伊藤ひであきの市政報告

2001年6月 福祉教育委員会(新総合福祉センター)の質疑内容

1.新総合福祉センターについて

(1)問目質問要旨:昨年9月議会本会議一般質問で「医療・保険・福祉のネットワークのなかで桜ヶ岡分院跡地には総合福祉センター」と公式には始めて表明された。
 12月議会決算特別委員会の中で、「路面電車活性化への取り組みとの関連で総合福祉センターを配置する場合の交通バリアフリーへの対応」について論議した。
 さらに3月の予算委員会では「現総合福祉センターの機能低下から如何なる機能を移転させるのか」を具体的に論議させていただき、地域資源(三八朝市)を有効活用する事と地域コミュニティ機能の付加、更に は新しい時代の総合福祉センターはどうあるべきか、そのコンセプトを十分掘り下げていただきたい」と要請した。

 過日、身障者会館の現状の使われ方を検証させていただいたが、創作研究室や図書談話室が約60人の軽作業の場になっている、卓球室は点訳奉仕団の作業所など本来の機能−障害者の社会参加を促すための機能と異なった使われ方が二重・三重に行われているのを改めて認識した。

 「行政ワンストップの時代に新総合福祉センターはどうあるべきか」を考えた時に、障害者の機能回復・自立促進の拠点と障害者のコミュニティ活動増進機能を果たして桜ヶ岡公園を挟んで、スムーズに機能するのかどうか。

 例えば軽作業に励む障害者が体育館でちょっと体を動かそう、あるいはプールで泳ごうとした場合、やはり同じ建物の中であれば気軽に行えるが、別々の建物で移動しなければならない。あるいは、軽作業に通う人達はバスで通っているが新総合福祉センターにはバスアクセスはない、結局、現在の児童相談所前や身障会館前バス停を使う事になるなど機能を分けても、その機能をいかに効率よく融合できるのか疑問が残る。
 これらの機能を含んだ一つの建物に集約される事こそ(ワンストップ)総合福祉センターの意味ではないのか。さらに、新総合福祉センターは総合福祉センターの関連からの福祉の拠点施設と身障会館からの障害者の機能回復拠点という二つの機能を同居させる事になる。

 @それをゾーンで考えるなら、この連係対応をどう考えるのか。

(答弁要旨:福祉保険課長)今回、「身体障害者総合福祉会館」「桜ヶ岡公園」「新総合福祉センター」をノーマライゼーションの心を育むことのできるゾーン、同一敷地内として位置づけ、それぞれのの施設がそれぞれの役割を果たすとともに、一体的な利用が図れるような仕掛けを考え、例えばイペントの同時開催やデイサービス的利用など市民の福祉活動を支援して参りたいと考えている。

 Aそのための地域全体のバリアフリー整備が必要ではないか。
 B特に障害者の交通アクセス、市電のバリアフリー化も具体的に取り組む必要があるがどうか。
(答弁要旨:福祉保険課長)平成10年度にバリアフリー公園として「桜ヶ岡公園」が整備され、広く市民に親しまれてきたが、今回建設する新総合福祉センターと身体障害者総合福祉会館を含むこの地域全体のバリアフリー化を進め、高齢者や障害者等ハンディキャップのある人と健常者が交流し、ふれあうことのできるゾーンとして、また障害者の皆様の交通アクセス、市電のバリアフリー化につきましても、今後、関係部局と一緒に勉強して参りたい。

 C「一体的なゾーンとして位置づけたのは行政側であり、地域から手が挙がってきた訳ではない。そのためにも周辺地域の暖かい協力も必要になる。この対応。
(答弁要旨:福祉保険課長)本市は、「育もう福祉の心のふるさとづくり」をキャッチフレーズに、市民福祉を推進してきた。今回特に、新総合福祉センターの整備により、ノーマライゼーションの精神に基づき、子供から高齢者に至る誰もが、手と手をつなぎ、集い、そして、かよい合う心を育み、共に生きる福祉社会の実現を地元の皆様と図って参りたい。
 D一方で機能分離した後の身障会館の今後の使われ方は、どう方向づけをされているか。
(答弁要旨:障害福祉課長) 軽作業訓練事業などが新総合福祉センターに移った際の各室の利用については、部屋の使用目的として掲げてあった従来の使い方に戻していく。また大いに利用をしていただくためには、各々の部屋の機能を高めることも必要と考える。改修工事なども検討する中で利用者の要望に沿った形づくりを考え、障害者団体をはじめとした多くの方々にボランティアや地域住民との交流の場として、また生活にゆとりと生きがいを与える趣味の教室などの場として有効活用できるよう検討していく。
 E今後、継続して使っていくためには身障会館の防災対策の不備や、スロープがなく車イスの障害者を大人3人が抱えなければならない実態や、給水設備や防護策の不備などが指摘されている。これらの対策について。
(答弁要旨:障害福祉課長)身障会棺は昭和57年に開設され、20年余り経過した施役の一部には修繕の必要な場所が出てきているのが現状です。修繕などにはついてはその都度適切な対応を講じてまいりましたが、障害者の安全対策についても日頃から心掛けるとともに、特に車椅子の方には2階、3階からの避難訓繚を実施するなど安全には常に配慮をしております。
 いずれにしましても、新総合福祉センターを含めた、地域に開かれた、安全で安心して使用できる会館に向けて今後とも給水役備の確保、防護設備など必要な対策を講じていきたい。
(2)問目質問要旨:桜ヶ岡分院が閉鎖され、取り壊されて4年、市民の財産である貴重な3500uに新しい障害者福祉の拠点、豊橋の健康・福祉の街づくりを前進させようとして取り組んできた経過。また行政評価の時代にどう有効利用するかが問われている背景の中で、いただいた答弁はあまりにも抽象的すぎないか。
 実施設計、建設、そして平成16年1月にはオープンするというスケジュールに入っているのに、この地でどのような施設を作り、どのような施策を展開し、誇り得る、地域にも喜んでいただける施設を作ろうという熱意が伝わってこない。
 具体的にお尋ねします。
@この地域を福祉ゾーンと位置づける以上、この地域一帯のバリアフリー、人にやさしい街づくり事業を展開すべきである。
Aかって、路面電車活性化の口火を切った寺本私案では、跡地は文化センターなどが考えられていて、路面電車沿いの公共施設を配置し、もって、路面電車活性化にも寄与しようという狙いだったと思います。
 そして、基本構想・基本計画では新総合福祉センターと明確にされた。そのことによって、少なくともそのアクセスとして路面電車のバリアフリー化とは当然セットでなければならない。前畑電停、東田坂上電停の改修、低床車両の導入など視野に入れて、桜ヶ岡跡地に総合福祉センターを建設しようとしているのではないのか。何のために2億円かけて豊橋駅の市電のりばにエレベータを設置しようとしているのか

 責任ある答弁を願いたい。

(答弁要旨:河合助役、福祉保険部長)ご指摘のことを含めて誠意を持って取り組んでいく。
 明確になったのは新総合福祉センターに対する庁内の温度差、調整不足である。障害者の側に立って、市民住民の側に立ってもっと真剣に、スピードを持って取り組んでいただきたい。

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