地方政治クリエイト 13/03田原市議会傍聴記(上)

新たな区切りの年度を緊張感で!

 国政においては「強い経済・強い日本」を目指して懸命な政策展開がなされようとしています。
 こうした国の動きに呼応して、市制10周年を迎え、第一次総合計画スタートの年でもある田原市が、どのような予算を編成し、新年度に踏み出そうとしているのか、3月定例議会の議論が大いに注目されるところです。

■代表質問とは何か

 太田由紀夫氏(田原新政会)は会派を代表しての質問に立った。「予算編成の基本的考え方」を「国の緊急経済対策」と「今後の財政運営の見通し」の2点から、また「重点施策と目指す方向について」は「自立した地域経済の確立」と「老朽した公共施設」の2点から質し、市長自ら答弁に立ちそれぞれに答えた。

 「代表質問」が「特定の議員が政党または会派を代表して、長が執行する一般事務について質問事項をまとめて質問する」ためにあるとするならば、会派として市長の予算編成についてのメリハリのある主張が展開されなかったのは残念である。
たった一つの、それも与党会派ならばこその切り口があるのではないだろうか。その緊張感こそ、二元代表制の地方議会に最も要請されていることである。

■現状の掘り下げ

 人口減少・少子化対策について仲谷政弘氏(田原新政会)が取り上げた。
 そのための若い世代にとっての魅力的なまちづくりのために多方面からの質問が総花的になされたが、その要因として未婚化が地域の課題である(市長の施政方針)ことが明確になっているのだから、未婚化の現状を柱に質問を組み立て、焦点を絞っていく展開が必要ではなかっただろうか。

■噛み合わない議論

 辻史子氏(公明)はLED照明灯の導入を、民間資金を活用したリース方式で行うことによって初期投資や維持管理の財政負担を軽減できると提案したが、最後まで議論が噛み合わなかった。

 防犯灯、道路照明灯がリース方式で一括LED化されている先進事例を紹介したのだから、田原市のそれらを一括リース方式にした場合にどれだけの財政効果があるのかを明確に示せば説得力ある提案になったのでないか。

 アレルギー除去食の議論も田原市の体制のどこに問題があるのか、ないのかを丁寧に調査して具体的に質問を展開しないと他都市の取組み事例の紹介だけで終わってしまう。

■犠牲者0の難しさ

 東日本大震災から2年、渡会清継氏(田原新政会)は「地域防災計画の見直し」、「地域防災戦略」について取り上げた。 そのなかで「地震津波からの犠牲者ゼロ」については災害時要援護者の問題をとりあげ、対象者が5117人、登録者はその24%とその困難さを示した上で、防災対策には「ソフトとシステムの二つのS、ハードとヒューマンの二つのHの大切さ」を消防長の答弁で強調させたのは連続性があった。

■わかりやすい議会

 牧野京史氏(田原新生会)は「新学習指導要領」導入後の教員の多忙化の現状を示し、教員の増強や少人数学級を提案した。
 また、市民には解りにくい教育委員会の意義や役割についても質したが、教育長の答弁がまた解りにくかった。

 議会は6万5千人の市民のためにあるのだから「市民にわかりやすい議会」を第一義にしていただきたい。


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