地方政治クリエイト 14/03豊橋市議会代表質問傍聴記

生活現場主義の地方議会の責任

■地域包括ケア

 公明党市議団を代表した鈴木博氏は健全な財政運営の指標、消費増税による地域経済への影響、保健。医療。福祉の推進、地域包括ケアシステム、少子化対策などについて質問を展開した。

 その中で、予算編成についてはメリットシステム・インセンティブ制度やクラウドファンディングによる資金調達などを提案したが、そのような仕組みが豊橋に必要とする背景を現状の課題を明らかにして説明しないと単なる提案に終わってしまう。

 レセプト・健康情報等を活用したデータヘルスの推進については、地域包括ケアの構築に向けて、保健・医療の連携の大前提になる大事な課題であり、的確な議論だった。

 その地域包括ケアについては人口8800人の岩手県の中山間地の旧藤沢町を引き合いに出したが、38万都市がその仕組みを構築していくためには何が必要なのかにつなげて、議論を深めていただきたかった。
 市長が答弁したように「日常生活圏域の特性を考慮した地域密着型のシステム」を作り上げていけるかどうか、生活現場に根付く地方議員の役割の重要性を肝に銘じてほしい。

■地域づくりのパートナー

 会派まちフォーラムを代表して質問に立った芳賀裕崇氏は「新年度予算が5つの重点化にどれだけ配分されたか」を計算し、産業振興に35億円、防災・減災対策に16億円、保健・医療・福祉の推進に123億円、環境対策には6億円と配分されていることを妥当かと質(ただ)した。

 またアベノミクス効果が取りざたされているが、中小企業は依然、厳しい状況にあり、そこへ消費税増税が重なるため、中小企業振興策、地域産業活性化策を強く要請した。

 芳賀氏は、東三河広域連合についても言及し、東三河県庁との関係や、県の東三河ビジョンと県予算について聞いた。
 市長は「広域連合を設置する目的は20年後、30年後の東三河の姿を見据え、上来に渡って持続可能な地域を作るための連携体制の強化にある」とし東三河広域連合と東三河県庁は東三河の地域づくりのパートナーであると答え、東三河振興に資する財源の確保を求めていきたいとした。


 4人の代表質問は決められた60分を目一杯使っての活発な議論がなされ、それぞれの会派の主義主張を反映し、研鑽の後をうかがわせる政策提案が行われた。

 折しも、代表、一般質問の本会議開会中に、3年目の3・11を迎え、11日の午後2時46分には1分間の黙祷も行われた。
 政治に携わる人たちは2万人を超える 犠牲者の無念の思いを、災害に強い国、災害に負けない暮らしづくりに、向けていただきたい。

 年度末に向けて最大会派の新政未来と第二会派の豊流会の合流が水面下で模索されているようであるが、会派の離合集散を繰り返してきた保守系の春の定例行事にしてはいけない。
 豊橋の、そして東三河の未来を切り開く政策集団への脱皮のためであることを期待したい。

(愛大地域政策学センター研究員)


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