地方政治クリエイト

3月定例豊橋市議会傍聴記A
「ゾウの集団飼育、市民はどう反応するか」

■シティプロモーション

 代表質問の最後に登壇した広田勉議員(まちフォーラム)は3年目を迎えるシティプロモーション活動について取り上げ、その経済効果、費用対効果について取り上げた。
 同会派は「東京事務所(首都圏活動センター)は時期早尚である」と、その設置費用を減額する修正議案を提案した経過があるだけに、毎年度末のチェックを欠かさない。

 市長は経済効果として三河港へのイタリアの自動車メーカーの進出に貢献し、その貿易額、税収増や雇用拡大に貢献したとしたが、プロモーション活動の効果を定量的に検証することは難しいが、多角度から様々に検証することが新たな戦略を生み出していくのではないだろうか。

また自主財源確保策の官民ファンド、労働環境を守るための公契約条例など経済社会の変化に合わせた新しい提案が行われ、今後の議論に注目したい。

■ゾウの集団飼育

 一般質問二日目の議論の中では特に岡本泰議員(まちフォーラム)が「民主党はコンクリートから人へ、市長は人からゾウへ」と切り出し、「アジアゾウの群れ飼育に、10年間で30億円もかけて行う必要があるのか」と質問し注目された。

 「その教育的効果は絶大である事や資金についても整備基金や国の交付金活用などでコストを縮減する」との答弁がなされたが、ゾウの確保には施設整備が先行しなければならず、リスクが高いことは明らか。
 それでもアジアゾウの集団飼育で豊橋の子どもたちに夢を贈り、動物園協会の全面的支援もあるという施策の展開が市民はどのように受け止め、どのような反応を示すのだろうか。

 岡本議員は30年前の市長選の争点になった恐竜化石問題の経過も引き合いに出したが、今秋の市長選に向け市民的テーマになるのかもしれない。

■教育問題に多くの議論

 3月議会では新学習指導要領の全面実施による新たな教育的課題について多くの議論がなされた。

 渡辺誠議員(新政未来)は中学校の武道必修化に伴う、特に市内で半数の中学校が採用する柔道の指導体制を取り上げた。「技術面だけでなく武道の精神を教えることに力点を置きたい」と教育長。
渡辺議員は学生時代だけでなく、社会人としても柔道を続けてきたのだから、そこで得たものをもっと披露してくれると生きた質問になったのではないだろうか。

 鈴木義則議員(公明)は「理科好きな子ども」、災害時には「助けられる側から助ける側に立つ」ような教育の展開を要請した。
また、質問の中で「スクール・ニューディール構想」で導入された電子黒板などの活用状況をただしたが、自分たちが提案したことをフォローする責任感が感じられた。

■入札制度

 寺本泰之議員(紘基会)は今回も、「最低制限価格制度と指名競争入札制度が不正の原因になり競争原理が働かず税金がムダ使いになっている」と主張。これに対し「法令に基づき公共工事の品質確保と、ダンピングを防ぐことができる」と答弁する行政側とは平行線のまま。

 はっきりしているのは全国の建設業者が公共工事の縮減と相次ぐ入札制度の改革の中で、弱体化し、地域の機動力までもが弱まっていること。考えるべき時が来ている。


ホームページに戻る 直言メニュー