地方政治クリエイト 13/05豊橋市議会臨時議会傍聴記

大胆に若さで豊橋市議会を一歩前に!

■真摯な議長所信表明会

 5月15日(水)に召集された臨時議会において、市災害派遣手当の支給条例など3議案が原案通り可決された後、議長から「辞職願」が提出された。
 議会は、直ちに休憩に入り鈴木道夫年長議員を進行役に議長選に向けての二人の議員による「所信表明会」が行われた。
 議会傍聴席の傍聴者は私一人であったが、真剣な「所信表明会」に立ち会うことができた。

■全議員の意見を反映する議会―岡本泰氏

 最初に登壇した岡本泰氏(まちフォーラム)は「みんなで考え、みんなで決める議会」を訴えた。具体的には@市民に開かれた議会、A行政監視能力の強化と政策を作る議会、B市民や各種団体との連携を強める議会、C東三河広域連合へ主体的に取り組む議会の四点を丁寧に話した。

 その中で特に「議会事務局の充実・強化」について述べたが「地方自治法」第百三十八条では議会事務局長を初め事務局職員の任免権は議長にあり、議長の命を受け議会に関する事務に従事する事を明らかにしており、その条文に照らして大いに期待されるところである。

 また、広域連合については「住民の幸福にどうつながるのか」「統治機構の改革にどうつながるのか」の二点の角度から取り組みたいとした。

■分権、広域の時代の議会―藤原孝夫氏

 藤原孝夫氏(新政未来)は議員として19年間の地方議会を取り巻く変遷を述べることから話を始めた。
 地方議会は分権化と広域化の時代の要請にこたえていかなければならない。そのために「豊橋市全体で向かっていく方向に、市議会が日常的にどう向き合っていくべきか」との問題提起から、東三河8市町村議会、浜松、飯田市議会などと連携し、市町村の枠を超えて、一体的に発展してゆく可能性を追求していく市議会のあり方に挑戦していくべきだと持論を展開した。
 また議会改革について「議会基本条例」に基づき、議論の活性化のためには、委員会での議案外質疑の実施や本会議での一問一答方式の採用などを通じて、活発な議論の場を創っていきたいとした。

■非自民系の最年少議長誕生

 真摯な「所信表明会」が終わり、再会した議会で議長選が行われ、開票の結果、岡本泰氏(まちフォーラム)が第72代議長に就任した。

 平成13年5月の議長選で鈴木清博氏が議長に就任して以来、11年ぶりの非自民系の議長の誕生であり、45歳という市議会史上最年少の議長の誕生となった。
 「豊橋、東三河のかかえる課題は山積していますので、36人の議員すべての方の力を借りてまい進していきたい」と選任のお礼を述べて議長席に着いた。

■圧力に屈せず

 投票結果で見る限り、藤原氏の所属する新政未来会派は13人であるので、藤原氏が獲得した15票、及び自分に投票したという伊藤篤哉氏、中村竜彦氏の各一票が議長選の裏側を物語っていた。

 伊藤篤哉氏は「自民党豊橋支部や県連から、自民党員以外への投票については処分するとした圧力があった」ことを明らかにした。
 しかし、それらに屈せず、地方議会人としての判断をもとに議長選が行われたことは、自立した地方議会のありかたとして評価できるのではないか。

■決意の覚悟を示せ

 ノーサイドのホイッスルは鳴った。

 岡本泰議長、古関充宏副議長の新体制となった以上、議員諸氏は異体同心で、地方政治の改革に議会として取り組んでいただきたい。

 その「同心」とは何か。3月議会で制定した「議会基本条例」の「日本国憲法に定める地方自治の本旨を尊重し、その役割を果たしていく決意の証」とした議会として、市民に示した覚悟である。

 岡本泰議長も、「大胆に議会とまちを変える」と翌日の記者会見で述べていたが、左右前後から議会を、まちを揺さぶり続けていただきたい。

 遠慮はいらない。丸くなる必要はない。時には尖(とが)って・・・。それが最年少議長の特権だから。


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