地方政治クリエイト 13/03豊橋市議会傍聴記(中)

説得力ある現場主義の質問!

■特別支援学校

 前田浩伸氏(豊流会)が取り上げた豊橋市立特別支援学校は佐原市政の象徴的施策になる大事業である。

 現時点での課題として建設・運営に関する費用負担割合、教育環境整備に伴う地元との合意形成、特色ある学校づくりをめざす教育課程の整備の三点を教育長は強調した。その地元の議員として時々刻々の課題を整理し、議論し続ける姿勢は評価できる。

■消防団活性化

 消防団の活性化策を質したのは渡辺誠氏(新政未来)。

 今、最も求められるのは非常時に機能する地域システム作りであり、その中核を担う地域消防団の活性化は地域再生問題そのものである。市消防団長を始め14年間の消防団活動を生かして、取り組んでもらいたい古くて根深い課題である。

■二学期制の功罪

 山田静雄議員(新政未来)は7年目の二学期制について、特に3年生の進学指導に関して、保護者の不安の大きいことを指摘した。
 教育長も学校間に温度差があることを認めながら、適切な進学指導を各学校に指導していくとした。
 東三河で二学期制を導入しているのは豊橋市と蒲郡市、その検証は議会の役目である。

■障がい者福祉

 尾崎雅輝氏(新政未来)は聴覚障害者への支援や災害時の福祉避難所の課題について取り上げた。
   市政番組への字幕放送や福祉避難所運営の車両や人の確保など課題は山積しているが、傍聴席には手話通訳者とともに聴覚障害者もおられ、自ら高校時代からの手話サークルなどの活動に裏付けされており、説得力ある質問となった。

■強い農業へ、強い議論を

 豊橋農業の諸課題について論じた向坂秀之氏(豊流会)。  担い手への農地集積は戦後農政の最大のテーマであり、「農地の効率的利用が可能な機能強化に向けたほ場整備事業の推進」等と言うありきたりの議論で済ましてはいけない重要課題である。 TPPという黒船が迫っている今、「ピンチをチャンスに変える」強い農業への強い議論を望みたい。

■三世代同居

 豊田一雄氏(新政未来)は自助・共助の核となる三世代同居が減少を続けていることを取り上げた。

 その分、共助を必要とする65歳以上の独居世帯の割合がこの10年間で7.1ポイント増加し、三分の一を占めていることから、三世代同居・近居を推進する支援策を迫った。
 地域ぐるみの“総力戦”が不可欠な大介護時代の到来であることを印象付けた質問だった。

■事前調整すべき

 寺本泰之氏(紘基会)は監査委員の監査のあり方や市の情報公開のあり方を問題にした。
 ベースになる案件は寺本氏本人により裁判手続きが開始されていたり、情報公開・個人情報保護審査会で調査審議が行われている。これらを本会議の場で取り上げることについて、質問通告を受け付ける時に議長はきちんと調整すべきでないのか。

■職員人事管理

 廣田勉氏(まちフォーラム)は人件費抑制の外圧の中での職員のモチベーションの維持について質した。

 市長が答弁に立ち「地方公務員の給与は自治体が自主的に決定すべきものである」とし、「国が地方公務員の給与削減を強いる措置についてはいかがなものか」と毅然とした姿勢を示したのが印象的だった。

 また、開校予定の特別支援学校の卒業生の雇用の答弁を引き出したのも評価できる。ともすれば開校に向けたハード面が議論されるが、もっと重要なのは開講以後の学校経営そのものである。

■活性化は総力戦で

 中心市街地の活性化について多角度から議論したのは伊藤篤哉氏(豊流会)。
 「ココニコ」や「プラット」を軸に総合的に中心市街活性化に取り組むことの重要性を説き、そのための全庁的な庁内体制を要請し説得力があった。


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