地方政治クリエイト 14/12新城市議会傍聴記

課題山積、総力で新たな扉を開け!

■道の駅

 総額8億3000万円を投じて建設中の「道の駅」について、進捗状況や経営形態などについて聞いたのは加藤芳夫氏。

 当局は11月末の進捗状況は建築工事は8割、外構工事は7割で予定通り来年3月下旬にはオープンできる。また、プロポーザル方式で決まった指定管理者の名鉄レストランが地元産材を利用した料理提供や産直市場、土産販売などを実施し、指定管理料は支払わないで、利益の2割を市に納める契約であることなどが明らかになった。

■健康づくり

 「しんしろ健康づくり21」計画が最終年度を迎えることから、生活習慣病の増加、医療費の高騰、むし歯のある子の割合が高いなどの新城の健康づくりについて取上げたのは下江洋行氏。
 特に糖尿病対策として介護が必要な高齢者の口腔ケアに力を入れるべきではないかと提案し、地域包括ケアの観点からもケアマネージャーと内科医、歯科医が連携した取り組みを要請した。

■防災対策

 鈴木眞澄氏は最近の御嶽山噴火や長野県北部地震が起きていることから防災対策について聞いた。
 昨年6月に災害対策基本法の一部が改正され、避難所のあり方が見直されたが、新城市では今だに安全性を基準にした避難施設の変更等が行われないままで推移していることから、鈴木氏は、早急に地域の実情に合わせた取り組みを要請した。

「災害は待ってくれない」ことを肝に銘ずるべきだ。

■産廃処理施設

 浅尾洋平氏は産廃処理業者タナカ興業と県企業庁、県と新城市の関係について質問した。

 特にタナカ興業に対して「企業団地進出には賛同いたしかねる」とした12年6月の新城市の公文書を愛知県企業庁が知ったのは一年後の13年5月であったことを問題視した。
 当局の「確認できる書類が残っていない」とする答弁に、浅尾氏は「県に相談することなく文書を送ったのか」と追及したが、当局は「この段階では破産管財人の所有であった」と突っぱねた。
   客観的事実があいまいで交渉事が行われてきたという印象はぬぐえなかった。 この事に関しては他の3人の議員も取り上げた。

■人口減少対策

 新城市の大きな課題になっている人口減少対策について現状認識や取り組むべき課題について丸山隆弘氏が取り上げた。

 来年度に人口動向分析や将来予測に努めるとし、魅力あるまちづくりで市民満足度を上げるのが行政の役割とする企画部長に、丸山氏は特に若者の晩婚化や未婚化の実態把握に努めるべきと要請した。企画部長は若い世代に企画運営を任せた男女の出会いの場を提供することも明らかにした。

■産廃処理施設

 中西宏彰氏は12月5日の県議会での地元県議の産廃処理施設質問を紹介しながら、現在、産廃業者は操業開始に向けて、施設整備を進めている。許可権限のある県に対する市の対応について質問した。

 環境部長は「産廃対策会議における事業者からの回答などを県と共有し、県が厳正な判断をするよう努める」としたが、中西氏は地元住民の切実な思いに応える結果に導くために、最大限の努力を要請した。

■地方創生

 滝川健司氏は「まち・ひと・しごと創生法案」など地方創生関連2法案が成立した事を受け、その見解と対応・方向性について聞いた。

 企画部長は国からは15年度中に「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」を策定するよう指示が出ていることから、市をあげて総合戦略づくりに対処していくと答え、今議会で初めて答弁に立った市長は「土地利用に関する権限などを市町村に委ねるよう市長会を通じて求めている」とした。

 地方創生といっても権限、財源が伴わない漠然としたものである印象が残った。


 産廃施設進出や市庁舎建設など課題は山積。そして新東名、道の駅などの準備は進む。新城市がどのように新たな扉を開いていくのか、来る年に期待したい。

(愛大地域政策学センター研究員)


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