地方政治クリエイト 14/03武豊発電所視察記

再生可能エネルギーを考える

 3・11から3年。鎮魂の思いが日本列島を包むなかで、3月14日、「メガソーラーたけとよ・武豊火力発電所視察会」(主催=東三河懇話会)に参加した。

■メガソーラたけとよ

 「メガソーラーたけとよ」は発電出力7500Kw(一般家庭約2千世帯分)の中部地区最大級の大規模太陽光発電所。愛知県知多郡武豊町に建設され、東北大震災が起こった2011年10月に営業運転を開始し、ナゴヤドーム3個分の広大な敷地(約14万u)に整然と並ぶ、約39168枚の太陽光パネルが20度の勾配で並ぶさまは壮観です。

 太陽光発電は、太陽の光を直接電気に変える「太陽電池」を利用した発電方法です。「メガソーラーたけとよ」で使用している「シリコン太陽電池」では性質の異なる2種類のシリコンを重ね合わせてあり、太陽光が当たると、マイナスの電気はn型シリコンへ、プラスの電気はp型シリコンに集まり、電気が発生する仕組みです。

 この電気を直流から交流に変え、電圧を挙げて送電し、変電所で使用しやすい電圧に下げられ、配電線などを通じて、工場や各家庭に届けられます。

■太陽光発電の特徴

 太陽光発電は、太陽の光という枯渇することのない国産エネルギーを利用する発電方法であり、発電時にCO2を出さないというメリットがあります。その一方で、夜間は発電できず、雨や曇りの日は発電量が少ない、大量の電気を作るには広大な面積が必要などの課題があります。

■他の発電方法との違い

 メガソーラーとは出力1メガワット(1000Kw)以上の大規模な太陽光発電のことをいい、再生可能エネルギーの基幹電源として期待されています。

 電力会社によるメガソーラーは、計画建設中のを含めて約25ヶ所、電力会社以外によるものは約48ヶ所と平成21年11月よりの余剰電力買取制度の導入により急速に拡大しています。

 しかし、例えば「メガソーラーたけとよ」での一年間の発電量(730万kWh、出力7500kW)は7km先の碧南火力発電所の5号機が8時間動けば800万kwhでオーバーします。ましてや、浜岡原子力発電所の5号機が6時間動けば828万kWhで超えます。

 コストはと言えば、原子力は5〜6円、火力は7〜8円であるのに比べ太陽光発電は40〜50円(いずれもkWh)と高い。ちなみに地熱8〜22円、風力は10〜14、水力は8〜13円。

「中部電力は再生可能エネルギーの更なる開発や普及促進に努めるとともに、火力、水力、原子力など各発電方法の運転特性や環境への影響、経済性などの特性を踏まえて、バランスのとれた最適な電源の組み合わせとなるよう電源のベストミックスに取り組んでいます」と永崎重文所長は言う。

(愛大地域政策学センター研究員)


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