■教育論ガッツリ
伊藤篤哉氏(豊流会)は3期目に入った加藤教育長と真正面から教育論を展開した。
「教育は未来への投資である、人づくりの営みであり、その効果は100年の大計で捉えなければならない。教育の本質は知育、徳育、体育であり、いのちの教育の展開に期待したい」と持論を展開。
加藤教育長も「いのちの教育を理念として、子どもにとって最大の教育環境である教師の資質向上と、学校内外の基盤づくりをめざし、尽力してきた」と答え、アランの幸福論、渡邉京二の「逝きし世の面影」などが引用されて長い議論が続いた。
■成年後見制度
鈴木博氏(公明)は福祉・健康施策の中で成年後見制度について取り上げた。増加する認知症高齢者の権利擁護のための成年後見制度の確立が市町村に求められている。
福祉部長は「成年後見支援センターは外部委託で運営し、あいトピア内に来年度設置する」ことを明らかにしたが、制度の周知方法や市民後見人の養成が大きな課題であるとの認識を示した。
鈴木氏自身がNPO主催の成年後見セミナーに参加し勉強に取り組んだ経過から質問がなされたが、説得力があった。
■豊橋市図書館
来年1月15日に百周年を迎える豊橋市図書館の今後のあり方、南部地域図書館について取り上げたのは尾崎雅輝氏(新政未来)。
豊橋南部方面の市民は田原市図書館へ、北部方面の市民は豊川市図書館へ通っている現実があることを指摘し、楽しくわくわくするような図書館づくりを提案した。
豊橋市図書館の100年の歩み、特に羽田八幡宮文庫や司文庫の尊い歴史など先人の歴史を丁寧に紐解きながら論を展開してほしいテーマである。
■競輪事業
豊橋競輪場の近くに住む小原昌子氏(豊流会)は売上減、観客減の競輪場の実態から活性化策を尋ねた。
モーニング競輪、ガールズ競輪などに取り組み、盆踊りやダンスイベントなどでのイメージアップに取り組んでいる豊橋競輪の努力を評価した上で、入場料の無料化や、スポーツ施設、健康施設としての多角的な利用を要請した。
産業部長は「競輪事業を基本とする現状施設のなかで、市民の皆様が有効に利用できるスポーツ施設として、活用方法やソフト事業などの展開を前向きに検討していく」との答弁に留めた。
■公共交通施策
廣田勉氏(まちフォーラム)は車を使える人と使えない人との「交通の格差」が広がる中で、公共交通の充実を図るための「公」の果たす役割の重要性、環境にやさしい交通体系について取り上げた。
移動権を保障した「交通基本法」に基づく「交通基本条例」の必要性や、自動車に依存しないエコライフの推進のためには、エコ通勤などを奨励し、企業ぐるみの取り組みを政策的に誘導するために、法人市民税減免などの具体策が必要であることを強調した。
来年、「LRT都市サミット」が豊橋で開催されることもあり、地域の財産としての公共交通をどう守っていくのかという説得力ある問題提起だった。
■三河港
山本賢太郎氏(新政未来)は三河港の国際輸入自動車特区について質問した。
輸入車シェアの約5割を取り扱っている日本一の自動車輸入ハブ港―三河港が、国内初の新たな扉を開こうとしている。
それが「三河港に来て、車を購入して、そのまま乗って帰れるようになる」という話題。
自ら外資系カーディーラーでの営業経験から、この見通しを論じた。
結論として、三河港に立地するインポーターが全国のナンバープレートの封印取り付け代行者として容認されるよう申請しておりこれが認められると来年度より、ナンバープレートを取得して豊橋の港に来て、車を直接受け取りその場でナンバーをつけて乗って帰ることは可能になることを話した。
「輸入車のまち―豊橋」を彷彿(ほうふつ)させる夢のある質問だった。