地方政治クリエイト 13/06田原市議会傍聴記(上)

農業の活性化策に活発な論議

 国政においては自公連立政権が発足から半年を迎えようとしています。最優先課題に掲げた「経済再生」は、大胆な金融緩和と財政出動が、効果を発揮しつつあります。

 しかし、「アベノミクス」は地方に、地方経済にどのような影響を与えつつあるのか、参議院選を前に6月定例議会の議論が大いに注目されるところです。

■通学路対策

 長神隆士氏(田原新政会)は通学路の安全対策について取り上げた。
 一年前、京都府亀岡市でおきた通学途中の悲惨な事故後、子どもが巻き込まれる交通事故が相次いだことで問題化。
 田原市では、20小学校のPTAが中心となり総点検が行われ、対策を要する危険個所72ヶ所を中心に改善に取り組んでいることが示された。

 国のいわゆる「15ヶ月予算」で、国が自治体に財政支援する「防災・安全交付金」の取組みや、自治体に通学路の安全対策を助言する専門家「通学路安全対策アドバイザー」などについて議論を展開していただきたかった。

■小型家電

 辻史子氏(公明)が今年度から施行された「小型家電リサイクル法」に基づき、「公共施設や若者が集まる場所に回収専用ボックスを設置すべき」と提案。

 当局は燃やせないごみのうち6割が金属類、1割が小型家電で、金属類の売却収益は年間1100万円あり、今後も「分別の精度向上に努力していく」とし平行線。

 もう一つの地域福祉サポートシステムの議論も同様だが、田原市の取り組の現状分析を丁寧に行って問題点を明らかにしていく議論を期待したい。

■広域連合

 「広域連合を設置しなければ東三河は一つになれないのか」と東三河広域連合に切り込んだのは鈴木義彦氏(田原新生会)。

 政策推進部長は今春から発足した豊橋市役所での準備室での取り組み状況を踏まえて、今後のスケジュールを示していたが、「各市町の議長からも具体的なイメージがわかないなどとの指摘もあり、住民の理解を深めるためにも、拙速主義ではならない」と市長も答えた。

■学校英語教育

 「英語が使える日本人」育成のために「田原市独自の英語教育」を訴えたのは牧野京史氏(田原新生会)。

 教育部長は中学校が目指す「英検3級程度の英語力」については全国平均では32.1%で、田原市のそれは26.3%であることを明かし、「小中の連携でコミュニュケーション能力を中心に着実な英語教育をめざしていく」とした。

■産業振興策

 農業日本一の田原市における「6次産業化」や「農商工連携」について持論を展開したのは小川貴夫氏(田原新生会)。

 「6次産業化法」が施行されて2年、全国で1190件が認定されているが田原市で認定されたのは1件と、動きは遅く、容易ではない。また、市内の耕作放棄地対策として創設する農地バンクや遊休温室に対し温室バンクを立ち上げることなどが示された。

■食育推進

 仲谷政弘氏(田原新生会)」は高齢化の中で増大する医療・介護費の軽減のためにも日本一の農業産地の田原市こそ、「食」をキーワードとする健康づくりを推進すべきと提案した。

 平均寿命日本一の長野県が減塩・野菜の食育に取り組んでいることからの展開で、田原市は健康都市連合に加盟する動きもあり興味深かった。


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