地方政治クリエイト 14/12豊橋市議会傍聴記

明日の豊橋へ懸命な議論

 カレンダーが変わり師走。冬将軍が列島を覆った12月1日、定例豊橋市議会一般質問が始まった。
 翌日には衆院選が公示になり、慌ただしい中での市政議論となった。

■プロモーション事業

 山本賢太郎氏(自民)は、5年目に入った「ええじゃないか豊橋推進計画」の進捗と成果について質問した。

 特にナンバープレートの封印を三河港に立地する新車整備センターで可能となる規制緩和が実現し、10月20日には第一号の納車式が行われたことから三河港の輸入自動車産業を活用した戦略的プロモーション事業の強化を強調し、その手順についても持論を展開したが具体性があった。

■マイナンバー制度

 2年後にスタートする「マイナンバー制度」について取り上げたのは深山周三氏(まちフォーラム)。

 深山氏は既存システム改修や新規システムの整備状況、制度に関する条例の整備計画、制度導入を契機とした業務や組織の見直しの三点から質問を展開し、「東三河広域連合」が取組む「社会保障への協働処理事務」についての影響と対応について言及した。
そして、経済的に使い勝手が良く、情報交換時の安全性に視点を置いたシステムの構築を要請したが、地方行政の新たな課題をよく精査した問題提起だった。

■再開発事業

 渡辺則子氏(市民会議)は豊橋駅前大通二丁目地区再開発計画が来年3月末を目途に都市計画決定される予定であることから、そこで設置される市民待望のまちなか図書館づくりのために市と再開発準備組合で作成した「再開発計画案」などを市民に情報提供し、正月明けに予定されている事業案の縦覧期間も、もっと時間をかけ熟議すべきでないかと迫った。
 そして、図書館を駅前大通に直結させ、南側の狭間広場につなげる配置案を提案した。

 図書館という公共施設が入る再開発事業での公共性の確保と事業を成り立たせるための採算性とのせめぎ合いの議論は真剣だった。

■健康遊具

 沢田都史子氏(公明)は公園での健康遊具を活用した健康づくりについて取り上げた。
 「公園を取り巻く環境も大きく様変わりしている。市内には50公園に計142基の健康遊具が設置してある。公園や遊具を管理するハードと市民の健康づくりのソフトが一体となって事業推進すべきではないか」と主張は明確だった。

   それだけにこの議論から、健康づくりや介護予防、さらには地域包括ケアシステムに広げていただきたかった。

■地域猫施策

 昨年9月施行の殺処分ゼロを目指した「改正動物愛護法」による動物愛護の面から野良猫問題について取り上げたのは星野隆輝氏(まちフォーラム)。

 健康部長は「市が引き取った猫を新しい飼い主に譲渡する事業で3年間で60頭を新しい飼い主へ譲渡した。また不妊去勢手術の費の補助金も用意し、185頭の猫に実施。08年に469頭だった殺処分も13年度に239頭に減少させることができ、一定の成果があった」とした。

 星野氏は地域猫もゼロにすべき地域猫施策の更なる展開を要請した。

(愛大地域政策学センター研究員)


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