地方政治クリエイト 14/03豊川市議会代表質問傍聴記

合併して5年、一体的発展が課題

■旧郡部に合併への不満

 自民党豊川市議団を代表して登壇した波田野文男氏は昨年8月に発表された「市民意識調査」から特に「合併の満足度」について言及した。
 合併の満足度は「どちらともいえない」(56.1%)が最も高く、「満足している」が25.9%、「不満である」が15.4%となっている。地域別には旧御津町で「不満」の割合が高くなっているのを始め、旧豊川市では1割以下であるのに対し、旧郡部では3割が「不満である」となっている。
 このことから波田野氏は旧御津町が中心となる三河湾沿岸部の津波対策問題や「支所機能の見直し」が進む中で、旧4町の役所であった各支所は住民の身近な行政の窓口であることなどを強調した。

■予算要望の成果

 公明党市議団を代表して井川郁恵氏は予算要望した防災対策と学校教育につて質問した。

 当局は新年度防災会議メンバーに5人の女性が加わること、避難所運営に女性の意見を反映した検討会議を開催しマニュアル化していくこと、学校環境の改善のために洋式トイレへの改築、学校給食での食品アレルギー対策などの取り組みを答えた。

 市民の生活現場から吸い上げた会派としての「予算要望」がどのように反映されているのかを丁寧に確認する姿勢は「市民の声」を大事にする会派の特徴がうかがえた。

■福祉医療費の削減

 佐藤郁恵氏は日本共産党市議団を代表して、アベノミクスの危険性、消費増税による市民に及ぼす影響などにより、市民の貧困化が進むのではないかと質問した。

 議論の中で、大型事業に取り組みながら国民健康保険への補助金や福祉医療費の削減などの県の動きを問題視した。
 副市長は「影響の大きいものは県市長会を通じて働きかけていく」とかわした。 また設楽ダムについて「本当に必要か」と迫った。

 当局は平成32年度まで毎年4千万円前後の財政負担を明らかにし「渇水による水不足、洪水の危険性から地域住民を守り、東三河の発展のために必要である」とした。


 豊川市議会の代表質問を終日傍聴したが、提案者側の施策の説明に終始する質問が多かった。
 新年度予算案に込められた市長の政策意図を、それぞれの会派の立場から議論するのが代表質問ではないだろうか。

 それにしても、午前中は私を含めて3人、午後は私だけの傍聴席はあまりにも寂しい。1209億円余の予算の使われ方を審議する議会の、それも代表質問なのにである。 (愛大地域政策学センター研究員)


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