伊藤ひであきの市政報告

2001年5月 行財政改革調査特別委員会のポイント

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1.行政評価システムについて

(1)問目@.63のモデル事業を中心に、導入・実施に向け取り組んでこられたが、例えばプッポアップシートの例から生活習慣病予防事業(p.49)では目的と実施根拠、コスト計算による効率性、評価、効果としてみとめられた点があって、課題として認識された点とDo、Checkと回転して、改革改善のActionが導き出され、今後の改善事項が取り上げられ、来年度のPlanが列記されている。
 課題として認識された点の第一に骨そうしょう病検診受信者数を高める必要がある。基本健康診査の受診者数の拡大、教室などの受講機会を増やす必要がある。として記しながら今後の改善事項では骨祖しょう症対策をどうするかについては記述はなく、逆にそれまでの流れでは出てきていない新規事業としてのヘルスアセスメントという言葉が突然出てくる。そして来年度の細事業概要では基本健康診査の目的は19,005人と平成12年度より15人少なく、骨祖しょう症検診は600人と同じで、平成10年度と比べれば174人少ない。PDCAのストーリーに一貫性がない。
 同じようにがん予防事業(p.51)でも課題として要精検になった人が100%受診が必要である、早期のガン発見の統計の必要性、ガン検診の受診しやすい対応が必要と導き出しながら、今後の改善事項では抽象的な項目になってしまい、具体的内容については前年と同じ数値目標だけ列記し、ストーリーとして繋がりが見受けられない。

 企業のTQCに取り組んだのは20年も前であるが、目標と期限とそれを具体化するための具体的施策が明確でない計画はプランプランで、それを回転させようとしても堂々(Do)巡りをするという事を何度も教えられたが、現状の分析を数値とそのために対応した施策の面から細かく分析して、悪さ加減が出てきて始めて改善のためのPlanが導かれるのであって、PDCAは文字どおりPから始まる。ところが豊橋の行政評価シートはDoから始まっている極めて分かりにくい。考え方を聞きたい。

A今年度では事務事業評価を全庁的に展開し、職員の意識改革を図りながら、次の政策評価につなげる前段階に取りくもうとするステップは理解できるが、本会議や予算委員会で指摘したように、最終的に誰が評価するのかという事になれば、役所の中での評価でなく、住民市民である。そうすると、当面、事務事業評価に取り組む場合、内部的な自己評価が客観的なものかどうかがポイントになる。この客観的な評価の仕組みがどうなっているのかがよくわからない。

 p.29にまとめられているが、妥当性評価は分かるが、有効性、効率性、総合評価の5段階(A〜E)の区分、方向性と重要度の5段階の関係性も明確でない。p47のステップアップシートでも寝たきり者予防事業は縮小の方向性で重要度はA、かつ訪問指導は2000人減らし、機能訓練Aは42回減らしても事業費は435,000円増額である。よくわからない。
 行政評価の評価のところを評価の標準化の仕組みと客観性の両面からもっと市民に分かりやすいものにしなければ、公表してもなかなか理解が得られないのでないか。

2.行財政白書につて

(1)問目
@市税収入額、財政力指数、自主財源比率、義務的経費比率、投資的経費比率とこの4、5年軒並み下降してくる中でH10,11と繰り上げ償還を行い、公債費比率を低下させ健全性を高めてきたという早川市政の堅実ぶりが顕れている。今後の基本構想・基本計画のなかで各プロジェクトを具体化し、投資的経費がピークになるH17,18年度当りのシュミレーションをどう描いているか。10年後には公債費が1400億円に予想される。
 返していけると思って借りたものが、本当に豊橋は、産業にさしたる特徴もなく、企業集積度も低く、新産業創出といってもまだ緒についたばかりの我が豊橋が、行政を停滞させずに、地域活性化にどう向かうのか、がポイントだと思います。こうした事はこの白書ではなかなかつかめない。ある程度の将来予測も情報開示する必要があるのではないか。

A平成12年度行財政白書で始めて新手法として市の財政状況をバランスシートで表現された。この事を取り上げたのは2年前の6月議会であり、その時の提案から今回具体化された事を評価しますし、このバランスシートの積み重ねにより、他都市との比較において市財政の実態と課題が明確になり、方向づけが成されていくものと考えます。「説明責任」と「行政評価」の流れが背景にあってバランスシートは説明責任を果たしていくための重要なツールとなっている。

 具体的にバランスシートには何が記載されているのか。借方は住民の財産であり、将来行政はこれらの諸資産を有効活用される事により、住民に様々な便益を供給する事ができる。貸方は住民の負担であり、将来行政は毎年の経常経費に加え、これらの諸負債の償還負担を住民に求めなければならない。
 ならば正味資産とは何か。豊橋の場合、市民一人当たり1229千円の資産があり、そのために361千円の負担があり、結果として868千円の財産を現世において残す事ができたのであり、後世のプレゼントになり、ゆとりを残した事になると言えます。よって豊橋の財政は健全状態を維持できるという事になり結構な事です。

 が、果たしてそう言い切れるのか。資産の91%を占める有形固定資産、特に20%近くを占める土地が取得原価主義で行っている点です。民間企業会計ならば売却損、評価損という形で出てくる訳ですが取得原価で積み上げられればカムフラージュされてしまう危険性がある。


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