伊藤ひであきの市政報告

地域活性化へ 本腰の取組みを!
3月議会 責任果たす為の渾身の1ヶ月


3月28日、定例3月議会が終わりました。4月からの平成12年度豊 橋市予算は総額(一般会計+特別会計+企業会計)229,491百万円、前年比△2.7%という予算となりました。
この新年度予算は長引く景気低迷の中でどのような意味を持つのか。秋の市長選を控え、早川市政の4年間をどう総括するのか・・・。
 3月7日の本会議代表質問や10日から23日までの予算委員会での伊藤ひであきの延べ約6時間に渡る論議の経過からまとめてみました。インターネットのホームページを駆使し、一睡もしないまま乗り切った日も4日に及びましたが、皆様から負託された議員としての責務を果たす為に乗り切りました。

●新年度予算編成の方針

 新年度予算は、西暦2000年というミレニアム予算であり、20世紀を総括し、21世紀に向う区切りと、第三次基本構想、基本計画の締めくくりの予算であり、早川市政4年目という総括の予算編成であり、その意味において市民も大いに注目するところです。

 市長は「自立志向型予算」であり、「独自の判断による施策の選択に努めた予算」と答えています。長引く不況の中で市税の落ち込み(前年599億円→580億円)を前年比、実に63%アップの地方交付税(前年65→107億円)と19%アップの市債(前年58→68億円)で賄っている事が伺えます。

 また、単独事業で約16%の伸びを示すきめ細かい生活関連公共工事(49.5→57.4億円)も、総額では前年比0.4%の増(65.1→65.4億円)であり、地域経済の発展の鍵を握る公共事業を、「キメ細かな生活関連」に絞り、それも「環境に配慮した街づくり」に集約した事は評価できる。
 しかし、地域経済の活性化に繋げる事ができるかどうかがポイント。これだけの、地方交付税の伸びがありながら、公共工事が前年比0.4%の伸びしか示せなかった予算対応は地域経済浮揚策という点では説得力を欠きます。

 その陰に、県の財政悪化による、県支出金が前年の30.7億円から10%減の27.3億円余にとどまっている事を見逃す事はできません。
 愛知県2番目の都市の市長として、県の万博・国際空港への多大な出費とのバランスの中で、どう東三河・豊橋を活性化させるか、市長の県への対応が問われます。

●中小企業実態調査が示す深刻な実態

 皆様方の協力を得て、2月中旬に中小企業実態調査を96社において行いました。「昨年2月に比べ今年に入ってからの業況については48%が「悪くなった」、17%が「大変悪くなった」と答え、合計65%が深刻な経営難を表明しています。
 特に、約5割の市民が関連する、建設・電気・ガス・水道事業者においては、7割の業者が深刻な経営危機を訴えています。
 また、全体の45%で、資金繰りについては「苦しい」と答えています。
 豊橋においての地域経済活性化策はとりもなおさず、道路・河川などの一般土木事業をどれだけ用意するかにかかっています。

●県の補助金カットから福祉を守る

 また、県の補助金カットから豊橋の福祉医療(乳児医療、障害者医療、母子・父子家庭医療、老人医療)を守るために、1.6億円の市税をつぎ込み、助成 を継続した市長の姿勢は評価できる。

●地域経済活性化へ海外戦略を

 中小企業実態調査では「現在の事業分野から成長を見込まれる分野への転換を検討した事があるか」の質問には35%の34社が「ある」と答えました。
しかし。「現実に着手したか」の問いには74%の25社が「していない」と答え、その8割が「資金や経営のノウハウが不足している」と答えています。

 この事は市の産業施策である「異業種交流、ベンチャー企業育成」はもはや観念であってはならない事を示唆しています。サイエンスクリエイト計画の10年のノウハウの積み重ねがどのように足元の地場産業で具体的に展開できるか、問われています。
 それだけに、ハノーバ万博に出展する豊橋の5社の内の2社が、従業員が6名、8名という企業が参加する事の意味は大きい。世界に挑戦する豊橋の中小企業の先駆的試みです。また3月議会でアメリカ・オハイオ州トリード市との友好提携も明確になってきました。

 日本の地方都市=豊橋と世界の地方都市の活発な経済交流を進め、地域経済活性化に結び付ける戦略プログラムで歯車を一つ一つ回転させていく努力が必要です。

●最大のポイントは「豊橋市介護保険」

 担当部局の懸命な取組みによって、4月からスタートする訳ですが、今だにケアプランが確立されていない人が約2割あり、駆け込み申請への対応も含め、 緊張の中にも、介護者の立場に立った丁寧な取り組みが必要です。

   96億円規模の介護保険特別会計でスタートする豊橋市介護保険は介護が必要なお年寄り一人に年188万7千円、月に換算すると15万7千円かかる事になります。また、豊橋の介護保険料2,757円は1,287円が在宅に、1,470円が施設介護に使われる事になります。一人当たりの在宅介護者にかかる費用は月95,000円、施設介護の、月一人当たりの費用を計算すると365,000円。いわゆる、横出し、上積みで市町村独自の介護保険を目指している地域がある中で、豊橋の介護保険は一定の水準を確保しながら、むしろ一般会計による、老人保健福祉事業で対応しようとしている所に、特徴があります。

 それだけに介護保険の精神は在宅介護であり、地域介護が本来の姿ですから、向こう三軒両隣がどう助け合っていけるかという自助・共助の部分がポイントになります。

●豊橋の教育改革について

 豊橋の校長・教頭の現状に2つのゆゆしき傾向がある。学閥がある訳がないと思うが、小中校長74人中の63人 85% 教頭の57人 77%はある大学の卒業生であるという厳然たる事実がある。豊橋市には養護教諭も含め1798人の小中学校の先生がおられる。その大学の卒業数はさすがに多くて913人。50%を占めているとはいえ、この数字はおかしい。

 また、小学校の校長の登用時の平均年齢は豊橋は55.3才、中学校のそれは54.5才。全国平均は52.3才と52.2才。全国的には気鋭の世代が登用されているのに豊橋の校長・教頭は8割方ある大学の出身者で固められ、全国平均よりも2ないし3年お年を召した方が登用されている。

 こうした幾つかの根本的な問題が解決されなければなりません。その上で、トリード、南通、ドイツの青少年達と豊橋の青少年が大いに交流する機会と場を拡大し、国際派の豊橋っ子の育成に全力を注ぐべきだと主張しました。

●中心市街地の活性化について

 いよいよTMO組織を設立し、中心市街地の活性化に取り組む事になります。市は1000万円の資本参加します。全国、津々浦々で「中心市街地活性化法」に基づく、街づくり事業が進んでおり、その地域間競争に勝ちぬく為には、マネージメントし、オーガナイズ(組織化)する人間の智恵と力がポイントです。新進気鋭の有為な人材を思い切って登用し、不退転の覚悟で取り組むべき事を主張しました。

 何よりも「本当に賑わいを戻す事ができるのか、どこまで中心市街地に金をつぎ込みつづけるのか、その責任は誰が取るのか」を明確にする必要があります。


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