地方政治クリエイト 15/03蒲郡市議会傍聴記

市長の予算大綱説明を基に議論

2月25日、稲葉市長は予算大綱説明で「昨年はラグーナ蒲郡の譲渡など、市にとって大きな潮目の年となった。転換期にあたる15年度は、市長就任以来の4大施策である―@堅実な行財政運営A安心してお産・子育てのできるまちづくりB働く場の確保・産業の振興C市民病院の安定経営・住みやすいまちづくりを柱に、人口増につながるまちづくり、市民の健康づくりをさらに充実させる」と所信を述べた。  これを受けての本会議代表質問、一般質問が2日から3日間行われた。

■堅実な行財政運営

 蒲郡自由クラブを代表して伴捷文氏は市長の示す4大施策を順に質問した。

  その中で伴氏は市債残高10%削減の市長公約について説明を求めた。これには市長が答弁し、市債は13年度末で480億円余になる見込みであり、4年間で47億円余が削減できる見込みであり13.67%となることを明らかにした。
 ついで働く場の確保・産業振興の取組みについて聞いた。産業振興部長は国の地方創生予算で関連メニューを活かして取組むとした。

   また防災対策について総務部長は南海トラフ巨大地震について県が昨年5月末に発表した被害予測調査結果を受けて、避難所を充実するとして、海抜5b以上に立地する公共施設で公立保育園14園の遊戯室を避難場所に指定。これで約1万4300人を収容可能とするとした。

 20人の市議の7割の14人を擁する最大会派として新年度予算をどう評価しているのか、その主張を聞きたかった。

■合併浄化槽の補助金の復活

 公明党蒲郡市議団を代表して大竹利信氏も4大施策を中心に質問した。
 大竹氏は下水道を整備するより個別合併浄化槽の方が費用面や災害等を考慮すると有利な地域があるが01年から合併処理浄化槽が義務化されたことから廃止になっている補助金の復活を要請した。
 産業環境部長は、これまでに自助努力で転換された方との不公平が生じることなどの課題も含め、検討していくとした。

 また、大竹氏は増え続ける認知症対策について取上げた。
 市民福祉部長は本人・家族も含め誰が認知症になろうと、住み慣れた地域でその人らしい生活ができる社会の実現を目指していくとした。

■住宅リフォーム事業

 日恵野佳代氏(共産)は市内の中小零細企業の実態から問題提起し、当局から市内の事業所が564件、8分の1もの業者が減っていると市内中小企業の厳しい実態を答弁させ、4年前に行った住宅リホーム事業では予算の14倍、9億6千万円余の経済効果があったことを引き合いに、国の地方創生予算を同事業の再開に活用すべきと持論を展開した。

また新年度にラグーナ関連予算が10億円を超えることから「ラグーナで蒲郡は活性化したのか、していくのか」と迫った。

 歯切れよく、外堀から本丸に迫る質問の組み立ては「さすが」だった。

■選挙投票所

 尾崎広道氏(自由)は市内でも山麓沿いに住む高齢者夫婦が運転免許証も返却し、買い物にも不自由している生活の中で、「選挙投票所に行く手段がなくて困っている」という市民の相談から選挙投票所のあり方について問題提起した。

 総務部長は周辺市町村の一投票区あたりの有権者数の比較から蒲郡市のそれが多かったので10年の参議院選挙から36ヶ所から現在の25ヶ所に再編したとした。期日前投票所の設置についても同じような比較検討から市の中心部に位置している市役所一カ所にしているとした。

 役所はいつも横並びの比較で自分たちの行政行為を正当化する。これでは相談のあった老夫婦への答えにならない。その意味で尾崎氏はもっと踏ん張るべきでなかったか。また72年ぶりの大改革だといわれる18歳選挙権付与についても議論して欲しかった。


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