地方政治クリエイト 15/03豊橋市議会傍聴記

任期最後の一般質問に登壇者14人

■国際交流

 伊藤篤哉氏(自民)はこれから求められる国際交流のあり方について、地方自治体の「グローバル化」と「自治体国際政策」の歴史を述べながら、国際交流のあり方を質問した。

 質問の中で、9年前の市政100周年時に策定した「平和・交流・共生の都市宣言」に基づく「推進計画」の「平和」「交流」についての体系づけが甘いことなどを指摘し、「国際交流」と「多文化共生」をわけて考えるべきだと持論を展開した。

■まちなか広場

 渡辺則子氏(市民会議)は都市計画決定が予定されている「まちなか広場」について様々な市民の意見にどのように考えているのか、にぎわいの創出につながるのかと問題提起した。これには市長が答弁に立ち、「市民の注目度が高いまちなか広場の整備にあたっては、全体としての空間の居心地の良さを最大限配慮していきたい」とした。

 渡辺氏は「市長はもっともっと市民に情報を公開すべきだ」と主張し、5期20年の最後の一般質問を終えた。これには多くの支援者が傍聴席を埋めた。

■定員管理

 廣田勉氏(まちフォーラム)は「行財政改革プラン」が最終年度を迎えたことから、定員管理の適正化と人件費削減について論じた。

 総務部長は「民間活力の導入、多様な任用形態などで中核市の中で上位となる効率的な職員体制を維持している」と答えた。

 廣田氏は「様々な雇用形態の全ての職員を含めた定員管理の「適正化計画」の策定を要請し、市民サービスを低下させることなく定員管理を行うためには、業務量の適正な把握が必要なことも指摘した。

■肥料かごみか

 斎藤啓氏(共産)は消費税増税後の経済状況や、生活困窮者自立支援法への取組みを聞いて、リフォーム助成制度の導入や子ども医療費の助成の拡充、給食費の助成導入などを提案した。

 斎藤氏は豊橋で操業中の産廃物の堆肥化施設は「肥料かごみか」について、現場で検証して聞いたが、新城市、田原市にまたがる問題であり、注目される質問だった。

■入札不調

 寺本泰之氏(紘基会)は一昨年度25件、昨年度は65件、今年度は12月末で52件ある入札不調について問題提起した。

 財務部長は「建設業は、震災復興工事、建設投資が回復傾向にあることや、就業者が減少していることから職人や技術者が不足している状況。このため下請価格の高騰、下請業者の確保が困難となったことが主たる要因」と答えた。

   寺本氏は今回も最低制限価格制度の撤廃を強く求めた。

■総合戦略

 星野隆輝氏(まちフォーラム)は「まち・ひと・しごと創生戦略への対応について質問した。

 星野氏は「豊橋版総合戦略についてはチェック段階において外部評価も受け、客観的で透明性の高い効果検証をするために、PDCAの考えを庁内に定着させ、自分たちの仕事をチェックすることにつなげるべきだ」とし、課題・目的・手段を混同させないことが重要と指摘した。

 また、将来目指すべき人口規模について、企画部長は「高度な自治体機能を維持し続けるには、人口30万人程度の規模が必要」と答えた。

■歯科口腔保健

 山田静雄氏(自民)は、ライフステージごとの歯科保健事業を評価し歯科疾患予防の取り組みについて取上げた。健康部長は、「健康なまちづくりには市民、地域団体、保健医療関係者、行政が同じ方向を向いて取り組む必要がある」とし、歯科口腔保健条例の制定に意欲を見せた。

 また、山田氏が提案した「歯科口腔保健支援センター」については、その設置目的は概ね対応できているとした。

■おもてなしの心

 沢田都史子氏(公明)は“心のおもてなし”で市民サービスNO.1への取り組みについて取上げた。

 総務部長は「住民に最も身近な行政機関である市役所、そしてそこで働く職員は『おもてなしの心』を強く持ち、市民に寄り添った親切な対応を心掛け『気持ちの良い市役所』となるよう努めている」と答えた。

 沢田氏は「おもてなし隊」を評価し、「できることから始めませんか」と職場総点検を提案した。


 任期最後の本会議に登壇したのは14人。「来期に登壇できるために選挙の方が大事」なのだろか。

 苦言を一つ。「議会基本条例」に基づく「議会報告会」が昨年2月19日に行われたきりで、今年度は一度も行われることなく任期を終える。

 議会最終日には議員報酬増額の議案は賛成多数で可決する見通しという。これでいいのですか。


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