地方政治クリエイト 13/03田原市議会傍聴記(下)

議会活動の原則に戻って活発な議会を!

■なぜ広域連合

 東三河8町村が協議を重ねている「東三河広域連合」について鈴木義彦氏(田原新生会)が「広域連合により何が生まれるのか」、「構成員たる市民に新たに発生する義務、役割は何か」と質した。

 政策推進部長が「広域的な発展の可能性、より専門的な行政能力、より質の高い行政サービスン」を強調した。
 それでもなお、「なぜ広域連合でなければならないのか」という率直な投げかけへの答弁は説得力に欠けた。
 「メリットのある事務を対象とする」としながら、その具体的な形が検討課題になって、これからだからである。

■救命の第一走者

 河合喜嗣氏(田原新生会)は高齢化が進む中で、救急業務は市民の安心・安全のために不可欠な業務であり、その第一人者は市民であることを強調し、救命リレーのために心肺蘇生法の習得とAED設置の拡大を訴えた。
 論理明確な質問だった。

■友好都市交流

 田原市が海外交流しているジョージタウン市、プリンストン市の姉妹都市と2つの友好都市、国内の設楽町との姉妹都市、宮田村、阿南町の友好都市の交流事業の今後について長神隆士氏(田原新生会)が取り上げた。

 3町が合併して現在に至っている田原市の経過の中で、今後とも交流事業で何をめざすかという目的と事業効果を明確にする議論を深めてほしかったテーマである。

■最大の被害予測

 大震災から二年。今、特に懸念されるのが「南海トラフ」沿いで予想される巨大な地震だ。

 田原市は2月初め、南海トラフ巨大地震の被害予測を盛り込んだ新しい防災マップを作成し全世帯に配布した。このマップをもとに防災・減災対策を取り上げたのは藤井敏久氏(田原新生会)。
 東西30km、三方を海に囲まれた田原市が県内では最大の被害規模となることも予想され質問は真剣だった。

■楽しい給食

 杉浦文平氏(無所属)は平成26年4月の事業開始に向け建設中の「新給食センター」の運用について「おいしい給食」のあり方、事業運営にあたっての地元業者優先の考え方を質した。

 特にセンター方式の残食率が約3%であることから、多彩な給食のあり方を議論した。広い市域をいかに効率よく配食するか、メニューは同じでも調理法を変えて、中学生や小学低学年に最適な献立の工夫など楽しい議論となり、新センター運用後は、全校がセンター方式になるが「楽しい給食」を彷彿させた。


 昨年の6月議会から田原市議会に通い、「議会傍聴記」を書かせていただいて一年になる。
 田原市議会の一問一答方式にも慣れてきたが、議論が横に広がるばかりで、深まらないケースが多い。また全ての質問と答弁が原稿の読み合いになっていて、緊張感は伝わってこない。

 東三河で初の「議会基本条例」の「議会の活動原則」に戻って、あるべき議会を追求していただきたい。


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