地方政治クリエイト 14/04市議会再編

リーダー都市の覚悟を示せ

■3派連合はどうなる

 昨年5月、岡本泰氏(まちフォーラム)が第72代議長に就任した。豊橋市議会史上最年少の議長の誕生の背景には、36人中過半数を超える19人の3派連合の“数の力”がなせる結果だった。

 岡本議長は「豊橋、東三河のかかえる課題は山積している。みんなで考え、みんなで決める議会をめざして」新しい議会作りに奔走した。

 特に各種団体との連携を強め、会派を超えて11月に豊橋市議会議員連盟を発足させた。さらに東三河五市議長会会長としての立場をいかんなく発揮して「東三河広域連合」に向けての議員研修会などを活発に行ってきた。

 しかし、ここにきて“3派連合”は会わせて16人となり、過半数に届かなくなった。

■倍返しなるか

 「自民党豊橋市議団」には五期の鈴木道夫氏、藤原孝夫氏の二人が、副議長も、議長も経験しないまま、時間が経過している。「この二人の処遇をどうするかが今回の自民党豊橋市議団編成の大きなポイント」とある議員はもらす。

 その意味で、今後の5月中旬の臨時議会までの45日間の議長選を巡る動きが注目される。
 斬新な発想力で市議会を引っ張る岡本議長を続投させて、議会改革を継続させ、議長複数年制を定着させるのか。
 それとも再編成の最大会派「自民党豊橋市議団」が鈴木道夫議長、藤原孝夫副議長の長年の懸案で“倍返し”するのか。いずれにしても「16」という微妙な数字である。

■寂しい議会報告会

 2月19日夜、市役所13階講堂で「第1回議会報告会」が行われた。

   昨年3月に制定された「議会基本条例」にのとっての報告会であり「これからは一緒に議論を進めていきたい」とあいさつした岡本議長の意気込みとは裏腹に集まった市民は32人。空席だらけの寂しい第一回だった。

 「動員はしませんでしたから」とある議員は言う。また、「委員長報告は自分で書いたんですよ」と胸を張る議員もいた。委員長自ら書いたことが誇れることなのか。

 厳寒の2月に市役所13階まで足を運んでいただくための、議会としてのPR活動はどうであったのか。
 また新城市議会や田原市議会の「住民の中へ」の姿勢と比べると、豊橋市議会のそれは「お高く」構えていないか。

 「岡本議長の手柄になるだけですから」とある議員がつぶやいたが、所詮、他人事なのか。

■東三河をリードせよ

 3月予算議会で東三河5市の代表質問を中心に傍聴、取材させていただいた。改めて豊橋市、豊橋市議会が東三河の政治を、議会をリードしていかなければならないことは明白である。

 その使命感、その責任感を36人の議員一人一人が深く自覚し、余事を交えず懸命に議会活動、議員活動に徹することができるかどうか。そのことが何よりの議会改革でないのか。

 「広域連合が視野に入った以上、広域連合議会をどうするかという待ったなしの課題が東三河8市町村議会に突き付けられている」(岡本議長)時に、新しい酒を盛る新しい革袋を用意できるかどうかが問われている。


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