地方政治クリエイト

豊橋市議会傍聴記B(6/8)

●共産、オンブズマン3人が登壇

 豊橋市議会一般質問第三日の登壇者は3人。共産党市議団団長の牧野英敏議員、新人のというか、幾度か国政選挙を戦ってきた歴戦のつわもの斉藤 啓議員、そして間にオンブズマン議員の寺本泰之議員をはさんで。どちらかといえば反体制というか、野党というか、3人の登壇であるだけに、注目されたし、傍聴席も多かった。

 最初に立った牧野英敏議員。5期務めて県議に挑戦した伊達 勲議員が市議会から去り、新人の斉藤 啓議員は議席を得たが、もう一人の候補者鈴木美佐子女史は涙をのんで共産党市議団は2人になった。それだけに牧野団長の責任は重いだろうし、どのような議論を展開するのか、注目された。

 大震災の教訓から「災害に強いまちづくり」のくだりでは「自助・共助・公助を強調するあまり、自助・共助に偏り避難所の人員配置などが浜松市と比べて少なくないか」と指摘したが、具体的な比較をして迫るべきでなかったか。自主防災機能の体制強化についても、「防災リーダーの養成などで機能強化していく」とありきたりの答弁で締めたのは物足らない。

 それは、「安全神話が壊れた浜岡原発については停止でなく、廃止の政治姿勢に立つべきでないか」と市長に迫った斉藤議員の質問でも、市長でなく、総務部長が「国策として進められてきた原発行政に国民的コンセンサスに基づいた冷静な判断が必要」との答えに納得したわけではないだろうが、きっぱりとした反論をなさぬまま持論を展開していたが、一般質問は街頭演説ではないのだから、一般質問の技術習得と併せて、市議団の立ち位置をもっと明確にすべきでないのか。
 「物わかりのいい、穏やかな政治勢力」になろうとすればするほど、党勢は衰退していくのではないだろうか。それが組織政党の宿命である。私が議員在籍中、同じ校区におられた同党議員について、ある共産党の活動家である人が「あの議員さんは物腰もやわらかく、いつも笑顔でいい人なんだけど、私たちのように長年、党員としてやってきた人間からみれば、物足らない。もっとコブシをあげて恐い存在であってほしい」と語っておられたことが今でも、脳裏に残っている。

 かくいう私も「みんなに親しまれ、頼りにされる公明党議員」であろうとすればするほど、組織からは遠い存在になるようなジレンマに随分悩んだからこそこのように書くことを許していただきたい。

●一人は欲しいオンブズマン議員よ!

 2番目に登壇した寺本泰之議員。2期目のオンブズマン議員である。一般質問の冒頭で述べたように「一期4年間のムダ撲滅、公正公平な政治をめざした活動を評価していただいたが故の、二期目の議席」であることを自覚して、どのような議員活動をされるのか注目されるところである。

 それだけに「預け金を行っている業者をなぜ指名停止にできないのか」、「物品購入の際の一般競争入札の適用を全体の16%の500万円以上にして骨抜きにした理由は何か」、「代表監査委員が任期を3年残して辞職し、体育協会の役員に天下ったのはどうなのか」、「また、その代表監査委員の後任に平成18年、20年の不適正事件当時の財務部長が任命したのはなぜなのか」などと迫るのはオンブズマン議員の本領発揮。

 しかしである、納得のいく答弁を得られぬまま引き下がってしまうのは何故なのか、甚だ疑問だ。なぜ、「こんなことでいいのか」と拳を上げないのか。怒ってこそオンブズマン議員ではないのか!代表監査委員人事の提案権は市長にあっても、議会の議決があってのゆえである事。また不適正経理がらみの問題は公判中であることから、当局側の答弁は慎重な言い回しになっているとしてもである。


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