伊藤ひであきの市政報告

2001年6月議会 福祉教育委員会の質疑内容 01.06.08
1.専決処分の承認について

(1)問目
 支払基金の見込みよりも医療費は少なくて済んだ(1.6億円)。国県の見込み額よりも多く医療費がかかった(約3億円)。よって平成12年度老人保険特別会計において収支が不足するので、平成13年度予算から繰上充用したので、平成13年度予算を補正する。支払基金の過不足額は9月に精算、国県の不足額は今年度末に収入予定。

 地方自治法第208条では会計年度及びその独立の原則が明示されている。これにより地方自治体は健全財政運営を目的とした単年度予算主義を取っている。しかし、種々の事情からこの原則の例外を求める必要があるから、例外として継続費の逐次(ちくじ)繰越し、繰越明許費、事故繰越し、歳計剰余金の繰越し、そして翌年度歳入の繰上充用。
 この承認の繰上充用は支払基金の算出の仕組み、国県の共通算式に寄るものであり、それに伴う事務費もついて回る。ましてや、半月前には臨時議会が終わったばかりで上程が間に合わなかった。事務処理のスピード化、計算仕組みの改善で努力できるのではないか。
 繰上充用はあくまでも非常手段であり、乱用してはならないとされている事からも、地方財政の健全性の確保の見地からも、老人保険特別会計の繰上充用についての財政当局の認識を聞いておきたい。

(答弁要旨:財政課長)繰上充用とは、歳入が歳出に対して不足すること(いわゆる赤字)となった場合、翌年度の歳入を繰り上げて、その不足分に充てることであり、その場合、地方自治法によって(施行令第166条の2)、そのための必要な額を翌年度の歳入歳出予算に編入しなければならないとされている。  いわば財政の非常手段ではあるが、今回のケース(老人保健特別会計)においては、国県の負担分が全国統一的なルールによって一定期間分は見込み交付となるため、結果的に不足を生じたものであり、この不足分は、翌年度において必ず精算されることとなっている。
 したがって、翌年度において補填される見込みがなければ大きな問題であるが、この老人保健特別会計に限っていえば、現行の仕組み、ルールから見て、繰上充用措置も、事務的な措置として、やむを得ないものと考えている。
 しかし、現実問題として、一時的に資金ベースで不足をすることにはなることから見て、全く問題はないとは言えず、今後、国の負担金交付等において不足が生じないよう、要望はしていく必要はあると思って いる。
 なお、5月臨時議会への上程の話もあったが、繰上充用額を概算でもって補正予算を組むことは可能ではあったが、例年どおり、出納整理期間中一杯まで待って、数値の確定により、繰上充用の措置を行ったものであり、5月末において、13年度予算の補正を専決処分とさせてもらったものである。ご理解をいただきたい。
A.これで、平成12年度の老人保険特別会計の数字がまとまる事になる。医療費合計は260億15百万円になる。一日当り7127万円要る実態。平均受給者数36,663人から一人当たり医療費は709千円かかっている事になる。平成12年度は介護保険との絡みがあるが、この4年間だけでも受給者数は毎年1500人前後増え、平成9年度からの3年間だけでも約20億円増加している。
 昨今の国会でも論議されているが、厚生労働省は「老人医療費の伸びを経済動向と大きく剥離しないようにする」という方針を打ち出している。

 制度に従って、老人医療費に拠出金を出す豊橋市国民健康保険の保険者として、また、豊橋市老人保健の保険者としての市長の膨れ上がる老人医療費と国の動向に対する認識を聞いておきたい。

(答弁要旨:福祉保健部長)老人医療費は、国民医療費の3割を超え、一般医療費の2倍を超える伸びを続け、このままいくと、2025年には、医療費の60%を超えると見込まれております。一方、老人医療費への拠出金も大きく伸び、負担する健康保険保険者の会計を圧迫し、医療保険各制度に、崩壊の危機をもたらす状況に至っているとの、現状認識を致しております。
 こうした中、国においても、最重要課題として、平成14年度の健保制度の、抜本改正に向け、様々な、検討を致しております。
 高齢者数の増加に伴い、老人医療費の増大は、避けられないところであり、高齢化が進展する中で、将来に渡って安定的に高齢者の医療を支えていく制度の確立を期待するとともに、市長会などを通じて、意見を出していきたいと考えております。

 また、医療費の伸びの抑制も重要なことでありますので、壮年期からの生活習慣病対策の推進、健康づくり施策の捉進、保健事業等による適切な受診の促進など老人医療費の適正化に向け、保険者・医療機関・行政が一体となって取り組むことが必要であると認識し、こうした施策を、より一層堆進して参りたいと考えております。


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