地方政治クリエイト 正念場の東三河ミクス(上)

「夢はかけめぐる」

 1月10日(金)、恒例の東三河を代表する産学官民のリーダー約250人が集まり、「東三河5市長1郡町村会長を囲む新春懇談会」がホテルアークリッシュ豊橋で開かれた。 佐原光一豊橋市長、山脇実豊川市長、稲葉正吉蒲郡市長、穂積亮次新城市長、鈴木克幸田原市長、伊藤実北設楽郡町村会長(豊根村村長)の6氏が壇上に並んだ。コーディネーターは榊佳之豊橋技術科学大学学長。
 今回のテーマは二つに分かれていて、「地域の特性を生かして、どのように取り組んでいくのか」、そして「広域連携の今後のありかた」。

■夢は世界へ膨らむ

 「昨年は23号名豊道路が静岡県側とつながるなどインフラ整備が進んだ。今年は次の飛躍に向けて全てに仕込みが必要だ」と豊橋市長。

 その中心に座るものとして産学官連携の研究開発型ネットワークをあげて、世界に向けて発信していける産業群を構築していく必要があると夢は大きい。そのためにも観光、防災のためにも浜松・三ヶ日・豊橋道路の南北軸が必要となる。

 プラットができてまちの質が変わってきた。60回目の豊橋まつりで「2万人総踊り」を実現させて、駅前再開発の突破口としていきたいと夢は膨らむ。

■夢が夢でなくなって

 「東三河が一体となってBIグランプリを成功に導いていただいた」と豊川市長。何せ東海地方で初の大イベントをやってのけた自信が風格にもにじみ出した。

 オープンしたばかりの新市民病院は満床状態、豊川高校の女子駅伝は全国優勝、同校野球部は春のセンバツ出場が有力など夢が夢でなくなってきている事実に裏打ちされているのでしょう。
 その余裕が「これからは東三河全体の発展につなげていきたい」として、「救急医療などは豊川も担っていきたい」ときっぱり。

■夢は海を活用して

 農漁業、蒲郡の特性として人工皮膚の再生医療、海綿活性剤を使った高い技術力を持った産業の台頭、音泊を中心とした観光産業など各分野でバランスが取れたまちとなってきていると蒲郡市長。

 「海、特にヨットはバーの活用を通じての活性化に挑戦して、オリンピックのための強化合宿、練習拠点にしていきたい」とした。

■夢はダイナミックに

 昨秋の市長選を経て三期目に船出した穂積市長。平成の大合併が歴史的に評価をされるときに「その成功モデルは新城市であると胸を張れる地域でありたい」として、その具体的な形として、「自らの地域のありようを自ら考え、自ら取り組むために地域自治区への挑戦を始め、そのための本予算が組まれていく段階を迎えた」と覚悟は決まっている。

 新東名の工事が着々と進む中で、産業誘致、土地利用などへ「山の湊」の夢は広がる。

■夢は日本一継続

 市制10周年を迎えた田原の特性は何よりも日本一の農業。その背景に渥美農業高校の卒業生が中核となって、農業技術を蓄積して生産性の高い農業を確立している。

 またシンガポールに派遣している若い職員を突破口に海外市場への展開を取り組んで、国の農産物の輸出拡大の動きを取り込みたいとした。
 そのためにも、「花き日本一のまち」で花を贈る習慣を広めたいと堅実。この大胆さと地道さがおもしろい。

■夢は森林対策

 昨年暮れにダムの方向性が示されて再び注目を浴びることになった北設楽郡。その総面積の9割が森林であり、避けて通れないのが林業。

 伊藤町村会長は「昔は“杉は40年、桧は50年”と言われたが、今は70年、80年経ってもうまくいかない。言うまでもなく出口―流通がうまくいかないからであり三河材の利用促進に下流域の力をお願いしたい。また、放置されたままの間伐材の利用促進にも苦労している」と林業の振興が、そのまま地域振興につながるだけに必死さが伝わってくる。


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