伊藤ひであきの市政報告

3月議会へD 「中一ギャップ」解消への取組み

 まもなく桜咲く新入学の季節を迎える。しかし、毎年、文部科学省がまとめる学校基本調査で、学校に行かない「不登校」の小中学生が、平成18年度に5年ぶりに増加に転じた以降、12万人を超す危機的状況が続いている。

 不登校は、病気や経済的な理由ではない年間30日以上の欠席と規定されている。その不登校が、平成18年度は、前年度に比べ3.8%増加し、実に126,894人(小学生=2万3825人、中学生=10万3069人)もの児童・生徒が長期間、「学びの場」「生活の場」としての学校に通うことができなかった。平成19年度も更に増加し129,255と1.9%増加し、なかでも中学生は、生徒全体に占める不登校の割合が2.91%と過去最高を記録した。平成20年度の調査でも中学生の割合は2.89と35人に1人、つまり1クラスに1人は不登校の生徒がいるという深刻な状況。

 その背景に小学校から中学校へ進学する際の環境変化に対応できず生徒が不登校や問題行動を起こす「中一ギャップ」。その深刻さは不登校に現れる。文部科学省の調査によると平成19年度の不登校の小6児童は7,727人であったのが、その児童が中学に進んだ平成20年度の不登校の中1生徒は23,149人と3倍にはね上がる。学級担任が児童をやさしく見守る小学校から、学科担任制で授業が難しくなる中学へ進むと、学習のつまづきや、問題行動の芽が噴き出す。

 未来を託する子どもたちを社会全体で守り育てる環境を整えていきたいという思いから、我がまちの「中一ギャップ」への取り組みについて伺う。

(1)我がまちの不登校児童、生徒の実態について、特に「中一ギャップ」の現状について伺う。

(2)その解消に向けた我がまちの取組みと課題について伺う。

(3)全国では小中別々の教育課程に、つながりのある時間割や指導法を取り入れた「小中一貫教育」が全国で始まっている。大阪市と神戸市は平成23年度から、横浜市は平成24年度から全市立小中学校で導入する。「規制緩和などで、自治体はある程度、柔軟な学校運営が可能な時代に入りました。我がまちの今後の取組みについて伺いたい。

<< 参考 >>

@2009/10/05 中日新聞(東京新聞)「中一ギャップ解消へ」

A2003/05/28 公明新聞:不登校解消へ“先生交流”/埼玉県でスタート/中学校教師が小学校で授業(小学校から中学校へ進学する際の環境変化に対応できず生徒が不登校や問題行動を起こす「中一ギャップ」の解消に向け、埼玉県は今年度から、中学校教師が小学校で児童を2年間教えた後、卒業生とともに中学校に戻る「埼玉県公立小・中学校教員人事交流(Jプラン)」を始めた。

B成功例が東京都品川区にある。全区立小中学校に順次、小中一貫を導入した結果、07年度の区の調査では中一の不登校が小六の1.5倍と、全国平均の3倍を大きく下回った。しかし、成果が見えるまでには研究校導入から7年近くを費やした。小中の先生の間の相互不信と責任転嫁の深い溝があったからという。

C豊橋市では、全中学校にスクールカウンセラーが配置されているが、平成20年度には、県の児童生徒支援加配ということで、中学校9校に教師加配1名が配置されている。その他の中学校10校には、本市の中学校不登校対策事業として、生活サポート主任の授業時間数軽減のための、非常勤講師を配置している。これにより各学校の生活サポート主任が、その仕事に専念できるように、授業等軽減された。
 「中1ギャップ、小1プロブレム」は、新しい環境に適応できないことにより生ずるものであり、発達に障害のある児童生徒に起こることが多いと言われている。そこで、心理判定員は、発達障害が疑われる子どもに対し専用の器具を使い発達検査を実施し、その判定に基づいて、その子に応じた支援の在り方を、保護者や学校に指導、助言などしている。こうした支援により、保護者の不安が軽減されるだけでなく、学校と保護者、心理判定員の三者が、同一歩調で子どもへの支援ができるようになった(平成21年9月決算委員会の議論から)


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