地方政治クリエイト 14/12豊橋市議会傍聴記

被災地を忘れず、身近な防災対策を

■防災・減災

 東日本大震災以降、毎年、石巻市、南三陸町に足を運び復興を見届けてきた渡辺誠氏(自民)は防災・減災対策について質問した。

 特に渡辺氏は今後予想される南海トラフ地震や煩雑に発生している豪雨土砂災害などに備え「地域の避難所」としての集会所・公民館の役割は大きいことを強調し、その集会所・公民館が300件あり、その3分の1が安全基準を見たいしていないことを指摘し、市の支援を要請した。

■情報公開

 寺本泰之氏(紘基会)は今回も情報公開のあり方について問題提起した。

148億円余のバイオマス資源利活用施設整備・運営事業の事業者選定に当たり、応募した業者の提案書に対する情報公開請求があった場合の見解を質し、当局は個人情報や企業のノウハウについては情報公開できる部分と非公開の部分があるとした。
 また一部を黒塗りにして非公開としている退職者の再就職先公開についても9月議会に続いて問題にした。
 総務部長は退職者が民間企業に再就職することは何ら問題なく、退職者再就職先公開について地方公務員法改正もなされたが、あくまでも退職者による行政への働きかけの規制がポイントであることを強調した。

■多忙化解消

 鈴木義則氏(公明)は学習指導要綱の改定で授業時間数が小学校で年間300時間、中学校で約100時間増加するなかで大部分の教員が仕事量が多すぎると感じている人が9割を超えている実態から教員の多忙化解消について取り上げた。

 鈴木氏は様々な対策がなされているが抜本的改善には至っていないとして、学校全体の組織力や教育力を高めるための「チーム学校」の取組みを提案し、教員だけでなく様々な専門家や事務職員の力を積極的に活用していく必要性を要請した。

 教育は教員だけの問題でなく、学校組織全体の総合力、さらには地域力も不可欠であり納得できる提案だった。

■のんほい鉄道

 宮澤佐知子氏(公明)は総合動植物公園が広すぎて疲れるという面から、現在の「のんちゃん・ホイ君号バスに代る「のんほい鉄道」の進捗状況を聞いた。

 当局は「広大な敷地を移動補助の役割とともに子どもたちが楽しむことができる魅力的な遊具として整備するものであり、鉄道愛好家も含めた検討委員会で基本フレームを取りまとめている段階であるとした。

 宮澤氏は市民参加の整備手法として枕木の一本でも寄付者の名前を銘板に刻むような取り組みを提案した。

 また宮澤氏が防災教育の質問の中で「ど根性ひまわり」について話したが、被災地に勇気と希望を贈るシンボルとしてひまわりを育てる連帯の絆は全国・全世界へと広がっており、宮澤氏が紹介した「ひまわりの種」が来夏には大きな花を咲かせることを期待したい。


 衆院選を横目にしながらの一般質問だった。事実、昼の休憩時間には街頭演説会場に走る議員の姿も見られた。
 国の地方創生は地方の生き残り戦略そのものであり、それはそのまま地方議会の役割そのものである。統一地方選までの、任期満了まで議員諸氏の奮闘を期待したい。

(愛大地域政策学センター研究員)


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