地方政治クリエイト 13/06豊橋市議会傍聴記(中)

郷土愛に燃え、市民のために市政に励め!

■特別支援学校

 近藤喜典氏(新政未来)は特別支援学校開校に向けた取り組みを中心に障害福祉の取組みについてただした。

 教育長は「特別支援学級を卒業した子どもが、特別支援学校への入学を希望した場合には、高等部職業コースを設立し入学できる門戸は開いていく。同校は県立豊川養護学校の過大化解消を目的としており、対象としては豊橋市、田原市の子どもを中心にカバーすることになる」など明らかにした。

 近藤氏は障害児・者への相談就労支援のためには、福祉部と教育部がもっと連携して取り組むべきだと熱く持論を展開した。

■高齢化対策

 高齢化社会における高齢者向け住宅政策や民間のスポーツ施設等を活用しての介護予防等について議論したのは牧野英敏氏(共産)

 共産党市議団団長である牧野氏は登壇してから33分、27分の時間を残して質問を終えた。
 26年前、初めての豊橋市議会で直面したのは、二人の共産党議員のために議会はあるのではないかと思うくらいの同議員団の存在感だったことを思えば隔世の感がある。
 占領期の日本で、独立と経済復興に強いリーダーシップを発揮した吉田茂は、野党の役割を重視し「与野党ともに良識に富み、愛国心に燃え、国家国民のために国政を行わんとするにあらざれば、民主政治とはいえないのである」(『回想十年(4)』)と述べている。
 課題山積の豊橋市政と議会改革のために、同党市議団の奮起を望みたい。

■郊外集落地

 田中敏一氏(新政未来)は郊外集落地域の暮らしや活動を支える対策と、市街化調整区域の土地利用の考え方について取り上げた。

 都市計画部長の「同地域の人口は、特に顕著な減少を示しているわけではない」との答弁に、田中氏は「子どもを中心に人口構造の変化が急激に起きている」と反論した。
 さらに、市街化調整区域は市街化を抑制し、農地や自然環境を保全する制度であるが、既存集落のコミュニティ危機がひたひたと迫っている現実を示しながら「中心市街地に活性化策を集中する豊橋のまちづくり」に警鐘を鳴らし、「都市計画マスタープランの見直し」を迫った。

■自然歩道

 尾崎雅輝氏(新政未来)は「豊橋の自然資産を活かした取り組みについて」特に豊橋海自然歩道の現状と課題について論じた。

 約37qに及ぶ維持管理には「豊橋自然歩道推進協議会」への委託などで行われているが、ここにも高齢化・後継者不足が影を落としている現実。
 同様のことは石巻小学校と二川中学校が教育活動に取り入れている学校林の維持管理を託している地域ボランティアでも起きていることが明らかになった。

 若い議員が自然資産の継承を論ずる姿は好感が持てた。

■総合動植物公園

 中村竜彦氏(豊流会)は今年一月に骨折が判明して、リハビリ中のマーラの回復状況と今後のゾウ関連の整備計画に与える影響について取り上げた。

 総合動植物公園部長は「現在は、骨と筋力強化に向けたリハビリに緊張感を持って取り組んでいる。リニュアル事業は動物が伸び伸びと暮らすことができる展示・飼育環境の創出を大きなテーマとしており、同事業に影響はない」と強調した。

 また、同部長は経営基盤確立に向け、駐車場の有料化にも言及し、「駐車の際の使い勝手の良さ、安全性の確保を理由に有益」とした。

 同公園のポテンシャルは平たんな広い敷地と併せ広い駐車場が“売り”であったはずである。中村氏は「理解させていただきました」としたが、市民の理解は得られるのだろうか。何よりも「百万人プロジェクト」への影響などの議論が欲しかった。


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