保険をどう豊橋に定着させるのか、次世代型焼却炉でどのような廃棄物行政を行うのか、次代を担う子供たちにどのような教育環境を用意できるのか……難問山積です。21世紀まであと3年、今ほど地方政治に柔軟な構想力と不退転のリーダーシップが求められている時はないと考えます。

その意味で本市の新年度予算は、早川市長が本格的に取り組んだ最初の予算編成であり、市民は大いに注目している所であります。お金の使い方を見ればその人の価値観や人となりが分るといいます。豊橋市の予算案は早川市長が何を優先させ、何を大事にしているかが分るからです。

 平成10年度の予算編成といよいよ事業化に踏み出す次世代型焼却炉について、以下、基本的な考え方をお伺いいたします。

1、 新年度予算編成と当面する諸課題について

(1)景気後退が続き、税収の伸びが期待できない中で、介護保険、中核市移行などで財政需要が増大する見通しもあり、今後の財政運営の考え方について

(2)義務的経費が増大し、投資的経費が落ち込む新年度予算の中で繰り上げ償還に踏み切った考え方と今後の地域経済の振興策とのバランスについて

(3)「環境文化都市」への具体的アプローチと策定中の「環境基本計画」との関係について

(4)「中核市移行」まで1年、中核市豊橋へどのように機構、体制を整備するのか、伺いたい。

(5)介護保険は制度的には課題が多いが、豊橋市介護保険のスムーズな運用のためにこの2年間取り組んでいく課題について

(6)市民参加の市政から「市民との協働で街づくりに取り組む」具体的手だてについて

2、次世代型焼却炉の事業化について

(1)この1年間の焼却炉論議の中で市長と、議会、そして市民との間に「信頼の絆」が深まる論議がなされたのかどうかお伺いいたします。

(2)「廃棄物処理法」「大気汚染防止法」の改正もあり、もしも計画を遅らせたらどのようなダイオキシン対策が必要か、概算費用も含めてお伺いいたします。

(3)リサイクル社会に向かう時代に、計550トン炉に増大する事への市民の疑問も根強い。この認識と対応について

(4)随意契約に対する不安も寄せられている。どのような契約行為でリスクを回避し、市民の不安を解消しようとするのかお伺いいたします。

(5)このプロジェクトの成功のために市民が参画し、成すべき事は何かお伺いいたします。

 以上で、私の第1問と致します。週末を挟みましたが、すでに代表質問は5人目、同趣旨の質問には簡略に答弁願い、更に論議を深めたいと存じますのでよろしくお願いいたします。



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