地方政治クリエイト 新春懇談会 乱れ飛ぶ6本の矢(下)

汗と知恵を結集しよう

■田原城評定

 鈴木市長は中間的な役割を強調。東三河の潜在力を生かして何をやるかが大事。八市町村が一つになることが大事で、東三河県庁が示す「東三河振興ビジョン」を実現、具体化する推進母体の一つであると認識している。
 これは「合併の変形」だと思っているとも

 「何をやるかが大事」でなくて、「やらなければならないことがこれだけあるから、広域連合を確立する」のではないのですか。
その広域連合は東三河県庁の下請けですか。
 いくら東三河の地図が変形とはいえ、「合併の変形」なんかでなくて、6年前には、この会場で当時の早川豊橋市長に「東三河合併に動くべきだ」とこぞって迫った熱気はどこへいったのでしょう。

■難題を広域で解決を

 横山北設楽郡町村会長は「高齢化率45.8%の北設楽山間地域は課題が一杯であり、これら課題解決に向けて広域連合全体の課題として取り組んでほしい」とひたすらお願い。

 過去40年間、設楽ダム計画に振り回されてきた、失われた時間を取り戻すために、政権交代のなされた今、従来の計画通り進めていただきたいと強い口調で。設楽ダムの水の恩恵は北設楽の住民にはないのに、人生まで変えられた苦渋の歴史。もっと怒っていいですよ。

 地場産業の生き残りのために、チップも含めて地元産木材を大いに使っていただきたいと生き残りに必死。

 「広域連合を『ああだ、こうだ』と議論している余裕はございません」と発言されれば、拍手喝采だったろうに。

■学問研究の場ではない

 参加者名簿を見れば一目瞭然ですが、大学など教育関係者は7人。聞き入っているのは行政・議会関係者が約百人。民間企業、商工会議所、農協関係者が約百人。
 産学官民ということで、毎回大学の学長がコーディネータをお勤めになるのだろうが、もう少し当意即妙で進行されませんか。

 穂積市長が長と議員の公選制を述べれば「穂積市長は立候補されますよね」ぐらいの突っ込みはあってもいいのではないですか。
 稲葉市長が慎重論を述べれば「いつでも抜け出て、西三河と組まれるおつもりか」ぐらいは聞いて下さいよ。

■「東三河は一つ」一筋50年

 この東三河の各首長が集っての新春懇談会の歴史は古い。

 1963年10月に「東三河開発懇話会(神野太郎会長)が設立され、1971年1月に「4市長を囲む新春午餐会」が開始され、1982年に「東三河4市長4郡町村会長を囲む新春懇談会」に改称され、1986年4月に会長が神野信郎氏になり、幅広い活動と共に、さらに会を積み重ねてきた。

 この50年間、ひたすら強調され、貫かれてきたことはただ「東三河は一つ」。

 今回も神野会長は言う。「官民共同の広域戦略で、東三河の魅力を高め、大きな競争力を持つ強い日本再生のモデルにしようではないか」と。

■東三河の胎動

 福岡ソフトバンクでは千賀滉大、森福允彦投手が、さらに今年から東京ヤクルトスワローズに入団した小川泰弘投手の活躍が期待される。
 女子フィギャーの世界では鈴木明子さんが円熟味を増し、豊川高校の男女駅伝が優勝、準優勝の栄冠に輝き、箱根駅伝では時習館出身の山本修平選手が早大のゼッケンで走り、名大の鈴木明子選手は五輪をめざし、六大学野球で注目の鈴木翔太東大のエースは時習館出身である。

 サッカーでは高須英暢選手が川崎フロンターレ、三浦弦太選手が清水エスパルスで活躍が期待され、ベテラン近藤岳登選手が水戸ホーリーホックで再起を誓う。

 そして20年ぶりに、この地域出身の太田昭宏国土交通大臣が誕生したというこの好機に、この地域の行政も、議会も先駆する若者たちに負けないように、真剣に汗を流し、知恵を結集しようではないか。

 この地域の躍進の絶好のチャンスを不退の覚悟で形にしようではないか。


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