伊藤ひであきの視察報告

中核市目前!高崎市の経営改革(8/24)

●新たな、都市力の予感

 高崎駅西口のペデストリアンデッキからはるか赤城山・榛名山・妙義山の上毛三山を望むと、キラキラと光る21階建ての白亜のビルがいやでも目につく。これが高崎市役所である。

 東京から北西約100kmに位置し、古くから関東と甲信越を結ぶ、交通の要衝として発展し、現在では上越・長野新幹線を初め、高崎線などのJR線や、関越・上信越自動車道の高速道や5本の国道が集中する内陸交通の拠点となっている。

 平成18年に5町村と、平成21年には1町と合併し、人口37万5千人の県庁所在地―前橋市を抜いて、県内最大の都市となり、来年―平成23年4月の中核市移行目前である。
 それだけではない、平成23年度の北関東自動車道の全線開通、平成26年度の北陸新幹線の金沢延伸など、「新たな飛躍」の予感が一杯である。事実、前橋市に本社のあった「ヤマダ電機」が高崎駅東口に本社を移転し、高崎市のグレードを高めている。

●市民中心の高崎行革の歩み

 高崎市の行政改革の歴史は古い。昭和50年の第一次事務事業総点検から始まり、翌昭和53年には第二次事務事業総点検、組織機構改革、昭和56年には行政改革調査推進委員会の設置、昭和58年の「行政改革報告書」で9項目の改革の方向を打ち出した。
 昭和60年になると「行政改革推進本部」「行政改革懇談会」を設置し「行政改革大綱」を策定し取り組んできている。
 平成に入ると市政運営に合理的性と、住民の利便性が要求されて事務改善委員会を設置。新たな「行政改革大綱」を策定し取り組んだ。

 平成10年代には長期の景気停滞による市税収入の減少や、扶助費の増加、三位一体改革のうごきなどに対応するため平成15年には経営改革本部を設置、経営改革プランを策定、平成22年4月までの7年間の取組みを満了している。

●総括に光る定数管理のシステム化

 経営改革実施計画の基本理念は@市民中心の行政運営の徹底、A簡素で効率的な行財政システムの確立、B地方主権の時代に即した経営基盤の強化、C一部事務組合・外郭団体への協力要請があげられ取組み項目は154項目となる。
 そのうち84項目が完了し、70項目が引き続きその取組みを継続している。

 「定員管理の適正化」では職員数の191人の削減目標に対し、16人増の207人を削減。また「給与の適正化」では職員手当の見直し、給与表等のま直志及び嘱託報酬一元化を行い、「第三セクターの見直し」では3法人の統合と1法人の解散を図っている。

 さらに、パブリックコメント制度の導入、施設予約の電子化の推進など市民視点での施策の見直しも行っている。

 特筆されるのは「事務分担表」に基づく各部各課「定員等調整計画書」に基づいて、事務事業の計画(新規・廃止・委託化など)に関連する組織定員の見通しを計画し、職員配置をフレキシブルに、メリハリつけて行うことを常態化していること。

 「ここが高崎市の経営改革の売りですか」と尋ねても「毎年やっていることですから」としか返ってこなかったが、常態化して「あたり前化」しているところが「改革」なのだろう。


 視察に際し高崎市行政管理課の皆様や議会事務局の皆様にお世話になりました。ありがとうございました。



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