地方政治クリエイト 13/03豊橋市議会傍聴記(上)

東三河の地方議会をリードせよ!

 唱歌「早春賦」は長野県安曇野あたりの早春の情景をうたった歌とされています。その「早春賦」の2番の歌詞は「氷解け去り 葦(あし)は角(つの)ぐむ」とある。今、日本の政治が、一気呵成にダイナミックに動き出しています。

 こうした国の動きに呼応して、二期目最初の予算編成を市長はどのような政策意図を持って編成されたのか。

3月8日の4会派による代表質問は、市長が最後まで答弁し、市民が大いに注目しました。予算案は市長のまちづくりへの青写真であり、市長の市政運営方針の設計図そのものだからです。

■東三河連携で産業振興

 坂柳泰光氏は(新政未来)は「東三河県庁や東三河市町村との連携による産業・地域振興への取り組みについて」取り上げた。

 市長は「サイエンスクリエイトを産学官連携の中核機関として、中小企業の新たな事業展開を促進する広域的な環境づくりを更に促進していきたい」とした。
 その核が三河港であり、ロシア航路の開設や、夏にはプジョー・シトロエン車の輸入も開始されることなどを示して、世界情勢と企業ニーズを的確に把握して三河港の振興に取り組んでいく強い覚悟を示した。
 その追い風になるのが東三河県庁の「振興ビジョン」であると位置づけた。 そこまでの議論をしたのだから、来年度の重要なテーマである「東三河広域連合」について最大会派として踏み込んでいただきたかった。

■広域連合の議論を深めよ

 東三河広域連合の進捗、広域連合の長と議会議員の選挙について正面から取り上げたのは古関充宏氏(豊流会)。

 市長は8市町村が「東三河広域協議会」で長年の協議を重ね、広域連合の設置を目指すことで合意している」として、「広域連合の性質、あるいは付与される権限や財源についての協議の内容によって長や議員の公選制か間接選挙かが変わってくる」とした。

   ともすれば「広域連合ありきではないか」という見方もあるが、8市町が培ってきた歴史と風土を踏まえて、大同団結し、地域力を高め、分権改革の先導的役割を果たすべく、議会での議論と準備室での協議を深めていただきたい。

 その中心的役割を果たすのは、言うまでもなく東三河のリーダー都市と自負する豊橋市長と豊橋市議会であることは論を待たない。

■突っ込んだ議論を

 鈴木義則氏(公明)は「事業の選択と重点化」や公会計改革を通じての「財政の見える化」の手法を取り上げた。

 市長は「企業会計の手法を用いて、資産と負債というストックや行政活動に要したコストなどを明らかにするため、バランスシートをはじめとする財務諸表の作成・公表を平成11年度決算から取り組んでいる」と答えた。
 「受益と負担の関係を示したコスト情報の提供の考え方」についても「コスト情報の公表方法について工夫を重ね、財政状況の透明化に努める」とした。

 正確な財務諸表で、将来にわたる財政運営を「見える化」するために、現在の市の取り組みに欠けていることは何か。
    市有施設の資産価値を明確にした固定資産台帳の必要性などを議論しないと、上滑りの軽い議論になってしまう。

■定員の適正化

 職員配置における定員の適正化について取り上げたのは深山周三氏(まちフォーラム)。

 「職員の配置・定員の適正化を図るには、業務単位ごとの労働時間の掌握は必要だ」として持論を展開した。
   市長は「そのためには膨大な事務量が必要であり、企画・立案などの不定型業務の分野には馴染まない」としながら、「嘱託職員や再任用職員の定型業務に活用したい」とした。

 定員の適正化は人件費抑制の面からも大きな課題であり、市長も認めるように新たな定員管理のあり方を職員の能力開発と併せて追求していただきたい。


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