地方政治クリエイト 13/06豊橋市議会傍聴記(上)

広域連合で何が変わるのか

 豊橋市議会は3月議会で「議会基本条例」を制定した。しかし、市民にとっては、そんな条例などは関係ないのです。「議員はしっかり勉強して、市民に代わって真剣に議論して、豊橋のまちをよりいい方向に導いてくれや」ということなのです。

 若い岡本泰議長を先頭に何が変わっていくのか、注目していきたい。

■幹線道路網

 松崎正尚氏(新政未来)は昭和3年に都市計画決定された豊橋環状線の整備が85年経過した現在も、未完成だと迫った。

 特に豊川以北の進捗が止まっており、都市計画部長が「事業推進には、何よりも地域の声が重要となります。引き続き、期成同盟会と連携して進めてまいりたい」と答えていたが、傍聴に来ていた関係地域の市民からは「お役人の答弁だわな」とあきらめの声が上がった。

 松崎氏の「市長、豊橋というのは豊川以南のことを言うのですか」の言葉は若者らしく良かった。

■生活保護

 国の生活保護制度の見直し問題を取り上げたのは斎藤啓氏(共産)。
 福祉部長は「急激な変動を避けるため、様々な配慮がなされていて、一ヶ月あたりの減額は千円から七千円程度に抑えられている。よって直ちに困窮に陥る世帯はない」とした。

「今回の見直しは物価動向の反映であるが、消費者物価指数が下がっているのはパソコンや家電製品などであり、生活必需品の物価は上昇している」と斎藤氏は食い下がっていたが、共産党議員の面目躍如な場面だった。千円減額の“痛み”を知る議会であってほしい。

■居場所づくり

 本市の高齢化率が21%を超え、超高齢社会に突入している中で、家に閉じこもりがちな高齢者に日常的な楽しみと生きがいの「居場所づくり」を提案したのは市原享吾氏(豊流会)。

 高齢者を地域のコミュニティや地域活動の担い手として位置づけての議論は新鮮さがあった。

■広域連合

 東三河広域協議会は今年度、豊橋市役所内に、広域連合の設立準備室を開設して、作業を急いでいる。

 豊田一雄氏(新政未来)は「市民が知りたいのは地域住民の暮らしがどう変わるのかということであるのに、検討されているのは事務的な内容が中心。事業の検討こそ優先すべきだ」と指摘した。

 堀内一孝副市長が「まずは設置して、できることから始める。市民向けのパンフレットも作っており、情報提供していく」とした。
 特別委員会まで設置して議論している議員諸氏がわかりにくい広域連合を、市民にわかりやすく解説するパンフレットなど用意できるのだろうか。

■シティプロモーション

 3年目を迎えたシティプロモーションについて、その評価や効果について取り上げたのは山本賢太郎氏(新政未来)。

 会社員時代の経験からマーケティング戦略などでコンテンツ自体を磨き上げ、認知、関心、選択へ誘導する取り組みを強調したが、馴染まなかった。

 ここはヤナセの会議室でなく、自治体議会なのだということに、そろそろ気がつくべきだ。

■子育て支援

「子ども・子育て関連3法」の本格的実施まであと2年。一人ひとりを大切にした保育・教育の実践をどう具体化するか。実際のサービスを担う自治体の取り組みが問われているだけに毎回の渡辺則子氏(市民会議)の子育て質問は評価できる。

 しかし、今回も質問項目を14項目並べた。60分という時間枠で質問・答弁で平均4分の議論である。毎回、取り上げる割には議論が深まらない感を抱くのは、私だけだろうか。


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