地方政治クリエイト 13/05豊橋市議会議長選を前に

重要な豊橋市議会の役割!

◆非自民系議長誕生か

 連休が明けると。豊橋市議会は5月15日(水)召集予定の臨時議会における議長をはじめとする恒例の議会人事の季節を迎える。
 この時期、一年に一度のこの人事活動を目指して地方議会はあるのではないかと思われるほど、議会人は生き生きとなり、右往左往する。まさに初夏の風物詩の感さえする一大イベントである。

 豊橋市議会においても10年ぶりに非自民系の議長が誕生するのか、 それとも、市長選、衆院選と存在感を示した自民党豊橋支部の面目においても、自民系議長が誕生するのか、注目されている。

◆今回も提出される「辞職願」

「地方自治法」第一〇三条では「議長及び副議長の任期は、議員の任期による」としている。それでも議長・副議長選が行われることになるのは「私儀、この度一身上の都合により、豊橋市議会議長(副議長)を辞職いたしたいので、許可されるようお願いいたします」と「辞職願」が出されるからである。
 今回も、近田明久議長と宮澤佐知子副議長は「辞職願」を提出する意志は固い。

 昨年5月にも近田明久議長は「辞職願」を提出し、休憩時間に、他の議員からの求めに応じて、所信を述べて、再選された経過がある。この時、佐藤多一副議長が辞表を出さなかったことから、「慣例は議会運営上、十分尊重されるべきものであるという全会一致の認識を逸脱している」として、不信任案が出され、可決された経過がある。
 以降、昨年の12月定例会の冒頭に佐藤副議長から「辞職願」が出されるまで、この「副議長居座り問題(?)」に相当なエネルギーと時間が費やされた。この問題で豊橋市議会は何を得て、何を学んだのか。

◆議長は名誉職ではない

 先の「地方自治法」に依るまでもなく、本来なら議長は任期中の四年間は、同一人物が務めるべきものである。ましてや、一年交代の議長では失礼な言い方になるが“お飾りの名誉職”であり、諸会合での“来賓”にしかすぎない。議長の決め方も当選回数による典型的な「タライ回し」人事である。
「議会はどうあるべきか、そのために議会は何をすべきか」という機能主義には程遠い。

 今、地方分権の流れの中で、地方から国を変えようという地方政治の改革が求められている。その先頭に立つべき議長が“名誉職”では改革など覚束ない。
 地方議会は条例の制定権を有する。予算の議決権、修正権も有する。地方政治の骨格である政策と予算を決定してゆく権限がある。
 しかし、全国の地方議会は首長が提案する政策の追認、あるいは批判機関でしかない。地方議会不要論まで論じられるのはこのような実態による。

◆重大な豊橋市議会の役割

 去る3月定例議会で豊橋市議会は、「日本国憲法に定める地方自治の本旨を尊重し、その役割を果たしていく決意の証」として「議会基本条例」を制定した。ここでいう「地方自治の本旨」に従い、その「役割を果たしていく決意の証」として、どのような議会人事、特にどのようにして議長が選ばれていくのか、市民はジッと見ている。

 目を外に転ずれば、国政は「アベノミックス」という言葉で代表されるようにデフレ経済からの脱却一辺倒である。しかし、その副作用が市民生活を直撃する可能性もある。
 TPPに象徴されるように“世界”と共存し、戦わねばならない時は迫っている。特に、この地方の農業がどのように乗り越えるか、そのための政策戦略が不可欠だ。
 東三河にとっても「全国に範を示す」(佐原光一豊橋市長)「東三河広域連合」設立に向けて設置案の取りまとめに対応して、豊橋市議会の果たす役割は大きい。
 オープンした「穂の国とよはし芸術劇場」、市立で開設する「特別支援学校」はこれからが正念場である。いずれも、知恵を結集した施策の展開が問われる。
 また、第二東名、名豊道路と縦横の道路軸の工事が着々と進む中で「東三河は一つ」であるために豊橋市、及び豊橋市議会の吸引力が今ほど、要請されている時はない。
 「議会基本条例」の具現化もこれからである。

 その重い責任を果たすべく一週間後の議長選でなければならないことを強調したい。


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