地方政治クリエイト 14/03田原市議会代表質問傍聴記

東三河をけん引する強い覚悟

3月3日、豊橋市議会本会議場で佐原光一豊橋市長は一般会計1258億5000万円をはじめ総額2604億6600万円にのぼる来年度予算案などを上程し、市政運営の所信を示した。

東三河8市町村で設立を目指す広域連合については来年度を「発足に向けた重要な年」と位置づけ、「先進モデルとして全国にその取り組みを発信していきたい」と強調し、人材育成の重要性、若者の創造を育てる取り組みや女性の力を最大限に生かす取り組みを展開し、『新しい価値を創造して育てるまちづくり』を進める」とした。

 重点施策については、産業振興や防災・減災対策、教育・文化、保健・医療・福祉、環境対策の5項目を挙げた。

それを受けて10日、代表質問が行われた。

■SWOT分析

 新生未来を代表して坂柳泰光氏は「予算編成」に対する市長の市政運営について質問した。

 坂柳氏は昨年11月に「予算要望書」を提出するにあたって、10年後の豊橋の将来を見据え、4つ(強み、弱み、機会、脅威)の分野で分析するスワット分析手法を用いて、課題を抽出し影響度・緊急度・対応度で評価し、特筆すべきものを重点要望事項として取りまとめた事を明かし、それに沿って質問を展開した。
 その第一の項目に挙げた豊橋市の活力(経済力)強化について、市長は「新たな産業拠点の形成、新たな産業の創出に取り組み、足腰の強い産業基盤を築き上げていく」と答えた。

 また農業についても海外戦略の拡充や次世代型施設園芸に取り組み、新たな地域農業の確立を強調した。

 東三河広域連合については、その規約の議決については今年12月、遅くとも来年3月に成就するとの強い覚悟を示した。

 会派でのブレ―ンストーミング(自由にアイデアを出し合う)による政策分析を背景とした坂柳氏の質問と、東三河のけん引役を前面に出した佐原市長の決意とが共鳴し合う中身の濃い議論だった。

■少子高齢社会の財政運営

 豊流会を代表した前田浩伸氏は財政運営については「少子高齢化の進展により社会保障関係費が増大し、財政の硬直化が常態化している」とし、産業の活性化には「企業誘致とともに人材確保・育成が重要である」など持論を展開して、質問を進めた。
 市長は「行財政改革を着実に推進し、健康長寿社会の実現に取り組み、社会保障関係費の抑制につなげていきたい」など答えた。

 また、15年4月の開校に向けて建設が進む市立特別支援学校については年間2億円弱のランニングコストを要し、田原市と負担の協議をしていることも明らかにした。

 前田氏は予想される大規模地震に備えて、消防庁舎などのあり方についても問題視し、内海に面した地域が浸水の危険が高いことから、こういった地域に立地する消防署所や器具庫のあり方も指摘した。

 二期生議員の前田氏が会派代表として、この一年、苦労してきた分、その質問には力強さと説得力があった。

(愛大地域政策学センター研究員)


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